【 2002年6月1日号 】

ハイエンドサーバー用のXeon MPが意外な形で販売スタート
1.40GHzと1.50GHzの中古品が出回る、リテールパッケージも

中古品として販売中Xeon MP(表)
【中古品として販売中】【Xeon MP(表)】
Xeon MP(横)Xeon MP(裏)
【Xeon MP(横)】【Xeon MP(裏)】
ES品は格安マーキング
【ES品は格安】【マーキング】
リテールパッケージラベル
【リテールパッケージ】【ラベル】

 3月に正式発表された4Way/8Wayなどのマルチプロセッサ構成に対応するIntelのハイエンドサーバー向けCPU、Xeon MPがアキバにお目見えした。

 なんと真っ先に販売を始めたのは中古パーツ販売のじゃんぱら秋葉原本店で、1.4GHzと1.5GHz動作モデルが中古品として入荷したという。この中にはPCメーカーなどに配布される評価用サンプル品であるES品(Engineering Sample)のものも含まれ、格安で販売中だ。

●3次キャッシュを統合

 従来のXeonがデュアル構成(2Way)までに対応するのに対し、Xeon MPは4Wayや8Way、さらにそれ以上の構成にも対応するというスケーラブルなマルチプロセッサをサポートしているのが大きな特徴。CPUソケットはXeonと同じSocket 603と同じだが、CPUコアは最新のXeonで採用されているPrestoniaではなくFosterベースのもので、Foster MPという開発コードのものとみられる。なお、Hyper-Threadingは有効となっている。

 内蔵キャッシュ容量には大きな変化があり、2次キャッシュが従来の512KBから256KBに減少した一方で、新たに512KBまたは1MBの3次キャッシュを搭載するという構成に変更されている。繰り返し同じ処理を高速で行う必要のあるサーバーなどでは、このキャッシュ構成の拡大は大きな威力を発揮しそうだ。

●XeonとXeon MPの判別方法

 じゃんぱら秋葉原本店で販売されているのは、Xeon 1.40GHz/512KB L3 CacheとXeon 1.50GHz/512KB L3 CacheとXeon 1.50GHz/1MB L3 Cacheの3モデル。いずれもリテールパッケージではなくパルクだ。変わっているのは、このうち1.5GHz動作の2モデルについてはES品も含まれ、製品版の中古と一緒に販売されていること。Socket 7が全盛だったころならともかく、最近ではESのCPUが一般に販売されるのは極めて珍しい。

 実物を見てみると、Xeonとの外観上の決定的な違いはIHS(Integrated Heat Spreader)の大きさだ。XeonではCPUパッケージの中央部にIHSがあり、その周りに余白部分がかなりみられたが、Xeon MPではIHSが大型化して余白が小さくなり、やや片側によった格好になっている。

 なお、今回販売されているものを見る限りでは、Xeon MPのIHS上にあるマーキングは「Intel Xeon」としか書かれていないため、表面だけではXeonなのかXeon MPなのか一目では判別できない。はっきりと違いが確認できるのは、CPUパッケージの基板ピン側にあるマーキングで、Xeon MP 1.40GHz/512KB L3 Cacheの場合は「1400MP/512L3/400/1.7V」と書かれてある。Xeon 2.0GHz/512KB L2 Cacheが「2000DP/512L2/400/1.5V」というマーキングになっていることと照らし合わせれば、最初の項目に「MP」の文字があること、2つ目の項目に「L3」の文字があることでXeon MPであることがわかる。つまり、「DP」はDual Processing、「MP」はMulti Processing、「L2」はLevel2 Cache、「L3」はLevel3 Cacheの意味と考えられる。

●ES品と中古とリテールパッケージと

 アキバではESを含む中古品のほか、Xeon MP 1.50 GHz/512KB L3 CacheのリテールパッケージもLAOX PC・DOで販売が始まっている。実売価格は289,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。じゃんぱら秋葉原本店での価格は、Xeon MP 1.40GHz/512KB L3 Cacheの中古品が49,800円、Xeon MP 1.50GHz/512KB L3 Cacheの中古品が59,800円でES品は19,800円、Xeon MP 1.50GHz/1MB L3 CacheのES品が39,800円で傷ありのES品が19,800円。

 価格的に見ても企業向け、ビジネスユースといった印象の強いXeon MPではあるものの、4Way/8Wayといったマルチプロセッサ構成に対応するなどといった技術面でハードウェア好きの興味をそそる要素を持っているのも事実。対応マザーボードについてもSUPERMICROからXeon MPの4Way構成に対応するマザーボード「SUPER P4QH6」が登場する予定となっており、アキバでのXeon MP関連製品の動きが注目されるところだ。

[訂正] 当初、CPUコアをPrestoniaと記述しましたが、Foster MPと訂正いたします。

□Xeon MP(Intel)
http://www.intel.com/products/server/processors/server/xeon_mp/
□SUPER P4QH6(SUPERMICRO)
http://www.supermicro.com/PRODUCT/MotherBoards/GC_HE/P4QH6.htm
【2002年1月22日】Intel、2月にサーバーCPUとHyper-Threadingで攻勢(PC Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0122/kaigai01.htm
【2001年12月22日】0.13μm版のPrestoniaコアを搭載したXeon 2.0GHzがデビュー、電圧は1.5V
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20011222/prestonia.html>

 (Intel Xeon MP)

[撮影協力:じゃんぱら秋葉原本店LAOX PC・DO]


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