nForceチップセットを搭載したMicrostar製Socket Aマザーがデビュー
第一弾はMicrostar製の「K7N420 Pro」、並行輸入品が先行
【K7N420 Pro入荷】 | 【価格は21,500円】 |
【MCP-D】 | 【IGP128】 |
【マザーボード全景】 | 【バックパネル】 |
【DDR DIMM使用ルール】 | 【microATX版のサンプル】 |
10月下旬から一部ショップでサンプル品の展示が行なわれていたnForceチップセット搭載Socket Aマザーボードがついに販売開始となった。製品はMicrostarの「K7N420 Pro」(MS-6373)で、並行輸入品の箱なしバルク品という、マザーボードでは珍しいかたちでの流通形態でデビューを飾っている。17日(土)時点で確認できた限り、販売していたのはOVERTOPのみで、実売価格は21,500円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、入荷量は極めて少量という。
nForceのもともとの開発ターゲットだったMicrosoftの家庭用ゲーム機Xboxが米国で発売になるのとほぼ同時に、アキバではPC用マザーボードが発売になったことになる。
●注目のnForce高速アーキテクチャ
nForceは従来のNorthBridgeにあたるIGP(Integrated Graphics Processor)と、同じくSouthBridgeにあたるMCP(Media and Communications Processor)の2チップで構成されるビデオ機能統合型Socket A用チップセットで、IGPにはGeForce2コアと呼ぶ高速グラフィックスコアを内蔵している。さらに外部AGPスロットをサポートしているため、より高速なビデオカードを使用することも可能になっている。そのほかIGPは、メモリ上のデータをプリフェッチ(先読み)することでパフォーマンスの向上を図るDASP(Dynamic Adaptive Speculative Pre-processor)や、DualチャネルDDR SDRAMインターフェイスによって4.2GB/sのメモリ帯域を実現するTwinBank Memory Architectureといった新技術を搭載するなど、ほかの統合型チップセットとは一線を画す高速アーキテクチャを採用しているのが大きな特徴だ。
一方のMCPは、Ultra ATA/100や6ポートのUSB、サウンド機能を担当するAPU(Audio Processing Unit)のほか、10Base-T/100Base-TX対応LANやHomePNAなどといった豊富なインターフェイス機能を備えている。APUが標準で5.1チャネルのサウンド出力に対応している点も、nForceの大きな特徴の1つと言えるだろう。
なお、nForceにはメモリバンド幅が128bitの「nForce 420D」や64bitの「nForce 220」など種類がいくつかあるが、今回登場した「K7N420 Pro」が搭載しているのは最上位モデルの「nForce 420D」だ(MCP-DとIGP128との組み合わせ)。
●メモリスロットの利用には制限あり
さて、nForceチップセットを搭載した初のマザーボードとなった「K7N420 Pro」だが、サンプル品では緑色だった基板が赤色に変更されている点がまず目に付く。また、サンプル品ではAGPスロットを備えていないものもあったが、今回登場した製品版ではきちんと搭載しているので、こちらはひと安心といったところ。フォームファクタはATXで、そのほかの搭載スロットはPCI×4、PCI/CNR×1、DDR SDRAM用DIMM×3と、こちらはサンプル品からの変更はない。
バックパネルもとくに変更はされておらず、VGA出力コネクタのほかLANコネクタも標準で装備されている。しかし、nForceチップセットのウリでもある5.1チャネルサウンドに関する記述がマニュアル上にない点が気になる。マザーボード上にはS/PDIF出力用のコネクタを備えている(同軸デジタル端子付きのブラケットが付属)が、5.1チャネルサウンドの出力が可能かどうかは不明だ。
DIMMスロットに関してはマニュアルの付録ページに「DIMM2スロットはDual Bankモジュール(基板の両面にメモリチップが搭載されているDIMM)は搭載できない」などの細かな制限事項が記されているので要注意。こうしたメモリ仕様が気になるという人は、MicrostarのWebサイトからPDF版のマニュアルがダウンロードできるので、事前に確認しておいたほうがよいだろう。また、マニュアルを見る限り、BIOS上にはCPU動作電圧の調整機能やMACアドレスの変更機能などはあるものの、FSBなどのクロックは基本的に標準的な規定値以外は選べないので、オーバークロックなどでの利用には不向きかも知れない。
●Socket A用の定番チップセットになれるか?
5.1チャネルサウンド出力への対応状況が不透明な点に不安があるのは確かだが、海外のPC系ニュースサイトによる「K7N420 Pro」のベンチマークテストでは、KT266Aチップセット搭載マザーボードを上回るパフォーマンスを示したという結果が出ており、単純に高速なSocket Aマザーボードとして見ても、「K7N420 Pro」は十分魅力的な製品と言える。また、市場でまだ実績がなく、未知数の可能性と性能を持っているという点でも多くの自作PCユーザーの興味を刺激するはずで、少なくとも当分の間は人気商品になることは間違いない。この製品の実績次第でnForceが一気にSocket A用マザーボードの定番チップセットになる可能性もあるという点で、極めて注目度の高い製品だ。
今回登場したのは並行輸入で少量入荷したバルク品だが、複数のショップによると来週には国内向けの正式リテールパッケージ品が発売になる予定というから、来週には多くのショップで販売が始まっているはず。この週末に製品が入手できなかったとしても、すぐにまた入手のチャンスはやってくるので安心してよさそうだ。
なお、DOS/Vパラダイス秋葉原本店では、同じMicrostarのmicroATX版nForce搭載Socket Aマザーボード「MS-6367」のサンプル品展示も始まっている。入荷時期は近日とのこと。
□nForce(NVIDIA)
http://www.nvidia.com/view.asp?PAGE=nforce
□K7N420 Pro (Micro-Star International)
http://www.msi.com.tw/products/mainboard/mainboard.php?model=MS-6373
【2001/10/27】nForceチップセット搭載マザーボードの発売時期は11月、価格は2万円台
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20011027/etc.html#nforce
(Microstar K7N420 Pro) |
[撮影協力:OVERTOPとDOS/Vパラダイス秋葉原本店]
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