【 2001年11月23日号 】

Socket A用では初のDDR333/PC2700対応マザーがIwillから登場

XP333-RXP333-R
XP333-RXP333-R
XP333-RXP333-R

 EliteやFuturePowerなどからDDR333/PC2700対応のSiS645チップセット搭載Socket 478マザーボードが発売されたのは記憶に新しいところだが、今週はIwillからなんとSocket AプラットフォームでDDR333/PC2700に対応したというマザーボード「XP333-R」が登場している。

 しかし、「XP333-R」が搭載するチップセットは先週ASUSから登場した「A7A266-E」にも搭載されていたMAGiK1の新型リビジョンであるリビジョンC。ご存知のように、このチップセットの主な特徴はパフォーマンスの向上とUltra ATA/133に対応していることで、メモリについては従来どおりPC2100まで対応というのが正式な仕様だ。

 では、どのようにしてDDR333/PC2700に対応しているのかというと、どうやらこれは独自のクロックジェネレータを搭載することにより実現したもののようで、マニュアルによれば、BIOSの「PCI Clock Divider」という設定項目により、FSBを166MHz(DDR動作で333MHz)や200MHz(同400MHz)などに設定した場合でもPCIクロックを33MHzに保つことが可能になっているという。FSBは独自の「MicroStepping」機能により100MHz~200MHzに1MHz単位で設定が可能だ。

 ただし、FSBを166MHzに設定した場合、PC2700対応DDR SDRAMはクロックに追従できるものの、CPUはオーバークロックとなってしまい動作しない可能性が高い。L1ブリッジがクローズ状態になっているAthlon/Duronであれば、内部倍率を変更(BIOS上から5倍~15倍に0.5倍刻みで変更が可能)することで動作させることができるかもしれないが、いずれにしてもイレギュラーな使用方法であることには変わりない。もちろん、オーバークロック動作による不具合が発生しても、それは自己責任となる点に注意が必要だ。

 しかし、逆にすべて自己責任と割り切れば、FSB 166MHzという高パフォーマンスが期待できるPCを自作できるのも事実(当然、PC2700対応DDR SDRAMと場合によってはL1クローズ済みAthlon/Duronも必要になるが)。オーバークロックには目がないというコアなユーザーにはたまらない仕様と言えるだろう。

 そのほか、HighPoint製Ultra ATA/133対応RAIDコントローラのHPT372と、5.1チャネルサウンド出力に対応したC-MediaのCMI8738/PCI-6CH-MXという、高機能かつ豊富なオンボードデバイスを備えるのも「XP333-R」の大きな特徴。特にUltra ATA/133対応のIDE RAIDコントローラーを搭載していることで、MAGiK1チップセットのIDEコントローラーとあわせて、なんと計8台ものUltra ATA/133デバイスが接続できるというのは特筆すべき点と言える。これらを考えると、たとえDDR333/PC2700での動作が実現できなかったとしても、機能的には十分魅力的なマザーボードと言えそうだ。

 ちなみに、今回登場した「XP333-R」のSouthBridgeであるM1535D+チップに、「Iwill」「FAST ATA 133」といったロゴがマーキングされているという珍しいバージョンが一部に流通しているのが確認できた。どのような経緯でこうしたロゴがマーキングされたのかは不明で、通常タイプのM1535D+チップと型番も若干異なるが、両者に機能的な違いはないようだ。

 実売価格は18,499円~19,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

□XP333-R(Iwill)
http://japan.iwill.net/products/spec.asp?ModelName=XP333-R&SupportID=

 (Iwill XP333-R)

[撮影協力:高速電脳LAOX PC・DO SHOP]


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