DDR333/PC2700対応のSiS645搭載Socket 478マザー「P4S5A」がデビュー

　DDR333/PC2700対応メモリがアキバに出回るのとほぼ同じタイミングで、Elite製のDDR333/PC2700対応マザーボードもアキバでデビューを飾った。製品は、SiS645チップセットを搭載したSocket 478マザーボード「P4S5A」で、実売価格は13,800円（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。並行輸入品をいち早く入手して販売を始めたのはDOS/Vパラダイス本店。ただし、注目の製品ということもあり、3日(土)の午後には全て完売してしまったという。

　SiS645チップセットは、NorthBridgeがSiS645、SouthBridgeがSiS961という2チップで構成された、SiSでは初めてのPentium 4向けチップセットだ。NorthBridge－SouthBridge間はSiS独自の「MuTIOL（Multi-Threaded I/O Link）」で接続されており、Pentium 4用では初めて最新DDR SDRAM規格のDDR333/PC2700に対応していることもあって、高いパフォーマンスを発揮するとの期待が大きい。

　そのSiS645チップセットを初めて搭載したマザーボードとなったのがEliteの「P4S5A」。紫色の基板に、AGPスロット×1、PCIスロット×5、AMRスロット×1、DDR SDRAM用DIMMスロット×2、SDR SDRAM用DIMMスロット×2といったスロット構成を持つ。NorthBridge上にヒートシンクが搭載されているため一目で最新チップセットを搭載している製品とはわからず、見た目もごく普通のi845チップセット搭載マザーボードといった雰囲気。オンボードデバイスはとくに搭載していないが、SouthBridgeの内蔵機能を利用した10Base-T/100Base-TX対応LANインターフェイスを備えている点はありがたい。

　チップセットの新しさという点以外にも「P4S5A」の魅力はいくつかある。Pentium 4マザーボードに付き物の6ピンのAUX電源コネクタや4ピンのATX+12V電源コネクタを搭載しておらず、20ピンのATX電源コネクタのみを備えているため、従来のATX電源ユニットを搭載したPCケースも利用できるほか、「P4S5A」自体の価格もPentium 4対応マザーボードとしては群を抜いて安い。また、従来のSDR SDRAM DIMMも利用できるため、AthlonやPentium IIIのユーザーがこれからPentium 4に移行しようという場合には、コストパフォーマンス的にはベストの製品と言えそうだ。

　ただし、要注意の点もある。今回販売された製品については未確認だが、同製品の最新サンプル品をテストしたショップによると、そのサンプル品ではまだBIOSが原因と見られる問題から、DDR333/PC2700 DDR SDRAMを使用してもPC2100 DDR SDRAMとして認識されてしまう問題があったという（日本エリートグループは「早急に本社へ確認する」としているという）。今回の販売分ではそうした問題が解消され、DDR333/PC2700に対応している可能性もあるが、場合によっては何らかの対策を後から行わない限り、DDR333/PC2700による最新環境の構築はお預けになる可能性もある。

　すでに並行輸入品の初回入荷分は完売状態だが、来週には日本エリートグループによる日本語版パッケージ出回る見込みで、今回入手し損ねてしまったという人ももう少しの辛抱だ。日本国内パッケージでは、DDR333/PC2700に対応しないという不具合も解消されている可能性もある。

　なお、コムサテライト3号店とT-ZONE. PC DIY SHOPでは日本法人経由で入手したという同製品のサンプル品を店頭展示中だ。

□P4S5A（Elitegroup Computer Systems）
http://www.ecs.com.tw/products/p4s5a.htm
【2001/11/3】DDR333ことPC2700規格のDDR SDRAM DIMMが一部ショップに出回る
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20011103/etc_ddr333.html

（Elite P4S5A）

[撮影協力:DOS/Vパラダイス本店]

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