【 1999年12月4日号 】

CD-RのATAPI化進み、SCSIカードメーカーは防戦中

CD-W54EPCD-W54E
AdaptecキャンペーンAdaptecキャンペーン

 CD-R/CD-RWドライブのATAPI(IDE)化の勢いはとまらず、今度はTEACからATAPI対応の製品「CD-W54E」が発売になった。同社初のCD-RW対応ドライブであると同時に、同社初のATAPI対応ドライブでもある。これでCD-Rドライブを扱う主要メーカーほぼ全てから、ATAPI対応ドライブが発売されたことになる。

 「CD-W54E」はCD-RとCD-RWともに4倍速書き込みに対応した製品で、CD-ROMは32倍速の読み込みに対応している。実売価格は、書き込みソフトのB's Recorder GOLD付きで19,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。これで、CD-R/CD-RWドライブのATAPI化へのシフトがより一層鮮明になった格好。HDDもIDE HDDの低価格化と高性能化が急激に進んだため、SCSI HDDはコストパフォーマンスの差が歴然として、徐々にハイエンドの限られたマーケットに追いやられつつある。

  こうした“SCSI離れ”に対し、SCSIカードの老舗であるAdaptecは防戦活動を開始している。Ultra SCSIカードのAHA-2930Uの販促用として11月から実施している「ウルトラバリューキャンペーン」に合わせ、新たにフロッピーディスクサイズの折りたたみパンフレットを作成、これを店頭に大量に置き始めている。また一部の有力ショップの例では、このパンフレットを店頭在庫中の他社製CD-R/CD-RWドライブのパッケージに貼り付けている例もあった。このパンフレットの内容もなかなかインパクトが強く、表面に大きく注意標識のようなものが描かれ、「CD-R/RWの快適接続は相性が大切です」と、客の不安を呼び起こすため店頭では禁句に近い「相性」を強調するメッセージがつけられ、さらに「CD-R/RWを快適に接続したい方は、ご購入前に必ずお読みください」と、何か義務的な誤解を与えかねない注意書きもある。あまりにインパクトが強いため、「これでは逆に(不安がって)客が引いちゃうよなぁ」というショップの店員もいたほど。

 RAIDもIDE用が大流行し、スキャナや外部ストレージデバイスもUSBに移行し始め、SCSIカードメーカーとしては大胆なアピールが確かに必要なのかも知れない。Adaptec以外にも、CD-Rと直接関係はないものの、アイ・オー・データ機器も“何でもつながります”というSCSIカードの「AAA保証」制度をスタートさせ、記念キャンペーンを実施している。

 マーケットの最前線では、今まさにATAPIとSCSIの攻防戦が展開中というわけだ。

□ウルトラバリューキャンペーン(アダプテックジャパン)
http://www.adaptec.co.jp/ultravalue/index.html
□AAA保証(アイ・オー・データ機器)
http://www.iodata.co.jp/pr/aaa/index.htm

[撮影協力:ソフトクリエイトFM館]


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