中国ExcelStorからIBM製そっくりのHDDが登場、その真相とは？

【 2002年7月27日号】

中国ExcelStorからIBM製そっくりのHDDが登場、その真相とは？

　TWO-TOP秋葉原本店でちょっと変わったワゴンセールが実施されている。販売されている製品は一見ごく普通のバルク品のHDDなのだが、ワゴンに備え付けのPOPに「某IBMと同じHDDだったり・・TOWTOP限定の秘密の特価品登場！！」「IBM製とまったく同じ仕様にして価格は・・めちゃお買い得！！」などといった気になるウリ文句がうたわれているのだ。
　ワゴンの中で販売されているのはExcelStor Technology製の容量40GB、Ultra ATA/100対応の「JUPITER（J420）」という3.5インチHDD。実売価格は7,800円（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。POPに記されている仕様は、スピンドル速度が7,200rpm、シーク速度が8.5ms、キャッシュ容量が2MB、プラッタ当たりの容量が40GBというもので、確かにこれらの値はIBM製HDD「Deskstar 120GXP」シリーズの40GBモデル「IC35L040AVVA07-0」と同じだ。また、外観もまったく同じであるばかりか、制御基板上にはIBMのチップもしっかり載っている。
　ただし、ExcelStorのWebサイトにある詳細情報を見ると、内部転送速度は627Mbits/sと「J420」のほうが速かったりするなど（「IC35L040AVVA07-0」は592Mbits/s）、微妙に異なる部分もある。一体これは何者なのだろうか？
　実は「JUPITER」を作っているExcelStorは、IBMがHDD生産を委託ししている中国企業Great Wallの子会社で、実際に「Deskstar 120GXP」の製造を担当しているメーカーなのだ。ちなみに、2月にIBMが発表したこのHDD生産委託に関するリリースによれば、ExcelStorが製造する「Deskstar 120GXP」は2002年後半から市場に投入する予定としている。
　また、同じくリリース内では「ExcelStorはIBMから知的所有権のライセンスを受け、自社ブランドのHDDの開発や販売も行なう」とも述べられている。となると、今回登場した「JUPITER」はいわば「IBMのHDD作りに関するノウハウがつぎ込まれたExcelStor製のHDD」ということになる。
　ワゴンに入ってまるで叩き売りのような状態になっているが、どうやら安心して購入できる製品らしい。手頃な価格で40GB HDDを手に入れたいという人には要チェックの製品だろう。
□J240（ExcelStor Technology）
http://www.excelstor.com/prodsummary.htm
□Deskstar 120GXP（IBM）
http://www.storage.ibm.com/hdd/desk/ds120gxp.htm
□ニュースリリース（日本アイ・ビー・エム）
http://www-6.ibm.com/jp/domino05/ewm/NewsDB.nsf/2002/02282

　（Excelstor製品）

[撮影協力:TWO-TOP秋葉原本店]

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