10日(月)に正式発表されたばかりの「Dothan」コア採用の新型Pentium Mが早くもリテールパッケージ品で店頭に出回り始めた。モデル名に従来のような動作クロックでなはく同社独自の「プロセッサ・ナンバ」を採用しているのも注目点だ。
実売価格はPentium M 735(1.70GHz)が36,540円~42,900円、同745(1.80GHz)が52,000円~57,900円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
Dothanのコードネームで呼ばれる新型コアは従来のPentium Mが採用するBaniasコアの後継で、製造プロセスルールはBaniasの0.13μmより微細な90nm。歪みシリコンプロセス技術の採用で駆動電流の向上を実現したほか、2次キャッシュ容量がBaniasの1MBから2MBへ倍増したのが主な特徴だ。
FSBは400MHzのままだが、同社によればベンチマークソフト「MobileMark 2002」上で、同クロックのBaniasと比較して735(1.70GHz)で約10%、755(2GHz)で約17%の性能向上が見られるという。チップセットは従来同様i855シリーズに対応している。
さて、この新型Pentium Mだが、やはり注目はモデル名を3桁の数字で示す新採用のプロセッサ・ナンバだろう。数字は1桁目がプロセッサファミリを示すもので、Pentium Mが「7」、Pentium 4/モバイルPentium 4が「5」、Celeron/Celeron Mが「3」。2、3桁目はアーキテクチャや動作クロック、FSB、キャッシュ容量などを総合化した数字という。プロセッサ・ナンバの数字が大きいほうが「上位モデル」とされる点は、AMDがAthlon 64/MP/XP、Opteronで採用しているモデルナンバーと同じだ。
ただ、同社いわくプロセッサ・ナンバが高いモデルが、低いモデルより必ずしもあらゆるベンチマークで高い性能を出すとは限らないという。この辺りはAthlon 64とAthlon XPの関係に似ていると言えるかもしれない。
また、ユニークなのがパッケージのデザインで、外箱の裏面に小窓を設け、CPUの表面を目で確認できるようになっている。CPU上の黒いラベルでは「1700/2M」といった動作クロック/キャッシュ容量のほかS-Specも確認でき、マニアにとっては嬉しい仕様だ。ちなみに今回の各モデルのS-Specは745が「SL7EN」、735が「SL7EP」だった。
ただし、対応マザーボードに関しては問題ありといったところで、OVERTOPが行なったCOMMELL「LV-671M」シリーズでの動作テストでは、最新BIOSを導入しても正しく認識されなかったという。もっとも、Dothan対応のPFU製マザーボード「PD-41PM160M1」も出回り始めており、こちらの入手性改善に期待したいところだ。
□Pentium M(インテル)
http://www.intel.co.jp/jp/products/notebook/processors/pentiumm/
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| (Intel Pentium M) |
[撮影協力: BLESS秋葉原本店]