Transmetaのモバイル向けCPU「Efficeon」を搭載したMini-ITXマザーボード発売となった。iBASEの「MB860F-1G-M716」というMini-ITXサイズの製品で、1GHz動作のEfficeon TM8600を搭載している。実売価格は62,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
同CPU搭載のノートPCは既に発売されているが、マザーボード単品がショップに出回るのは今回が初めて。CPUは動作クロック1GHzのEfficeon TM8600で、CPUクーラーはヒートシンクのみのファンレスタイプを採用している。
モバイル向けCPUでCrusoeの後継となるEfficeonは、クロックあたり最高8命令を実行できる256bit VLIW(Very Long Instruction Word)アーキテクチャの採用などによりパフォーマンスと電力効率を向上させているのが特徴。そのほか、前シリーズCrusoeの倍となる128KBの1次命令キャッシュの搭載、AGP 4X/DDR400を新規サポートなど様々な強化がなされている。
さらに、6月上旬に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2004では、第1世代となる現行の0.13μmより微細な90nmプロセスルールで製造される最新の第2世代Efficeonが公開。ファンレスヒートシンクによる1.6GHzモデルの動作デモが披露された。
「MB860」が搭載するのは0.13μmプロセスのTM8600。基板上にはDDR400対応SO-DIMMスロットやPCIスロット(各1基)、Ultra ATA/133対応IDEポート、20ピンメイン電源コネクタなどの見慣れたパーツを搭載しており、一見するとVIAの「EPIA」シリーズマザーボードと見間違えそうだ。セカンダリIDEコネクタはスリムタイプ、FDDコネクタはノートPCなどでも使われているフィルムタイプをそれぞれ搭載している。
主なスペックは、サウスブリッジがALi「M1563M」(ノースブリッジはCPUに内蔵)、ビデオチップがATI「M7CSP-16」(内蔵ビデオメモリ16MB)。主な機能として、VGA、TV出力、サウンド、USB 2.0、Gigabit Ethernetを備える。
ファンレスマザーボードとしては、これまで以上の高いパフォーマンスが期待できる「MB860」だが、流通量が少ないこともあり非常に高価なのが難点。とはいえ、ノートPCを用いたPC Watchのテストでは、1GHzのTM8600が超低電圧版Pentium M 900MHzとほぼ互角のパフォーマンスを持つことも確認されており、小型PCや静音PCのマニアにとって今後Efficeonが注目株となることは間違いないだろう。
□Efficeon(Transmeta)
http://www.crusoe.jp/efficeon/
□MB860(iBASE)
http://www.ibase-i.com.tw/mb860.htm
□関連記事
【2004年6月26日】Efficeon搭載のMini-ITXマザーボードが近日発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20040626/etc_effi.html
【2004年6月2日】Transmeta、90nmプロセスルールの第2世代Efficeonを公開(COMPUTEX TAIPEI 2004レポート/PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0602/comp03.htm
【2003年12月17日】Efficeonの処理能力をベンチマークで検証(笠原一輝のユビキタス情報局/PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1217/ubiq37.htm
| (iBASE MB860) |
[撮影協力: ぷらっとホーム]