「ホームネットワーク型マルチメディア・プレーヤー」と銘打たれた一風変わったLAN接続型のAV出力アダプタ「MediaWiz」がバーテックスリンクから登場した。PCを単なるコンテンツ収納ファイルサーバーに見立て、LAN経由で動画データなどに自由にアクセスしてTVへ高品質出力するという機能を持つ。実売価格は22,780円~22,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
小型ノートPC風のルックスを持つこの「MediaWiz」は、PCのHDD内にある映像、音声などのコンテンツを家庭用テレビやオーディオコンポなどで視聴することを主な目的としたLAN接続のAV出力アダプタ。テレビ出力機能を持つPCとテレビを1対1で接続した場合と異なり、PC側での再生アプリケーションなどの起動が不要なほか、ハブを使ってコンテンツ提供側のPCを複数台接続できるというのが主なメリットだ。
PC側の設定は、付属サーバソフトの起動とコンテンツ格納フォルダの指定を行なうといった程度のごく簡単なもので、あとは「MediaWiz」を同一のLAN上に設置(環境によってネットワーク設定が必要)してやれば「MediaWiz」からコンテンツの再生が可能だ。再生ファイルの指定は「MediaWiz」操作用のリモコンを使ってテレビ画面を見ながらから行なえる。
「MediaWiz」本体に内蔵されたデコーダーチップが各種のデータを自動的にデコードするため、PC側は単にファイルサーバーとして使われるだけで、PCへの負荷がほとんどかからないのも特徴。デコーダーチップはSigma Designs製の「EM855x」を採用。対応フォーマットはMPEG-1/2/4、DivX、AVI、MOV、MP3、JPEG、BMPなどの動画、音声、静止画で、「MediaWiz」の背面に備えたコンポジットビデオ、S-Video、コンポーネント、DVI、アナログステレオ(RCA端子)、S/PDIF(光/同軸)といったコネクタを使って各AV機器に出力できる。家庭用テレビやオーディオコンポなどとの連携を前提としているだけに、出力コネクタの種類は非常に豊富だ。
また、無線LANカード用のPCカードスロットも用意されている。無線LAN使用時は再生映像ファイルのビットレートが最大3.5Mbps程度に制限されるとはいえ、既に無線LAN環境を導入しているユーザーにとっては注目の機能だろう(10Base-T/100Base-TX対応有線LAN使用時は最大8Mbps程度)。同社によれば、現時点ではメルコ製の「WLI-PCM-L11GP」「WLI-PCM-L11G」などでの動作確認が済んでいるという(確認済みカード情報は同社Webサイトに随時掲載予定)。
PCの映像、音声ファイルを大画面テレビや高音質のコンポなどで視聴したいというこだわりのユーザーにとってはまさに狙い目といえそうなこの「MediaWiz」。価格も手頃で、MPEGデコーダカードの置き換えとしても手軽に利用するのもアリかもしれない。
□MediaWiz(バーテックスリンク)
http://www.vertexlink.co.jp/product/vertexlink/mediawiz/
http://www.vertexlink.co.jp/press2003061901.html
| (バーテックスリンク MediaWiz) |
[撮影協力:TSUKUMO eX.とUSER'S SIDE本店]