【 2002年5月25日号 】

Socket Aに対応した自作ノートPCキット「A929」がEliteから登場

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 デスクトップPC用のSocket 478版Pentium 4がそのまま使えるというユニークなノート型自作PCキット「A928」が3月にEliteから発売されたのは記憶に新しいところだが、その同社から、今度はSocket A対応のニューモデル「A929」が登場した。実売価格は97,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。愛称は「i-Buddie XP」という。

 「A929」は従来モデルと同様に「液晶モニタがセットになった自作PCキット」ともいえる製品。14インチTFT液晶モニタ(1,024×768ドット、16万色)を搭載し、見た目は確かにノートPCなのだが、本体サイズが幅332mm×奥行き281mm×厚さ39.7mm、重量が3.32kgとノートPCとしては大型かつ重く、さらにバッテリーも搭載していないためモバイル用途には適さない。しかし、据え置き型のPCとして見ると、液晶モニタを標準で装備しさらに一般のデスクトップPCに比べて設置面積も少なくて済むという、まさに“究極の省スペースPC”となるわけだ。

 そして、このサイズの筐体に発熱量の多いSocket AタイプのCPUを搭載可能にしたのは、独自の薄型ヒートパイプ付きCPUクーラーだ。CPUソケット横のファンで銅製ヒートシンクに送風、そしてヒートパイプ経由でCPUを冷却するという従来同様の構造となっている。従来モデルでも発熱量の多いWillametteコアPentium 4に対応していたということを考えれば、冷却能力に関しては折り紙つきといえるだろう。

 対応CPUに関しては、同社のドイツのWebサイト(台湾サイトには26日(日)時点では製品情報が未掲載)にある製品情報によれば、Duron 850MHz~1.3GHz、Athlon 1.2GHz~1.4GHz、Athlon XP 1500+~2000+となっており、現在店頭で入手可能なほとんどのSocket A CPUをカバーしている。さらに、デビュー間近と囁かれているThoroughbredコアのAthlon XPにも対応する旨の記述があるのも興味深いところだ。

 マザーボードのチップセットはSiS740で、PC2100 DDR SDRAM対応DIMMスロットを1本備えるほか、外部VGA出力、S-Video出力、サウンド機能、IEEE-1394ポート、USBポート、10Base-T/100Base-TX対応LANインターフェイス、56K対応モデムポートといった豊富な機能をもっており、機能面については最近のキューブ系自作PCキットに近いものがある。また、ドライブ機器については8倍速DVD-ROMドライブを内蔵するのみで、HDD(9.5mm厚2.5インチ対応)などが別途必要となる点は要注意だ。

 基本的にはCPUソケットがSocket Aに変更された以外に従来モデルと大きな違いはないが、コストパフォーマンスに優れるAthlon XPやDuronなどが利用できるようになったのは嬉しいところ。ハイエンドの省スペースPCを自作しようと考えている人は、この「A929」を候補の一つに入れてみてはどうだろう。

□A929(Elitegroup Computer Systems)
http://www.elitegroup.de/produkte_detailinfos/a929_specs.html
□関連記事
【2002年3月9日】究極のハイエンド省スペースPC?Socket 478対応の自作ノートPC登場
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020316/a928.html

 (Elite A929)

[撮影協力:高速電脳]


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