初のRADEON IGPチップセット搭載マザーボードがFICからデビュー
ATIが3月に発表したVGA機能統合型チップセット「RADEON IGP」シリーズは、今回製品となって登場したAthlon XP/Duron向けの「RADEON IGP 320」のほか、Pentium 4向けの「RADEON IGP 340」「RADEON IGP 330」、Mobile Pentium 4向けの「RADEON IGP 340M」、Mobile Athlon 4/Duron向けの「RADEON IGP 320M」という全5種類がラインナップされている。
RADEON IGPシリーズはNorthBridgeのIGPとSouth BridgeのIXPという2チップで構成されるチップセットで、両者間は帯域幅266MB/sの独自バス「A-Link」で接続される。シリーズに共通する主な仕様は、内蔵ビデオコアが現在ローエンド向けとされているRADEON 7000(RADEON VE)相当、対応メモリがPC2100 DDR SDRAM(DDR266)、搭載可能メモリ容量が最大1GBなど。RADEON 7000相当という内蔵VGA機能に性能的な物足りなさを感じるかもしれないが、RADEON IGPシリーズは外部AGPスロット(AGP 4X)にも対応しているので、ほかのAGP対応ビデオカードを使うことで補える。
ユニークなのがSouthBridgeにVIAなどの他社製品を利用できる点で、実際今回登場した「AT31 Fusion」では、SouthBridgeに従来のSocket Aマザーボードなどでも多く利用されていたVIA製のVT82C686Bを搭載している。この場合のSouthBridge-NorthBridge間はPCIバス(帯域幅133MB/s)で接続されるため性能的にはA-Linkでの接続時に比べて劣ることになるが、価格のこなれた既存のSouthBridgeチップを利用することでコスト面では有利になるというわけだ。なお、ATI純正のSouthBridgeチップであるIXP 200/250は、USB 2.0インターフェイスのほか、LAN機能やS/PDIF対応のサウンド機能などもサポートしている。
初のRADEON IGPシリーズ搭載製品となった「AT31 Fusion」は、基板からパッケージまで“RADEONカラー”ともいえる赤色で統一するというなかなかインパクトのある製品。チップクーラーを外すとNorthBridgeチップ上にATIロゴのほかRADEON IGP 320のコードネームである「A3」の文字も見える。
前述のとおりSouth BridgeにVT82C686Bを採用しているためUSBインターフェイスがUSB 1.1、IDEインターフェイスがUltra ATA/100と、ペリフェラル系のインターフェイス面でやや華やかさに欠けるが、10Base-T/100Base-TX対応LANインターフェイスを搭載するほか、テレビ出力機能が利用できるS-Video/コンポジットビデオ端子付きブラケット(基板上のヘッダピンに接続)も付属するなど、microATXマザーボードながら機能的にはかなり充実している。ビデオカードを別途搭載しなくとも標準でテレビ出力機能が使えるのはこの製品の強みといえるだろう。
対応メモリがDDR266どまりというのはパフォーマンス重視のユーザーにとってやや残念な仕様といえるが、RADEON 7000相当のVGA機能を標準で搭載していることを考えればコストパフォーマンスを重視する人にはなかなか魅力的な製品といえる。高機能さやRADEON IGP 320本来のパフォーマンスが欲しいという人は、今後登場するはずのIXP 200/250搭載製品を待つべきだろう。
□RADEON IGP 320/IXP 200/250(ATI Technologies)
http://www.ati.com/technology/hardware/radeonigp/rigp320.html
http://www.ati.com/technology/hardware/radeonigp/ixp200250.html
□AT31 Fusion(First International Computer)
http://www.fica.com/site/html/products/mb/detail.asp?cat_id=240000049&C_ID=240000100
(FIC AT31 Fusion) |
[撮影協力:OVERTOP]
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