NVIDIAがGPGPUをアピールするイベント「NVIDIA GeForce Graphics +」が26日(日)に開催された。会場はカフェ ソラーレ リナックスカフェ秋葉原店(ブロックD2-[e2])。
イベントでは、同社のGPGPU技術「CUDA」を使った新しいGPUの活用方法がアピールされたほか、発表されたばかりのGeForce 9300/9400チップセットのの紹介やデモも実施された。
●テーマは「CUDAによるGPGPU」
「普通のGPGPU」との差別化も
イベント最大のポイントと言えたのが、同社独自のGPGPU技術「CUDA」のアピール。
「GPGPUをアピールする」という点では先週のAMDイベントと同じだが、AMDがPixelShaderをそのまま使った汎用的なGPGPUをアピールしていたのに対し、NVIDIAでは同社独自技術である「CUDA」にフォーカス。NVIDIA以外にセッションを行った3社のうち、2社もCUDAベースの自社ソフトを解説した。
CUDAベースのソフトとして紹介されたのは、アークソフトのアップスケーリングエンジン「SimHD」と、ペガシスの動画編集ソフト「TMPGEnc 4.0 XPress」。汎用的なGPGPUソフトとしてはトムソン・カノープスの動画編集ソフト「EDIUS Pro 5」が紹介された。
●アップスケーリングエンジン「SimHD」は、高性能なCUDA版がデモ
【CUDA版】 |
【SimHD有効】 |
【今後の予定】 |
【SimHD無効】 |
SimHDは先週、「汎用のGPGPUソフト」としてアピールされたばかりだが、今回はCUDAで開発した別バージョンを披露。
汎用版とCUDA版の違いは処理性能で、汎用版では非対応だった高解像度(1,920×1,080ドット)へのアップスケーリングが可能とされる。また、CPU負荷についても、「GeForce 9700 GT利用時で10%以下」と、Radeon利用時(Radeon HD 3850利用時で35%以下)よりも低い値が提示された。なお、操作用のGUIは共通で、アップスケーリング処理の内容やアルゴリズムに違いはないという。
ソフトの発売予定は「今年のクリスマスシーズン」。メディアプレイヤーソフト「TotalMedia Theatre」日本語版に含まれるかたちで発売されるという。
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【2008年10月18日】AMDがイベント実施、入手可能なGPGPU対応ソフトなどをデモ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081018/etc_amdev0.html
●公開間近のCUDA活用版TMPGEnc 4.0 XPress
ビデオカードへの同梱も予定
【TMPGEnc 4.0 XPress】 |
【配布見通し】 |
【CUDAのメリット】 |
【CUDAの実装】 |
もう一方の「TMPGEnc 4.0 XPress」は、「CUDAベースのエフェクトを搭載した」として早くから注目を集めたもの。
詳細に関しては僚誌PC Watchがお伝えしているが、第一段階のGPGPU化としてエフェクト部分をCUDAで実装、環境に応じてCPUと分担して処理を行うなど、PCに応じて最適な処理を行うのが特徴とされる。エンコードのGPGPU化は今後のフェーズで実現予定。
なお、汎用のGPGPUとしてではなく、CUDAを利用して開発したのは「現時点でもっとも使いやすいGPGPU環境だったため」(同社)という。
CUDA対応版のTMPGEnc 4.0 XPressは10月末に一般公開される予定で、従来ユーザーには無償公開される。また、11月末に発売されるELSAのGeForce 9800 GTX+ビデオカードなどには体験版が添付されるという。
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【2008年8月27日】TMPGEnc 4.0 XPressとPowerDirectorのCUDA対応版がデモ(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0827/nvision03.htm
【2008年9月10日】ペガシス、TMPGEncへのCUDA実装をデモ(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0910/pegasys.htm
●カノープス「EDIUS Pro 5」は発売中
GPGPUでリアルタイムエフェクト
【EDIUS Pro 5】 |
【GPU Fx】 |
【GPU Fx】 |
【GPU Fx】 |
【GPU Fx】 |
【GPU Fx】 |
唯一「汎用のGPGPUソフト」として解説されたのが、トムソン・カノープスの動画編集ソフト「EDIUS Pro 5」。これは既に発売中だ。
GPGPUに関わる特徴としては、GPGPUを活用した3Dエフェクト「GPU Fx」を新たに搭載。GeForce 9シリーズなどの高性能ビデオカードを搭載することで、複雑なエフェクトでもリアルタイムに適用/確認することが可能になっている。
GPU Fxによるエフェクトは1,000種類以上プリセットされており、さらにカスタマイズすることもできるという。
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【2008年9月12日】カノープス、MPEG高速編集/BD作成対応「EDIUS Pro 5」(AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080912/canopus.htm
●発売中のトランスコードソフトやWeb動画向け画質向上ソフトも
【Badaboom Media Converter】 |
【Badaboom Media Converter】 |
【Carmel】 |
【Carmel(右が処理後)】 |
このほか、NVIDIAのセッションでは米国で発売されたばかりのCUDA利用型トランスコードソフト「Badaboom Media Converter」(Elemental Technologies製/29.99ドル)や、低解像度動画をリアルタイムに画質向上できるWeb動画向けソフト「Carmel」(Motion DSP製)などを紹介。
GPUで処理すると処理時間が数分の1に短縮されることをデモした上で、「CUDAによる新しい世界」をアピールした。
なお、これらのデモでは比較用として行われたCPU処理があまりに遅いため、GPU側の処理終了後、「CPU側はまだやっていますが、次の解説に……」という展開が多発。さらに、その「次の解説」が終わった後もCPU側が処理し続ける、といった光景まで見られた。
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【2008年10月24日】Elemental Technologies、NVIDIA GPU対応動画変換ソフト(PC Watch)
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【2008年8月28日】Emerging Companies Summit編その1(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0828/nvision04.htm
□NVIDIA GeForce Graphics +(NVIDIA)
http://www.nv-info.com/
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http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081018/etc_amdev0.html
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