【 2002年6月22日号 】

ThoroughbredコアのAthlon XP 2200+販売開始、価格は約3万円
バルク品の単体販売とマザーとのセット販売がスタート

サラブレッド入荷展示中
【サラブレッド入荷】【展示中】
Athlon XP 2200+マーキング
【Athlon XP 2200+】【マーキング】
新旧Athlon比較(表)新旧Athlon比較(裏)
【新旧Athlon比較(表)】【新旧Athlon比較(裏)】
ブリッジの状態CPUコア
【ブリッジの状態】【CPUコア】
早い者勝ち約3万円
【早い者勝ち】【約3万円】

 0.13μmプロセスルールで製造された新型CPUコア「Thoroughbred」を採用したAthlon XP 2200+がついにアキバでデビューを飾った。ThoroughbredコアのAthlon XPが正式発表されたのは10日(月)で、それから10日余りでアキバにデビューしたことになる。

 なお、出回り始めたAthlon XP 2200+はバルク品で、販売形態はショップによって異なっている点に要注意。単体販売しているショップのほか、対応マザーボードのセット販売を条件としているところもある。CPU本体の実売価格は27,800円~30,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●外観に変化あり

 ThoroughbredコアのAthlon XP 2200+はCPUコアが新しくなった以外にCPU本体の外見上にも従来との違いが見られる。一見してすぐ分かるのはOPN(Ordering Part Numbers)のマーキング位置で、従来はCPUコア上に直接マーキングされていたが、Athlon XP 2200+ではPentium IIIやCeleronのようにCPUパッケージ上に黒いラベルのようなものが設けられ、その上に記されている。CPUコアの形状も、従来のPalominoコアは正方形に近い形だったが、Athlon XP 2200+では小型化して長方形になっている。

 さらに、CPUパッケージの色が“旧色”の茶色になっていることと、PalominoコアAthlon XPではCPUパッケージ裏面に配置されていたキャパシタがThunderbirdコアAthlonのように表面に“戻って”いるのも興味深いところ。OPNのマーキング方法やCPUパッケージの素材などを除けば、全体的な外観デザインはThunderbirdコアAthlonに近いものがある。

 そのAthlon XP 2200+のOPNは「AXDA2200DKV3C」というもので、PalominoコアAthlon XPよりも2桁増えている。とはいえ、これといった新しい要素が増えたというわけではなく、1桁目からの“AXDA”の4文字でCPUの世代やデスクトップ向けCPUであることなどを示すように変更された程度だ(従来のこの部分は“AX”の2文字)。5桁目以降はモデルナンバー(“2200”:2200+/動作クロック1,800MHz)、パッケージタイプ(“D”:OPGA)、動作電圧(“K”:1.65V)、最大CPUダイ温度(“V”:85℃)などと続く。

●下位モデルに旨み?

 そのほか、QuantiSpeedアーキテクチャや3DNow! Professionalを搭載する点や、キャッシュ構成(1次キャッシュ128KB+2次キャッシュ256KB)などは従来と同様となっており、ThoroughbredコアAthlon XPとPalominoコアAthlon XPの実質的な違いはCPUコアの製造プロセスルールだけといってよいだろう。

 とはいえ、製造プロセスルールの微細化により動作電圧が下がったことにより、発熱量の面で従来より進歩しているのは見逃せないところ。データシートにはThoroughbredコアを採用したAthlon XP 2100+以下のモデルに関する記述もあり、最下位となる1700+モデル(動作クロック1,467MHz/動作電圧1.5V)では、TDPの最大値が49.4Wというかなり優秀なスペックになっている(2200+モデルは67.9W)。ThoroughbredコアAthlon XPは、今回登場した2200+モデルはもちろんだが、今後登場すると思われるこれら下位モデルも期待の存在といえるだろう。

 対応マザーボードに関しては、Thoroughbredコア正式対応をうたうASUS製Socket Aマザーボード「A7S333」(SiS745チップセット)などが既に販売されており、新規にSocket A環境を導入しようと考えている人にとってはこうした製品が狙い目となる。また、それ以外の製品でもBIOSのアップデートによってThoroughbredコアAthlon XPが利用できるようになる可能性があるので、従来からのSocket Aユーザーも手持ちのマザーボードのメーカーサイトなどをチェックしてみる価値はあるだろう。

●CPUウォーズは新たなステージに

 アーキテクチャなどで進歩が見られないのは面白味に欠けるかもしれないが、発熱量の面で有利なThoroughbredコアAthlon XPが、本格的な夏を目前にした今の時期に登場したというのはある意味タイムリーといえる。先週からAMD製CPUの購入者にグッズが当たる「夏よ、来い!AMDさわやか♪キャンペーン」も始まっているので(期間は7月21日(日)まで)、ThoroughbredコアAthlon XPの導入を考えている人はいいチャンスだろう。

 ようやくこれで製造プロセスルールの上ではPentium 4に追いついたAthlon XP。CPUコアが微細化されたThoroughbredコアではより高クロックモデルの登場が期待できるだけに、今後の両者のクロック(モデルナンバー?)合戦が注目されるところだ。

□Athlon XP(日本AMD)
http://www3pub.amd.com/japan/products/cpg/athlonxp/
http://www3pub.amd.com/japan/news/prodpr/nr22092.html
□夏よ、来い!AMDさわやか♪キャンペーン(日本AMD)
http://www.amd.co.jp/campaign_summer.html
□関連記事
【2002年4月27日】ASUS初のSiS745搭載マザーが登場、いち早くThoroughbredコアに対応
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020427/etc_a7s333.html

 (AMD Athlon XP 2200+)

[撮影協力:フェイス秋葉原本店DOS/Vパラダイス秋葉原2号店 Prime館高速電脳]


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