1998年4月11日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
先週まで3万円後半が相場だったK6/266は、発表のあとすぐに一部で暴落とも言えるほど価格が下落し、一挙に2万円台に突入した。最安値は28,500円で、29,800円も4店ある(「メモリ、CPU最安値情報」参照のこと)。AMDの発表では、15日に国内価格は23,500円(1,000個ロット時)になるとアナウンスしているので、まだもう少し下がる余地がありそう。現時点での値下げは、あるショップ曰く「泣く泣く下げた」ということのようだが..。
K6/300はCOMDEX Japanに出品された実物をチェックして見たところ、コア電圧2.2V、I/O電圧は3.45Vと書かれていた。現行のマザーボードでは3.45Vに対応していないものもあるため、気になるところだが、AMDのブースに大量陳列されていたMVP3やAladdinVチップセットを搭載した最新マザーボードには、全て3.4もしくは3.5V設定が用意されていた。つまり、各マザーボードメーカーはこれら100MHz対応マザーボードでK6/300対応は織り込み済みということらしい。ただし、K6/300の動作クロック自体は、どうやらベース100MHzはサポートしておらず、66MHz×4.5での動作保証ということのようだ。ベース100MHzはK6-3Dで初めてサポートされるのかも知れない。ちなみに、流通筋の話ではK6/300はもう間もなく出回ることになりそうとのこと。
□K6/300出荷とK6/266値下げ
http://www.amd.com/news/prodpr/9835.html
http://www.amd.com/japan/news/prodpr/nr9835.html
[協力:PCiN秋葉原]
同店の調べによると、このJTSというメーカーは著名HDDメーカーの要職メンバーが集まってできた会社だそうで、工場はインドのマドラスにあるのだそうだ。ドライブそのものも実は結構考えたつくりになっていて、まずコントロール基板が外にむき出しになっておらず、ボディ内部に収められ、静電気などで故障しないよう対策がされているとのこと。性能的にはQuantum Fireball STの4.3GBと同程度で(もちろんUltraATA対応)、動作音も静かなのだそうだ。価格も4.3GBで19,800円と確かに安い。
このポスターが絶大な効力を発揮したのかどうか、11日(土)時点でJTS 4.3GB HDDは全て売り切れていた。インド・ポスター恐るべし。
[協力:Flip-Flap]
というわけで、ASUSに続いて登場した新顔は、1つはおなじみCARDEX(Gainward)ブランドから、もう1つはまったく無名のGOYAという「いかにも廉価ブランド」なところから出ている。パッケージはASUSと違って、いかにも安そうな感じのもので、実際に価格は安い。GOYA C740AGPというカードは、SGRAM 8MBを搭載して19,800円、CARDEX CARDEXPERT 740はSDRAMもしくはSGRAMを8MB搭載して最安値は22,500円(「今週見つけた新製品」参照のこと)。特にGOYAのものは非常に安く、ちょっと興味本位でi740を試そうかという人にはもってこい。4MBならさらに4,000円安い。
Intel以外のチップセットを搭載したマザーボードでの動作安定度に不安があるものの、どちらもドライバーがWindows NT5.0サポートをうたっていたりして、なかなか興味をそそられるものがある。ちょっと冒険してみたい人は、こんなカードはいかが?
□CARDEX(Gainward)
http://www.gainward.com/
[協力:T-ZONEミナミとロビンマイコンショップ]
そして最近、象徴的な出来事が起きた。駅前のラジオ会館と言えば、ほんの数年までBit-Innを中心としてPC98全盛時代をピークにパソコンマニアのメッカとしてにぎわったところ。しかし、ここ数ヶ月間は続々とパソコンショップが抜け、空きスペースが目立ち始めていた。そして、そこへ続々とアニメ・同人誌系ショップが入り始めた。今週気がついたところでは、K-BOOKSというショップが3Fに入り、なんと駅から出るとすぐ目に入るガラス窓にデカデカと「アニメK-BOOKSコミックス同人誌」という張り紙が出されていた。
こうなってくると、駅から出るとすぐそこはアニメ・同人誌系ショップのメッカ、なんていう日がやってくるのも近いかも知れない。PCマニアとアニメ好きな層というのはかなり重なり合っているらしいので、まぁ自然と言えば自然な成り行きか。そういえば、先週取り上げた新デザインのエンブレムも、複数のショップで「初号機」、「弐号機」とかかれたエヴァンゲリオンものがダントツに売れていると聞いた..(十中八九、セットで買っていくそうだ)。
□ケイ・ブックス
http://www.k-books.co.jp/
また、MVP3搭載マザーボードではEPOXのEP-58MVP3C-Mがもうすぐ出回りそう。すでに一部のショップではサンプル品を入手して評価中で、PCiN秋葉原は店内でK6/266を使って100MHz×3=300MHzで動作デモを実施中。T-ZONEミナミではサンプル品を展示中、フジオンpart4では「近日入荷」をアナウンス、クレバリーでは予約受付中だ。このほかにもSERVEXブランドのものが出てきそうという話もあり、MVP3を搭載した製品が徐々に流れてきそうな気配。AladdinV搭載マザーボードの話がどうも途切れがちで、このままだとMVP3のモノの方が潤沢に出回ることになる可能性もありそう。
パソコン本体はもちろんのこと、PC/AT互換機のパーツを1つ1つ売ってここまで成功するのだから、ほかのショップの励みにもなりそうだ。いずれ、アキバを回らなくとも、ネット上の通販ページだけを見ていればすべての価格や入荷情報が見られる時代がやってくるかもしれない。まさに、アメリカのように。
3月28日号で紹介したSPDIF IN/OUTに対応した3D Sound Proチップ搭載のサウンドカード「ART-833-3D」は相変わらず各所で話題になっているようで、アキバでも品薄気味。4月に入ると、多くのショップで扱われるようになったものの、それでも入ったり消えたりの状況のようだ。あるショップでは、「入れても入れてもすぐに出て行く」とうれしい悲鳴をあげていた。
今週は3D Sound Proチップを搭載した新たなカードとして、Epoch Sound Proという製品が登場しているが、これも人気が出るのは必至と見られる。価格は2,980円で、ツクモパソコン本店IIで取扱中。このカードもデジタル音声入出力のSPDIF IN/OUTに対応しているものの、例によってケーブル等は付属していないため、自作する必要あり。
さて、このSPDIFに対応したケーブルの製作とカード側の改造方法について情報不足で困っている人も多いようなので、幾つか参考になるページをここで紹介しておこう。いずれも、個人のページで提供されているもので、かなり具体的な情報が含まれているので、きっとよい参考になるはず。次にあげるリンクを参照してみて欲しい。ちなみに、製品として早くケーブルが出ないかと心待ちにしている人も多いと思うけれども、それも可能性は十分ありそう。もちろん、製品として出た際にはここでお知らせする予定だ。
ソフトアイランドは、Quantum3DのVoodoo搭載カードの取り扱いを開始するそうだ。現在、ホームページ上でアナウンス中。Quantum3Dと言えば、超ハイスペックなVoodooカードを出していることで知られ、最近ではPCIカード1枚でVoodoo2チップを2個積んでSLI機能を実現するObsidian2を発表して話題になった。このObsidian2は「仕入担当者も欲しかった」そうで、当然取り扱われることになるはずだ。発売時期や価格はまだ未定とのこと。
Voodooファンにとってはこれ以上ないうれしいニュースだ。
□Obsidian2カードが日本上陸!!
http://www.soft-island.co.jp/product_news/obsidian2.html