金属製のフィンなどを使わず、長距離のチューブを使って放熱を行なうという独自構造のファンレスラジエータユニットを採用する水冷キットが独Xiceから登場した。Socket A対応「WCK-01A」とSocket 478対応「WCK-01P」の2モデルがあり、それぞれポンプ/リザーブタンク内蔵ラジエータユニットとCPU用ヘッド、冷却液などがセットになっている。価格は各39,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、オリオスペック(外神田2-19-2 篠田ビル2F)では動作デモも実施中だ。
両製品の特徴はユニークな構造を採用したラジエータユニット。ブックサイズPCほどの大きさの筐体の中身は、冷却液用のチューブがアルミ製のフレームに何重にも巻き付けられているだけで、一般的なラジエータのような金属製のフィンなどが存在しない。10m近いという長距離のチューブに冷却液を通すことで自然放熱させるという非常に珍しい仕組みだ。チューブは、内部にあるアルミ製のフレームにコイル状に巻き付けられ、ポンプで循環液がチューブを循環すると、コイル状の内部で上昇気流が発生、それがチューブ内部の循環液を冷却するのだという。
また、この冷却ユニットはインテリアとしても使えそうなクールなデザインを採用しているのも大きな魅力。とてもPCの部品とは思えないスタイリッシュなデザインになっている。ラジエータのサイドパネルはXiceのロゴであるXマークが青く光り、水冷ヘッドなどのパーツもこのロゴをモチーフにしたデザインで統一してある。
オリオスペックによれば、Pentium 4 3.06GHz/GeForce FX 5900搭載のデモマシンでテストしたところ、ラジエータユニットの片面カバーを開けて半日動作させた状態で、CPU温度は54℃で安定していたという。また、ラジエータユニットはファンレスで動作音も静か。使用中はポンプの駆動する音がかすかに聞こえる程度という。
ただし、設置方法などを説明した付属のマニュアルは、図解が豊富とはいえドイツ語による表記のみなので上級者向けといえるだろう。なお、ラジエータユニットはPC内蔵の電源を利用して動作し、内部接続用の専用ブラケットが付属している。
このほか、オリオスペックではGeForce/RADEONシリーズ対応のビデオチップ用ヘッド「WCK-01GPU」も入荷。こちらも前述のマシンに組み込んでデモ中だ。価格は7,800円。
□Xice
http://www.xice.de/
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| (Xice WCKシリーズ) |
[撮影協力:オリオスペック]