-fumio-
FPS系のゲームを中心にプレーするゲーマー。過去、世界最大のe-SportsイベントWorld Cyber Gamesに日本代表の一員として参加しているほか、フリーのFPSゲームWarsowの国内大会での優勝、Crysisアジア大会で4位の成績を収めるなど、国内トップクラスの実力を有する。

IONにベストなOSはWindows XPなのか

　なぜ今XPなのかという声もあるだろうが、Atom+IONという数世代前レベルの性能をもった環境を動かす場合、OSの選択によってパフォーマンスに変化が生じる可能性を無視しきれない、というのが理由だ。ちなみに結論めいたものを先に述べると、筆者としてはIONの性能を使い切るという面ではXPの方が合っていると感じている。どのような面で差があり、あるいは無いのかというのを順にお伝えしようと思う。

　今回テストで使用しているのは以下の環境。OS以外はWindows 7編と同様だ。

ベアボーン：Valore ION 330
メモリ：DDR2-667 2GB×1枚（Sanmax SMD-4G88CP-6E-D)
HDD：日立 HTS545016B9A300（2.5インチ/160GB）
OS：Windows XP Professional（32bit）
ディスプレイ：BenQ FP93GX（19インチ液晶/1,280x1,024）、BenQ X2200W（22インチワイド液晶/1,680x1,050）

Windows XP + IONでも一般的用途での性能は十分、動画再生もOK

　動画再生に関しても、再生支援が働くため、XPでも高解像度動画をスムースに観賞できるケースが多い。こちらもベータ版のAdobe Flash Player 10.1とGeForce 9400Mの最新ドライバを用意すれば、Youtubeに投稿されている1080pの動画を滑らかに再生することが可能だ。

　個人的には慣れの関係でXPの方が好ましいと感じているが、7とXP間で明確な差は無いといえる。

　Windows XPでも全体傾向はWindows 7と同様で、解像度を800×600くらいのレベルまで落とし、画質設定も最低レベルに落とすことで、古め≒軽いタイトルならゲームプレイに支障はない程度のフレームレートを実現できる。ただ、そのフレームレートに違いがあり、たとえば、Windows 7で40〜60fpsだったCounter-Strike 1.6のフレームレートがWindows XPでは55〜75fpsだったりと、パフォーマンスに差が見られる。あまり差が出ないタイトルもあるが、テストした範囲では7よりもXPの方が高fpsとなるケースが多かった。数値的には小さな差ではあるが、ゲームではその小さな差が体感に影響する場合も多々あるので、無視できない数値だ。

　例えば、「ゲームがまともに動いているかどうか」の判断は（人にもよるが）30fpsを境に変わることが多い。もちろん60fpsでれば快適には違いないが、多少我慢すれば遊べるラインというのは30fps付近が限度、という人も多いだろう。今回テストした中では比較的新しいタイトルとなるAlliance of Valiant Arms（UnrealEngine3使用）は、IONで30fps程度（AIとの殲滅戦時）で動作するタイトルだったのだが、こうしたギリギリ遊べるという状況の場合は、少しでも快適にプレイするため1fpsでもフレームレートを稼ぎたくなるところなのだ。

　今後、Windows 7用のドライバの完成度が上がった場合はXPと同等の性能となる可能性もあるが、現時点でゲームでの使用を考えるとIONにはXPを組み合わせて使うことをお勧めしたい。

　なお、Left 4 Deadなどの重いゲームは、XP環境でも高負荷時のフレームレートが一桁となってしまう。絶対的なパフォーマンスはOSだけでどうこうできる問題ではないので、素直にハイスペックPCで遊んだほうが良いだろう。