独自規格でIEEE 802.11b準拠の倍となる22Mbpsの伝送速度を実現した国内対応の無線LAN製品が出回り始めた。TI製の新型無線LANチップを搭載することで実現した製品で、第1弾製品はアドテックの無線LANアクセスポイント「ADLINK2422AP」とPCカード型無線LANアダプタ「ADLINK2422C」。実売価格は「ADLINK2422AP」が14,800円、「ADLINK2422C」が5,979円~6,480円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
「ADLINK2422AP」と「ADLINK2422C」は、9月に国内認可されたTI製の無線LANチップ「TNETW1100」を採用することで22Mbpsの伝送速度を実現した無線LAN製品。「TNETW1100」は同社独自技術のPBCC-22変調方式により、IEEE 802.11b規格に準拠しつつ従来の11Mbpsの倍となる22Mbpsでのデータ伝送を可能にしたという。
ただし、実際に製品として登場した「ADLINK2422AP」と「ADLINK2422C」のパッケージでは、スループットはストリーミング時が最大140%向上、ファイル転送時が最大150%向上したとうたわれており、実効速度まで単純に2倍となるわけではないようだ。とはいえ、1.5倍程度の速度向上を実現しながら価格が比較的手頃なレベルに抑えられているあたりは、コスト重視派にはかなり魅力的に映ることだろう。
両製品の主な仕様は、通信チャネル数が14、通信距離(屋内)が22Mbps時40m、11Mbps時50m、搭載セキュリティ機能がWEP(64bit/128bit/256bit)など。WEPはハードウェアによる処理で、使用中に速度低下が起きないのも特徴のひとつだ。
「ADLINK2422AP」は、本体サイズが幅114mm×高さ42mm×奥行き141mmで、有線LAN用に10Base-T/100Base-TXポート×1を装備。4種の動作モード(アクセスポイント、クライアント、ブリッジ、マルチブリッジ)とDHCPクライアント/サーバー機能(どちらかを選択)も搭載している。
「ADLINK2422AP」「ADLINK2422C」は値下がりが進んでいる11Mbps対応の従来製品より若干値は張るが、54Mbps対応製品に比べれば価格はかなり手頃。とくに、12Mbps対応のADSL回線を無線LAN環境で快適に利用したいが54Mbps対応製品はオーバースペック、という人にはベストチョイスとなりそうだ。
□ADLINK2422AP/ADLINK2422C(アドテック)
http://www.adtec.co.jp/parts/ADLINK2422.html
□ニュースリリース(日本テキサス・インスツルメンツ)
http://www.tij.co.jp/jsc/docs/news/scj02056.htm
□関連記事
日本TI、22Mbpsの伝送速度を持つ独自規格の無線LANがTELEC認証を取得(Broadband Watch)
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/09/10/ti22.htm
| (ADTEC ADLINK2422AP) |
| (ADTEC ADLINK2422C) |
[撮影協力:DOS/Vパラダイス ネットワークセンター]