これまた簡単ではあるが、CPUとマザーボードの換装方法も紹介しておく。ちなみに、マザーボードを交換することで、OSが正常に起動しなくなることも多いので(実は今回そうだったので、OSの再インストールを行っています……)、換装作業に入る前に、システムドライブのデータバックアップは行っておいたほうがよいだろう。マザーボードの交換はほとんどのケーブルをつなぎ直す必要があるので、ほとんどイチから組み立てるのと手間は変わらないが、慌てずにゆっくり作業するのが吉である。
ちなみに、今回のこの換装作業では、OSの再インストールのほかに、これまで使用していた光学ドライブのIDEケーブルの長さが足りず、別のケーブルに交換した、などということもあった。何かと予想外のトラブルが起こるのも自作PCではあるので、やはりしっかりバックアップを取り、時間に余裕のあるときに作業することをお勧めする。
■換装手順
1:
まずはマザーボードやビデオカードを取り外す。長い間動いてくれたマザーボードやCPUに感謝しつつ、ホコリの掃除などもしてあげるとグッド。
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2:
LGA775ソケットの脇にあるレバーを持ち上げ、さらにその中のカバーを持ち上げる。CPUの向きをよく確認しながらCPUを乗せ、カバーとレバーを下ろして固定する
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3:
CPUの上に取り付けるCPUクーラー。Intelの現行のリテールクーラーは、四つのピンの上の部分を写真のように時計回りに回した状態にしてから押し込む必要がある
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4:
ソケット周辺の固定穴に合わせて、上からピンを押し込む。少々力がいるので、机やマザーボードを傷付けないように、下に軟らかめのマットや、厚みのある雑誌のようなものを敷いておくといい。読んだ後は作業台にもなるDOS/V POWER REPORT誌が頼もしい!?
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5:
メモリは4スロットあるが、DDR SDRAMは2スロットのみ。よって、前回4枚になったメモリだが、移植するのは前回増設した2枚のPC3200 DDR SDRAM 512MB×2のみとなる。余った256MB×2のメモリは以前のマザーボードと一蓮托生だ
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6:
マザーボードをケースに取り付けたら、ビデオカードも挿し直して完成。簡単に書いているが、電源スイッチやIDEケーブルなど、接続しなくてはならないケーブルは多い。ATX電源ケーブルなども意外と挿し忘れていたりするので注意
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換装したマシンでのプレイ画面は以下の通り。また、ベンチマーク結果も同時に載せている。
<ベンチ結果>[前回の結果はこちら]
ロスト プラネット エクストリーム コンディション無料体験版 DirectX 9
| Snow | Cave |
Before | 29 | 18 |
After | 32 | 27 |
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3DMark06 Build 1.1.0 (単位:Score)
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ベンチマークの数値だけ見ると、あまり差がないように見えるが、実際にロスト プラネットをプレイしてみると明らかな違いが体感できた。最高フレームレート自体はほとんど変化がなく、プレイ開始直後は「あれ?」という感じであったが、これまで激重だったシーンでもほとんど落ち込みがないことにすぐ気が付く。上は変わらないが、下が底上げされた、といった感じだろうか。プレイの快適さはPentium 4 3GHz時と比べて段違いだ。
後半のステージではMission01で苦労したボスも、ほかのモンスターと一緒にザコとして登場してくるなど、Mission01後半の重いシーンなどはまだ序の口ということに気が付かされる(泣)のだが、従来のスペックでは非常にストレスの溜まるシーンでも、この新環境なら大丈夫。Core 2 Duoへのアップグレードでしっかりと友人はオールクリアまでたどり着けたようだ。総アップグレード約5万5,000円。DirectX 9環境としては、なかなかのゲーム環境になったのではないだろうか。
ちなみに、ロスト プラネット体験版のベンチマークテストを見るに、雪のエフェクトなどがメインの「Snow」ではビデオカードの性能が大きく反映され、大量のモンスターが飛び回る「Cave」ではCPUの性能が現れやすいという傾向にあるようだ。人間の体感的にフレームレートは30前後あればスムーズと感じられると思われるので(ロスト プラネットのベンチマークの値は、それぞれのシーンのフレームレートの平均値)、自分のマシンでも一度このベンチマークを動かしてみて、どういうアップグレードにするか方針を考える、というのもいいかもしれない。
なお、CPU換装後に再び1,900×1,200ドットの最高解像度でもプレイしてみたが、フレームレートはゲームスタート直後から10前後と低いものながら、何とか遊べるレベルにはなっていた。最後までプレイするにはムリがあるだろうが、アップグレードの効果が肌で感じられるというのはいいものである。どこまでスペックを追求するかは、自分の満足度とおサイフしだいだ。
結局マザーボードとCPUも交換したため、Pentium 4 3GHz+マザーボード+DDR SDRAM 256MB×2(+写真には写っていないがGeForce FX 5900ビデオカードも)という眠らせるには惜しいパーツが一式残ってしまった。ケースとHDDなどを備えれば、立派なサブマシンの完成となるわけだが……
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友人「なぁ、思ったんだが、この余ったパーツで1台作ったら、2垢プレイ(二台のPCで“2アカウント”同時にログインし、二つのキャラを自分で操作する。MMORPGなどで何かと便利だが、プレイとしては邪道という声もある)とかできるんじゃないの?」
筆者「……おまえの自作、始まったな」
残りのパーツにHDDやケースなどを加えるだけで、もう1台のPCになる! 余ったパーツがまだまだ使えるレベルのものだと、そう考えるのが自然というもの。しかし、それは自作パーツ沼への入り口。それに気が付いた友人の数年後が楽しみである。
今回のようにパーツを大事に使って、低予算で少しずつアップグレードをしていくか、スパッとしっかり予算を組んで新マシンに換装してしまうか、というのは難しいところだが、それを悩むのも自作PCの楽しみだ。低予算でもアップグレードパスはあるが、一気に交換してしまったほうがよいマシンもあるだろう。今回の友人のマシンのような、Pentium 4+AGPビデオカードというようなマシン環境は、ちょうどその境目にあると言える。その辺りを見極めつつ、今回の話のいいところも悪いところも参考にして、ゲームライフを快適に過ごす計画を立ててみてはいかがだろうか。
※記事内の価格は、2007年8月中旬現在のものです。実際にこの価格で販売されていることを保証するものではありません。
PC「ロストプラネット」:
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□ロスト プラネット エクストリーム コンディション(カプコン)
http://www.capcom.co.jp/lostplanet/
□PC GAME Hotline!
http://www.watch.impress.co.jp/headline/gamepc/
□ロスト プラネット エクストリーム コンディション関連記事一覧
http://www.watch.impress.co.jp/headline/gamepc/game/lp.htm
□関連記事
【2007年8月11日】イマドキゲーマーのPCパワーアップ計画 ~前編:2万円でロスト プラネットは快適になるのか?~
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20070811/sp_pgh.html
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