【 2012年10月9日 】
初音ミクをHMDで目前に合成して「現実化」、HMDは6万円の市販品
ソフトも公開予定アリ

 約6万円のヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)で、初音ミクを眼前の風景に合成、しかもそれを「今後、フリーソフトとして公開するつもり」(ソフト作者)という興味深いデモが7日(日)のイベントで実施された。

 デモシステムは6軸センサー付きHMDのVuzix「Wrap 1200VR」とKinect、数千円のWebカメラ、それにノートPCで構成されたもの。

 デモが行われたのはベルサール秋葉原などで行われたライトノベル系の総合イベント「電撃文庫 秋の祭典2012」のVuzixブースだ。


●HMD+Webカメラ+Kinect+PCで「そこにいる初音ミク」を実現


カメラを装着したHMD

カメラを装着したHMD
 今回のデモイベントは、ヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)を通して、初音ミクのいる仮想世界を体験できるというもの。HMDを装着すると、現実の風景の中に初音ミクがいるような合成映像を見る事ができる。見る方向を変えたり、歩いて場所を変えたりしても破綻なく合成されており、まるで、本当にそこに初音ミクがいるような感覚だ。初音ミクは立っているだけでなく、ブース内を走り回るなど動きもある。

 こうしたデモはこれまでにもあったが、従来は高価な機材を利用するのが一般的。今回のデモでは、先述のように比較的安価、かつ入手しやすい機材で実現しているのが注目できる。最も特殊なパーツはHMDのWrap 1200VRだが、これも秋葉原のPCパーツショップなどで購入できる。

●ソフトも公開予定

 デモ機を製作したのはニコニコ技術部に属する「ミクミンP(ksasao)」氏。原理としては、MMD(MikuMikuDance)をベースとし、それを再生できるライブラリなどを複数組み合わせたモーションデータを用意。そのデータと、Wrap 1200VR前部に取り付けられたWebカメラの映像や、Wrap 1200VRの6軸センサーによる方向データなどをリアルタイムに合成することで、Wrap 1200VRに「初音ミクがいる仮想の世界」を出力しているという。

 Kinectについては、HMD装着者の位置検出や、HMD装着者の動きに合わせて初音ミクが動くためのデータとして利用。今回のデモでは、右腕を上げると「初音ミクが右手にちょこんと乗ってくる」というプログラムが実装されていた。

 なお、今回のイベントではHMDに出力される映像が液晶ディスプレイに追加出力されており、HMDを装着していなくても、合成映像が確認できた。

 ミクミンP(ksasao)氏は、「今回デモで使ったプログラムなどは、整理がついたらフリーソフトとして公開したい」と考えているという。近い将来、自宅でこうした体験ができる可能性もありそうだ。


[動画] HMDの表示内容(外部出力したものを撮影) / 11秒 
※Youtubeで動画を視聴したい方はこちら

[動画] HMDの表示内容と操作の様子 / 23秒 
※Youtubeで動画を視聴したい方はこちら

□【二次元】ミクさんと生活しはじめてみた【三次元】(ミクミンP(ksasao)氏の公開動画)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17432624?user_nicorepo
□ミクミンP/Kazuhiro Sasao氏のTwitterアカウント
http://twitter.com/ksasao
□電撃文庫 秋の祭典2012
http://db2012fes.dengeki.com/
□Vuzix
http://www.vuzix.jp/
□Wrap 1200VR
http://www.vuzix.co.jp/shop/item_detail?category_id=0&item_id=702712&h=4206aa217ccadb88a9a64daf5312fef5&sp=false

Vuzix Wrap 1200VR

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。