Celeron 1.2GHz発売、TualatinコアでパッケージはFC-PGA2に
まずCPU本体を一目見て気が付くのが、CPUパッケージ形状がFC-PGA2に変更されている点。見た目はFC-PGA2タイプのPentium IIIとほとんど変わらないため、リテール品はともかくバルク品の場合は店頭でマーキングをよく見るなどして種類の判別を行なう必要がありそうだ。そして、Celeron 1.2GHzの内部仕様で大きな特徴と言えるのは、やはり0.13μmプロセスのTualatinコアを採用している点だろう。動作電圧は1.475Vと、Coppermineコア(Dステップ)の1.75Vに比べて大幅に引き下げられており、発熱量も低減しているものと見られる。CPUクーラーも特別巨大なものというわけではなく、FC-PGA2版Pentium IIIのリテールパッケージ品などと同様のもののようだ。
となると、かつてCeleronの得意分野でもあった小型自作PCキットでの利用に期待がかかるところだが、自作PCキットはDステップのCoppermineコアやTualatinコアに非対応、あるいは対応状況が不明という製品が多いため、残念ながら確実に動作させるにはもうしばらく情報収集やメーカー側の対応などで時間が必要なようだ。一方、単独のマザーボードの対応については、Tualatinコアを採用しているだけに、TualatinコアのPentium IIIに対応していれば動作する可能性は高いと考えられる(BIOSでPentium IIIと認識される可能性はある)。
新型Celeronのもうひとつ注目すべき点は、2次キャッシュ容量がこれまでの128KBからPentium IIIとまったく同じ256KBに増えている点。つまり、Celeron 1.2GHzはFSBが100MHzであることを除けばTualatinコア搭載のデスクトップ版Pentium IIIと中身はほぼ同等というわけだ。このあたりの仕様の変化は、CPU製品のラインナップを現在のPentium IIIからCeleronに置き換え、将来的にはPentium 4とTualatinコアCeleronの2本柱で行くというIntelのCPU戦略が見え隠れしている。
先に述べたとおり、FSBが100MHzという点を除けばTualatinコアのデスクトップ版Pentium IIIとほぼ同等というこのCeleron 1.2GHzは、価格がPentium IIIに比べて安く、対応マザーボードさえ用意できれば、お買い得感の高いCPUと言えるだろう。TualatinコアのPentium IIIは値段が高くて手が出しづらかったという人は、このCeleron 1.2GHzでTualatinコアCPUを体感してみるというのもアリかもしれない。
□Celeron(インテル)
http://www.intel.co.jp/jp/home/processors/celeron/
□Intel Celeron Processor Sspec Information(インテル)
http://www.intel.co.jp/support/processors/sspec/icp.htm
(Intel Celeron 1.2GHz) |
[撮影協力:DOS/Vパラダイス秋葉原本店とDOS/Vパラダイス2号店]
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