1998年5月9日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
CPU表面のプリントデザインは、製品版でもこのサンプル品と同じとのことで、基本的には現行の6x86MXとそう変わりはない。CPU名称を記したロゴ部分が「Cyrix 6x86MX PROCESSOR」から「Cyrix MII」に変わっている程度。面白いのは、6x86MXで性能表記が「PR266」などPR表記となっていたものが、MIIでは6x86時代に回帰して「M II-300GP」というGP表記になっていること。Cyrixの場合、実クロック表記ではない以上は何と書いても同じといえば同じではあるが..。
動作電圧はコア2.9V、I/O 3.3V。実動作クロックは66MHz×3.5=233MHz。TWO-TOPの社内テストでは、100MHz×2.5=250MHzでも動作し(もちろん動作保証外)、例によって整数演算のテストで非常に高いベンチマーク結果が出たそうだ。Cyrix自身は、このMII 300 Processorを「PentiumII 300MHz相当」としており、期待を抱かせるところ。6x86MXから一体何が変わっているかという点は、相変わらずCyrix自身のアナウンス不足で不明だが、その不透明さがまた人柱達のチャレンジ精神をくすぐりそう。
TWO-TOPでは先行してインターネット通販で早ければ週明けにも注文を受け付けるそうで、店頭にもうまく行けば来週末には並びそうとのこと。価格はいまのところまだ調整中で、「スタートは少し高めになりそう」という話だ。
□Cyrix
http://www.cyrix.com/
http://www.nsjk.co.jp/cyrix/
・MII
http://www.cyrix.com/mii/mii-main.htm
http://www.nsjk.co.jp/cyrix/6x86MX/Technical/mii.html
[撮影協力:TWO-TOP]
スピタル産業が6枚セットで販売しているエンブレム「PCS-01」の新タイプとして「PCS-02」も出た。今度のセットは、「ニューロ&ファジィ」、「社内最低速」、「Super ERO EX」、「忍」、「(非常口マークのデフォルメ)」、「(なるとのマーク)」の6種類で、以前と違って色数が増えて3D処理されたデザインを採用しているのが特徴。以前のシンプルさが良かったという人にとっては、ちょっと違和感を覚えるデザインかもしれない。
ほかにも、ぷらっとホームがBeからライセンスを取って作ったというオリジナルのBeのロゴ入りエンブレムも発売されている。こちらのデザインはオリジナル・ロゴに忠実に作られているので、このまま自作マシンに貼りつければ、「新型のBe BOX」と言っても通じてしまうかも知れない。BeOSユーザーには、もちろん必須アイテムとして人気が出そうだ。
こうしたエンブレム大ブームのおかげで、このあとも続々と新タイプが出てきそう。聞くところによれば、「自作エンブレムキット」なる商品を企画しているところも複数あるようだ。これが実現した場合、画像のピクセルサイズやデータフォーマットを規定して(640×480ドットのGIFなど)、いろいろ各人の自作データを配布できたりすると面白いかもしれない。それにしても、自作PCの世界は思わぬところで大ヒット商品が出てくるもの..。紹介した商品の価格や取扱店は「今週見つけた新製品」を参照のこと。
□スピタル産業
http://www.netlaputa.ne.jp/~spital/
□大人気!FreeBSD/Linux/BeOSマシン用エンブレム
http://www.plathome.co.jp/new/index.html#emb
価格は急降下を続け、ほぼ確実に毎週数千円単位で下がって従来のSDRAMとの価格差はどんどん縮まりつつある。まるで'96からおこり始めた「歴史的なメモリ暴落状況」を再現するかのよう。また、ショップによっては「爆発的」と言うほど売れ行きも好調で、メモリで一番出るのはPC100対応SDRAMと断言するショップも数多い。また、面白いことに、どこのショップもまず例外なく「容量で一番出るのは128MB」だと言っている。いくら安くなってきているとはいえ、PC100対応の128MB SDRAMは3万円台。こればかりが売れていくというのは、やはり日本の特殊事情をよく表しているとしか言いようがない。
さて、今後の価格のほうはどうなるのかと関係者に聞いてみると、一致して返ってくるのは「まだ下がる」という答え。ノーブランド品のPC100 SDRAMを中心に各メモリメーカーから製品の出荷が続々と始まり、供給量が増えているそうで、仕入れ段階で日に日に価格が変わり、あちこちの代理店から売りこみがあるほど競争が白熱しているそうだ。仕入れ値では、店頭の実売価格以上に従来のSDRAMとの価格差がなくなっているそうで、同列に並ぶのもそう遠い未来ではなさそう。
5月第2週に入り、PC100対応SDRAMは32MBで1万円を切り、64MBは15,000円台に、128MBは3万円割れ(「メモリ/CPU最安値情報」参照のこと)。これは3月の時点の価格と比較すると実に約1/3。たった2ヶ月の間にこの落差。これを「暴落」と言わずしてなんと言おうか。あるいは「今までの価格はなんだったんだ」と怒る人もいそうだが。
[撮影協力:USER'S SIDE秋葉原店]
国内有力メーカーから初めて出てきたi740カードということで、売る側も期待度が高かったようで、わかっているだけで取り扱いショップは20店以上にものぼっている。実売価格の方は21,800円~27,800円と、なぜだか幅広くなっている(「今週見つけた新製品」参照のこと)。
他の製品と比較して機能的には特に大きな違いはないので、肝心なのはやはり日本語マニュアルやサポートに期待がかかるところだが、しかし動作保証ということでは、このGA-7408/AGP2もほかのi740カードと同様に440BXと440LXチップセット搭載のマザーボードでしか保証を行っていない。実際、パッケージには対応機種として「AGPスロット搭載DOS/Vマシン」としか書かれていないものの、マニュアルには「440LXまたは440BXでのみ動作可能です」との注意書きがしっかり書かれている。Socket 7 + AGPの「DOS/Vマシン」ユーザーが買ってしまった場合はどうするのだろうか? という疑問もわくが、同社によると、OADGマークをパッケージ裏面につけてあり、あくまでも「OADG加盟メーカーのAGPスロット付きマシン」という対象に絞っているので、もともとSocket 7のマザーボードはサポート外、とのこと。ちなみに、ASUS AGP-V2740では、一部の代理店を通った最近の製品には、きちんと「Intel社Chipset搭載マザーボード専用です」という、注意を促すシールが外箱に貼られている。
ほかにこのカードで興味深いのは、カードのデザインがASUSのAGP-V2740に実にソックリということ。カード上には「GA-7408/AGP2 1998 I-O DATA DEVICE,INC.」というシルク印刷があるものの、全体的なデザインはまさにASUS AGP-V2740そのもの。このあたりは、Flip-Flapがホームページ上で両者を並べて写真を撮って掲載しているので、実際に見比べてみるといい。ドライバCD-ROMの中にASUS関連のファイルが入っていたりもするので、関連性は確実にありそう。しかし、むしろこのあたりは今後のドライバサポートのことを考えると歓迎すべきことかも知れない。
i740はやはりチップの価格が非常に安いそうで、今後も採用メーカーが増えるらしい。Diamondからも近々i740のカード「Stealth II G460」出ることになっているので、もう「i740だらけ」になりそう。そうなると、価格で選ぶか、サポートで選ぶか、それが問題だ。
□アイ・オー・データ機器
http://www.iodata.co.jp/
・GA-7408/AGP2
http://www.iodata.co.jp/products/graphics/ga7408/ga7408.htm
□そっくりさんシリーズ
http://www.flipflap.com/whatsnew/whatsnew.html#ga-7408
それは台湾のPOWER MEDIAというメーカーの「CALENDER 2000 CARD」なる製品で、見た目には真っ赤な基板が特徴。8bitのカードで昔の486時代のマシンにとりつけて使うことを想定しているらしい。どうも技術的にはBIOSの一部をのっとる仕組みらしく、設定としてDIPスイッチでC800やCC00などのアドレスを指定する必要がある。基本的にあとはマシンに装着すればいいのだが、実際のところはこのあとカードが何をどうして具体的に何を解決するのかはまったくわからない。マニュアルも簡単な紙1枚だけで、「タイマーが1999年から2000年に切り替わる際に起こる問題を解決します」(意訳)程度のことしか書かれていない。確かに、486全盛時代のマシンに搭載されているBIOSでは、タイマーが2000年に切り替わる瞬間に過去の年設定に戻ってしまったりする、というトラブルがずいぶん昔に話題になったことがあり、これをどうにかしてしまおうということのようなのだが..。
なにしろ、これを販売しているT-ZONEミナミでも「よくわからない製品」といっており、なんと輸入担当者自身が「メーカーに聞いてもわからないし、テストしてみたらうまく動かなかった」と明言している..。「そんなもん売っていいのか?」という声も聞こえてきそうだが、なんでもアリアリのアキバだからもちろんそれはOK。わかる人だけが買っていけばよろしい(わかる人がいれば、だが)。
さて、本当にこの製品で2000年問題は解決できるのか? これもやはり「人柱」が必要な製品らしい。価格は6,980円。興味のある人はぜひこの製品の謎を解明してみてほしい(とショップも言っている)。
[撮影協力:T-ZONEミナミ]
特に星野金属工業は、最近になってビデオチップなどを冷却する薄小クーラー「WinDyN」を出したり、なかなか積極的な製品展開を行っている。5月に入ってからも、なんとアルミダイキャストに金メッキをほどこした「WinDy Gold」の販売も開始している。これは「WinDy販売50万台突破記念モデル」だそうで、500本の限定生産品。価格は3,800円(「今週見つけた新製品」参照のこと)。
マシンの中でキラリと光る金色Socket 7というのもなかなかカッコいい。見えないオシャレとしてもいかがだろう? 限定品のため、入手はお早めに。
[撮影協力:TWO-TOP]
身近なサークル用に作ってみるもよし、好きなイラストをはめ込んで自分専用のうちわを作るもよし。ただ、このキットには特に専用のソフトなどは付属していないので、いろいろと自分で手持ちのソフトで試行錯誤してデザインする必要がある。うちわは大きいサイズが1つ入っているものと、小さいサイズが2つ入っているタイプの2種類があるので、好きなほうを選ぼう。価格と販売中のショップは「今週見つけた新製品」を参照のこと。
[撮影協力:秋葉帝]