「TPM」チップを搭載することでハードウェアレベルでのセキュリティ機能を装備したというマザーボードがIntelから登場した。製品はmicroATXフォームファクタのi865Gチップセット搭載Socket 478マザーボード「D865GRH」で、実売価格は15,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
TPM(Trusted Platform Module)はPCプラットフォームにおけるセキュリティ技術の業界団体TCG(Trusted Computing Group)が策定した仕様に準拠したチップで、IBMのThinkPadシリーズの一部などですでに採用例があるが、搭載マザーボード単体の店頭販売は今回が初めて。
TPMチップには暗号処理専用のマイクロプロセッサとセキュア通信で利用される秘密鍵を含んだEEPROMが内蔵されており、TPMチップがPC起動時にBIOSの不正改ざんやチップの不正交換などをチェックし、なんらかの不正を発見すると起動できなくなる。また、チップ内蔵の秘密鍵を使ってファイルの暗号化も可能だ。PCの起動時にはチップの不正交換もチェックされるため、チップとHDDを別のPCに移したとしても内容を読み取ることはできない。言ってみれば、PC固有のIDとして常に機能するわけだ。
「D865GRH」にはWave Systemsの暗号化ソフト「EMBASSY Trust Suite」が付属しており、フォルダやファイル、個人情報の暗号化などが行なえる。IDEインターフェイスカードタイプなどといった、既存のセキュリティ関連パーツ以上の強固なセキュリティ機能がほしいユーザーにとっては注目の製品だろう。
□D865GRH(Intel)
http://www.intel.com/design/motherbd/rh/
| (Intel D865GRH) |
[撮影協力:USER'S SIDE本店]