A4サイズでフリーレイアウトのセパレート型PCケースが近日発売
発売予定の製品はテックが出荷を予定しているPCケースで、すでに一部ショップには製品が入荷しており、販売の準備が進められている。ボックスのサイズはそれぞれ高さ53mm×幅279mm×奥行き210mmで統一されており、基本モデルではマザーボード用とドライブ用とPCIカード用の3種類のボックスがセットになっている。
ただし製品のデザイン的クオリティは“業務用”といった風で、決してスマートなものではない。ボックスは手作り工業品のようなシンプル設計で、ボックス間を接続するケーブルについても、電源ケーブルやPCI用のケーブル、IDE用ケーブルなどを特別な加工もせず剥き出しのまま外に引き出して接続しなければならない。フラット形状のケーブルを使うとボックスのレイアウトにも制限が出てくるので、IDE用ケーブルなどは、いわゆるスマートケーブルのような束状のものを別途用意したほうがよさそうだ。
マザーボード用のボックスには電源スイッチとリセットスイッチがフロントパネルに用意されているほか、内部には2.5インチHDD用のドライブベイもひとつ用意されているので、多機能な小型マザーボードを使って電源を外部に出せば、このボックスだけでPCを組み立てることも可能だ。ただし、注意しなければならないのは、このボックスで対応可能なマザーボードのサイズがFlexATX以下であること。また、I/Oパネルの部分が抜き型の固定式になっているため、ATX標準ではないI/Oパネルを必要とするマザーボードなどはそのままでは装着できない。具体的にどのメーカーのどのマザーボードなら、そのままで装着可能なのかは現時点では不明だが、I/Oパネル部分を強引に取り外してしまうという方法をとれば、ほとんどのFlexATXマザーボードで装着が可能になりそうだ。なお、PCI用のケーブルやIDE用のケーブルは天板中央にある四角い穴から外に出すことになる。
ドライブ用のボックスは145W電源を内蔵し、ベイには3.5インチHDD×1もしくは薄型CD-ROMドライブ+FDDが入る。IDE用のケーブルは、天板にある四角い穴から通すかたちになる。PCI用のボックスは、その内部中央に延長ケーブル付きのライザーカードついており、1枚の標準的なPCIカードが収納できる。ケーブルは天板もしくは底板にある四角い穴のどちらかを通す。テックでは、ドライブ用などのボックスを単体で販売することも考えているとのことなので、構成を拡張する場合は、オーディオコンポのようにボックスを単純にスタックしていくということもできそうだ。
いかにも工業製品的な武骨さが気になるところだが、パーツごとにボックスで収納し、これらをケーブルで接続してフリーレイアウトを実現するというのは、今後の新しいPCのスタイルを先取りするものになるかも知れない。販売の準備を進めているのは高速電脳で、予価は39,800円という。
(PCケース) |
[撮影協力:高速電脳]
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