NVIDIA SLI対応のELSA製Quadro FX 3400搭載ビデオカードが登場

	【 2004年8月13日号】
	NVIDIA SLI対応のELSA製Quadro FX 3400搭載ビデオカードが登場

　複数のビデオチップの同時使用で描画処理能力の向上を図るNVIDIAの独自技術「NVIDIA SLI（Scalable Link Interface）」に対応したビデオカードが発売となった。ワークステーション向けビデオチップ「Quadro FX 3400」を搭載したエルザの「NVIDIA Quadro FX 3400」で、実売価格は198,000円（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。入荷数はT-ZONE. PC DIY SHOP、BLESS 秋葉原本店ともに1枚のみ。
　ただし、パッケージに記載のセット内容リストにSLI動作に必要なブリッジコネクタ（後述）は載っていない。両店ともコネクタ単品での入荷予定はないとしている。　NVIDIA SLIは複数のビデオチップを同時に使い、描画時における演算処理の能力を向上させる技術。同社が吸収した3dfxが、Voodoo2チップで実現したSLI（Scan Line Interleave）とは、ビデオカードを複数枚用いるスタイルや視覚面で得られるメリットは似ているがアーキテクチャは異なっており、3dfx SLIが画面の偶数ラインと奇数ラインの表示を各ビデオカードに分担させていたのに対し、NVIDIA SLIではレンダリングの際、例えばフレーム毎の処理を各ビデオカードに割り振ったりすることで負荷の分散（ロードバランシング）を行なっている。ロードバランシングをソフトウェアが行なうのも異なる点だ。
　カード同士の接続に専用ポートを用いているのも特徴で、このポートによりPCI Expressインターフェイスの帯域を消費せずに、ビデオチップ間でデータ転送を行なうことを可能にしている。ポートはカードのPCI Expressコネクタの反対側に用意されており、ここに小型のブリッジコネクタを装着する。
　ただ、NVIDIA SLIではPCI Express x16スロットが2基必要になり、ハードウェア面のハードルが高いのが難点だ。NVIDIA SLIでは一方のカードがマスター、もう一方のカードがスレーブとして動作し、インターフェイスとしてはマスター用のPCI Express x16が1基があればよいが、カードを2枚挿すため物理的にはPCI Express x16スロットと同サイズのPCI Express x8/x4スロットがもう1基必要になる。現時点でこの条件を満たすマザーボードとしては、E7525チップセットを搭載したSUPERMICROの「X6DA8-G2」「X6DA8-G」が発売されている。
　もともとハイエンドのグラフィックスワークステーションなどの分野をターゲットにした製品とあって個人ユーザーには縁遠いものだが、3dfx SLIを彷彿させる“2枚挿し”や実際どの程度のパフォーマンスが出るのかなど興味は尽きない。今後はショップによるデモの実施などにも期待したいところだ。
　なお、BLESS 秋葉原本店ではカード1枚によるデモを近日中に行なう予定としている。
□NVIDIA Quadro FX 3400（エルザジャパン）
http://www.elsa-jp.co.jp/product/01hiend/fx3400/
□NVIDIA SLI/Quadro FX 3400（NVIDIA）
http://www.nvidia.com/page/sli.html
http://www.nvidia.com/page/quadrofx.html
□関連記事
【2004年7月3日】FSB 800MHz/SpeedStep対応の新型Xeonがデビュー、対応マザーも発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20040703/etc_nocona.html
【2004年6月29日】NVIDIAがデュアルGPUソリューション「NVIDIA SLI」を発表（後藤弘茂のWeekly海外ニュース/PC Watch）
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0629/kaigai099.htm

　（ELSA Quadro FX 3400）

[撮影協力: BLESS秋葉原本店]

※特記無き価格データは税込み価格（税率=5％）です。

[↑前の記事]：	LGA775とSocket 478両対応の格安マザー「P4 Combo」が発売
[↓次の記事]：	初のSocket 939対応キューブ系自作PCキットがデモ中、Shuttle製

戻る　