Core i7が発売されてはや3週間。読者の中には買い換えを検討している人も多いはず。
日頃、動画エンコードにCore 2 Quad Q6600を使っている筆者もそのひとりだが、正直なところ、コストパフォーマンスの高いQ6600から買い換える必要があるかどうか悩んでいた………。そして、悩み疲れた結果、Core i7-920を購入してみた……。 以下は、動作環境や導入結果である。購入を検討している人は、以下を参考にしてもらいたい。
※注意 オーバークロックはメーカー動作保証外の行為になります。この記事を読んで行った行為によって、仮に損害が発生しても弊誌および、メーカー、販売ショップはその責を負いません。
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今回使用したCore i7-920
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高いOC耐性、Turbo Boost効果で夢の4GHz超え
今回は動画エンコードソフト「TMPGEnc 4.0 Xpress」を使ってエンコードにかかる時間を測定した。比較対象として3.4GHzにオーバークロックしたCore 2 Quad Q6600(定格2.4GHz)を用意した。テスト環境は以下のとおり。なお、両PCともケースのサイドパネルは常時開けっ放しというやや特殊な環境であることを予めご理解頂きたい。
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今回使ったPC(サイドパネル無し)
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テスト環境
CPU |
Core i7-920(ロット.#3838A558) |
Core 2 Quad Q6600(2.4GHz→3.4GHzにOC) |
マザーボード |
GIGABYTE GA-EX58-UD5 |
ASUS P5K-E |
メモリ |
G.Skill F3-10666CL9T-3GBNQ(DDR3-1333,1GB×3) |
UMAX Pulsar DCDDR2-2GB-1066OC(DDR2-1066,1GB×2) |
CPUクーラー |
Thermaltake BigTyphoon |
サイズ ANDY SAMURAI MASTER |
ビデオカード |
SAPPHIRE Radeon HD 2400 PRO |
HDD |
Maxtor 6B200P0×1、Seagate ST3320620AS×1 |
電源 |
グロウアップ・ジャパン GUP-EG620J |
サイズ 剛力 500W |
OS |
Windows XP Professional SP3 |
以下の表は解像度1,440×1,080ドット/24分のMPEGファイルをWMV形式(ビットレート5Mbps)に2パスVBRでエンコードした時の経過時間である。
TMPGEnc 4.0 Xpressエンコード時間
CPU |
動作クロック |
経過時間 |
Core 2 Quad Q6600 |
3.4GHz(手動設定) |
107分0秒 |
Core i7-920(HT有効) |
2.66GHz(定格) |
96分3秒 |
3.2GHz(EasyTune6使用) |
81分36秒 |
3.5GHz(手動設定) |
78分19秒 |
3.82GHz(手動設定) |
71分52秒 |
Core i7-920の場合、エンコード作業中はTurbo Boostが有効になるので、表のクロックよりもさらに上昇する。このため、定格3.82GHzの時は4GHz越えとなる。ちなみにこの環境では、上記テストの他に12時間ほど動画エンコード(負荷率30後半~50%程度)も実施したが、特にトラブルもなく動作した。
この結果で驚くのは、3.4GHzにオーバークロックしたCore 2 Quad Q6600よりも、定格動作(2.66GHz)のCore i7-920のほうが高速な点。メモリ容量(2GB→3GB)の違いはあるものの、10分以上も差が出たのはアーキテクチャの違いやTurbo Boostの効果、Hyper-Threading対応という点が影響していると思われる
ちなみに今回使用したGIGABYTEのマザーボード「GA-EX58-UD5」にはEasyTune6というオーバークロックユーティリティが付属している。オーバークロックの設定方法がわからないという人でも、ボタンを押すだけで簡単にオーバークロックさせることができるので、最初はこちらを利用してみるのもいいだろう。
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Turbo Boost効果で4GHz越え
GIGABYTE EasyTune6
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OC耐性が高くても油断は禁物、夏場は環境の見直しが必要
CPUコアの動作温度に関しては、アイドル時は36~40度前後だが、Turbo Boost 4GHz超えの時は負荷率50%程度で70度近くに達する(暖房無しの部屋,電圧設定はCPU 1.40625V、メモリ 1.6V)。
冬場はこれで大丈夫かもしれないが、夏場は冷却環境の見直しやダウンクロックが必要になる可能性がある。また、今回のテストは負荷率50%程度の結果である。さらに負荷をかけた場合は正常に動作しない恐れがあるので、十分注意する必要がありそうだ。
なお、Intelの資料によるとメモリ電圧は1.6Vを超えないようにという注意書きがあるので、こちらも気をつけて頂きたい。
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動作温度 高負荷時70度越え
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動画エンコードのパフォーマンスアップにとっては有望な選択肢
以上のように、Core i7-920をオーバークロック動作させてみたが、正直なところ、予想以上にOC耐性が高いように感じられた。個体差の問題もあるので全てのロットで今回のような結果が得られる訳ではないが、CPU単体のコストパフォーマンスはOC耐性の高さで人気を集めたCore 2 Duo E6600やCore 2 Quad Q6600並みかそれ以上と言える。CPUのロットによってはTurbo Boostを併用せずに定格で4GHzを超える可能性もありそうだ。
新プラットフォームということで、すでに持っているPCパーツの使い回しが難しいという問題はあるものの、主要パーツは毎週のように値下がりを続けており、CPU、メモリ、マザーボードの買い換えであれば6万円台で購入することも可能となっている。また、一部ではセット割り引きサービスや買い換えサービスを実施しているショップもあるので、これらのサービスを利用すればさらに出費を抑えることもできる。
定格動作の性能だけではなく、オーバークロック耐性も高いCore i7は、動画エンコードのパフォーマンスをアップさせたい人にとってはかなり有望な選択肢といえるだろう。
※注意 オーバークロックはメーカー動作保証外の行為になります。この記事を読んで行った行為によって、仮に損害が発生しても弊誌および、メーカー、販売ショップはその責を負いません。
□Core i7(Intel)
http://www.intel.co.jp/jp/products/processor/corei7/index.htm
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