【 2002年6月15日号 】

Cool‘n’Quiet機能搭載の新型Duron登場、小型静音PCにピッタリ?

低電圧Duron低電圧Duron
低電圧Duron低電圧Duron

 このところ自作PCマーケットでは小型静音PCのブームが過熱気味だが、そんな中でまた新たな注目アイテムが登場した。それは最新型の低消費電力版Duronで、「Cool‘n’Quiet」という電圧制御なしでコアクロックをダイナミックに変化させる技術を搭載しているのが特徴だ。

 販売が確認できたのはコア上に「DHL1100ATH1B」とOPN(Ordering Part Numbers)がマーキングされた1.1GHz動作モデル。このOPNは通常のDuron 1.1GHzの「DHD1100AMT1B」とは明らかに違い、逆にこれまでAMDが発売した低消費電力版CPUのOPNと照らし合わせると、OPNの2~3桁目が「HL」になっているという共通点がある。販売を始めたT-ZONE. PC DIY SHOPでは、店内に「省電力Duron 1.1GHzバルク FSB 100MHz 通常版は46W(max)がなんと35W(max)」と書いたPOPを掲示して大きく発売をアピールしている。

 すでにAMDがCPU用に開発した低消費電力機能というと「PowerNow!」が知られているが、これはCPUのクロックを変化させるのに電圧制御を必要とし、マザーボード側にも対応する回路などが必要だった。一方の「Cool‘n’Quiet」は、動作状況に応じて電圧制御なしに随時クロックをCPU自身が変化させるため、マザーボード側には新たなコストやパーツを要求しないというメリットがある。この機能を持ったCPUは、すでにAthlon XP 1500+が出荷されており、日立からこれを搭載したPCも発売になっている。

 CPUの負荷状況にあわせてダイナミックにクロックが変化し、負荷が低いときにはクロックも低くなって消費電力が減って発熱も小さくなる。AMDはPCの小型化と静音化のために開発した技術だとしており、まさに最近の小型静音PCブームにピッタリ合致する。これまでSocket A対応の小型PC自作キットは、Athlon XP上位モデルの発熱量の大きさを考慮したうえでの設計になることもあって、なかなか製品が出てこない状態だったが、この新機能を搭載したCPUが流通しはじめると状況は変わってくるかもしれない。

 なお、同店によると、この「Cool‘n’Quiet」機能をつかうためには、対応CPUのほかに対応マザーボードと対応BIOSと対応OSと対応ドライバの4つが現状必要とのこと。動作条件を満たす具体的な製品の組み合わせなどは把握しているので、知りたい人は店頭で問い合わせてほしいとしている。

 実売価格は7,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

□Duron(日本AMD)
http://www3pub.amd.com/japan/products/cpg/duron/index.html
□関連記事
【2002年1月18日】AMD、2002年のロードマップを公開。すべての製品を0.13μm化
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0118/amd.htm

 (AMD製CPU)

[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOP]


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