ヒートアップする一方だったIntelとAMDの秋葉原での舌戦もついにブレーキがかかったようだ。30日(土)に行われたAMDのイベント「エクスペリエンス・ザ・2K」の中で両者が互いに行き過ぎた表現があったと謝罪し合うハプニングがあった。
それは「エクスペリエンス・ザ・2K」でAMDの“兄貴”こと土居憲太郎氏と佐藤美明氏がCPUに関するプレゼンを行っている最中に起こった。MSIのイベントで自分の出番を終えた“神様”ことIntel天野伸彦氏が途中でAMDイベント関係者のブースに入り込むと、それに気がついた“兄貴”らはまず「他社さんの“神様”がきています(笑)」と反応。そのままプレゼンが続き、最後に8コアPCのFASN8のデモ予告の話題が出たのをきっかけに、佐藤氏と天野氏が互いに「この前はすみませんでした」と謝罪し合う展開になった。
FASN8のデモ予告画面がディスプレイに現れると、土居氏が「2週間ほど前に佐藤さんが店頭でデモをやっていたときのスライドですが、これはそこで笑っていらっしゃる“神様”と熱くなっていたときのですね」と話を振ると、佐藤氏はすかさず「あのときはほんとにすいません、言い過ぎました(笑)」と頭を下げ、関係者ブースで見ていた天野氏も「私の方もすいませんでした(笑)」と返し、過激さを増す一方だった舌戦は一転してにこやかな“謝罪合戦”となった。
2週間前には、斜めに向かい合う形でIntelとAMDのイベントが同時開催され、佐藤氏はIntelのクアッドコアを「自分で“なんちゃってクアッドコア”と認めている。あんなもん簡単に作れる。」と発言、それに対して天野氏が即座に「まだ出荷もされていないAMDのクアッドコアは張り子の虎ならぬ“張り子のクアッド”と呼ぼう。」とやり返す場面があり、ユーモアの範囲を超えて過去にないほど緊張が高まっていた。今回の謝罪劇は、時間を置いて頭が冷えて互いに“やり過ぎた…”という反省から起こったハプニングのようだ。
2006年8月のCore 2 Duoの発売を機に、秋葉原ではAMDとIntelによるCPU比較デモや「現状に甘んじるならIntelを」「Core 2 Duoは選別品で苦労しなくても全品TDP 65Wです」など、過激な言葉のやりとりが続いていたが、新たにクアッドコアをテーマにしてギリギリのところにまで到達、ここで自発的なブレーキがかかったようだ。
なお、この直後に土居氏は「こういったかたちで我々としても自作マーケットを盛り上げていけばなと思ってます。」と極めて冷静にフォローしている。深読みすると、これは「今後もユーモアの範疇で際どい丁々発止をやります」と解釈できる。
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[撮影協力:日本AMD]