あなたが決める'99年10大ニュース投票結果発表
今年1番のニュースは「Athlon登場」
読者に投票していただいた'99年10大ニュースの結果をここで発表しよう。
投票受付期間:12月13日~12月22日
総有効投票数:20,676票(4,705人)
●Athlonが登場して一定の地位を獲得、動作クロックでIntelを追い抜く
Athlonが動作クロックでPentium IIIを追い抜き、x86系CPU最速の座をIntelから奪い取った衝撃は大きく、スピードを求めるパワーユーザー達からずっと注目を浴びつづけた。Athlonが初めてアキバに姿を表したのは8月中旬。当初心配されていたマザーボードの供給不安もどこへやら、Athlon対応のマザーボードも同時デビューを果たし、そこから徐々に、そして着実にユーザーの数を増やしていくことに成功した。デビュー直後はマザーボードに関するトラブルやベンチマーク結果の信憑性が話題になるなど、一時はつまづきかけたようにも見えたが、ユーザー間での高い性能評価は揺ぎなく、立ち直りは早かった。
Intel製CPUと互換のないCPUインターフェイス(Slot A)を採用したことによる普及の障壁も、Athlon対応マザーボードの低価格化と種類の増加などでうまくクリアし、自作PC市場では確実にハイエンドCPUとしての地位を獲得した。そして、おそらく誰もが評価している点は、Athlonの登場によってIntelとの競争が激化し、全体的にCPUのスピードアップと低価格化が進んだことだろう。年が明ければ、今度はPentium IIIとAthlonによるGHzレベルでの新たな戦いが見られるはずだ。
●メモリは価格の乱高下と製品種類の増加で混乱
'99年は過去に例を見ないほどメモリに関する動きが激しかった。まず、主流のPC100 SDRAMは価格が乱高下した。年明け直後に64MBで1万円弱、128MBで2万円弱だった価格は見る見る下がり、7月初旬には64MBで5,000円割れ、128MBで8,000円台にまで下がって、誰もが「一体どこまで下がるの?」と注目した。しかし、それも7月中旬には一転、大手メモリメーカーの生産トラブル話が業界を席巻して価格は急上昇、台湾地震も重なって最終的に64MBは15,000円前後、128MBは25,000円前後にまで上昇した。価格上昇の原因は、今ではDRAMメーカーの64Mbitから128Mbit品への生産シフトによるものがベースだと言われており、先の2つの話がどこまで影響したのかは今もってわからない。まるで株式市場のように、消費者もショップも風説入り乱れる中で、メモリ価格の動きに右往左往させられる格好になった。
また、メモリの種類は過去に例がないほど多くの種類が出回った。SIMM、SDRAM DIMM、PC 100 SDRAM DIMM、133MHz対応 SDRAM DIMM、VC SDRAM DIMM、Direct RDRAM RIMMなどがショップに並び、やや混沌とした状況を呈した。
一体何が主流となり、価格はどうなるのか、予測のつかないメモリの状況は'99年以降も続くことになりそうだ。
●HDDの大容量化と高性能化が進み、価格も大きく下がる
特に動きが大きかったのはIDEタイプのHDDで、1月に3万円で13GBクラスのHDDが買えるようになったと話題になっていたものが、12月には同じ価格で40GB超のHDDが買えるまでに価格が下落した。現時点で1GBあたりの単価はすでに700円台に下がっており、700円割れも間近だ。性能向上も目覚しいものがあり、7,200rpmの高速スピンドルのモデルが大幅に増え、インターフェイスはUltra ATA/66対応が当たり前となり、プラッタ1枚あたりの記憶容量は10GBにまで達した。これまではWindowsが代替わりするごとに、システム必要領域の肥大化を嘆く声があがったものだが、HDDのコストパフォーマンスが急速に向上したためか、'99年はそうしたことはほとんど話題にも上らなかった。むしろ、BIOSやOS側で大容量HDDをうまく扱えないトラブルの方が目立つほどだった。また、9.5mm厚で12GBという大容量製品が登場するなど、ノートPC用の2.5インチHDDの動きも活発だった。
今や15GBなら15,000円で買えてしまうのだから、「HDDは高価なもので大切に使うもの」という耐久消費財のイメージは'99年で完全に崩れ去ってしまったと言っても過言ではない。なお、IDE HDDが急速に進化する一方、市場でSCSI HDDの勢力が急速に衰えていったというのも'99年の目立った動きだ。
●i820チップセットのトラブルでFSB 133MHzとRIMMの離陸失敗
このほか、5位には「“Dualon”ことDual Celeronの大ブームが巻き起こる」、6位には「Linuxを中心にBe OSなどWindows以外のOSが人気に」が選ばれた。7位から30位までの投票結果も含め、全結果を下の表にまとめたので、この1年を振り返る際の参考にして欲しい。
順位 | ニュース/解説 |
1位 (2,761票) |
Athlonが登場して一定の地位を獲得、動作クロックでIntelを追い抜く (Slot Aマザーボードと同時に登場し、パワーユーザー層に浸透) |
2位 (1,933票) |
メモリは価格の乱高下と製品種類の増加で混乱 (メモリ価格が活発に動き、種類もRIMMとVC SDRAM DIMMの登場などで増える) |
3位 (1,759票) |
HDDの大容量化と高性能化が進み、価格も大きく下がる (Ultra ATA/66化と7,200rpm対応が進んで容量は40GB超に、1GB単価は800円割れ) |
4位 (1,435票) |
i820チップセットのトラブルでFSB 133MHzとRIMMの離陸失敗 (FSB 133MHz対応Pentium IIIは売れず、RIMMも高価で売れず) |
5位 (1,142票) |
“Dualon”ことDual Celeronの大ブームが巻き起こる (2個単位でCeleronが売れ、Dual Socket 370マザーボードまで登場) |
6位 (1,024票) |
Linuxを中心にBe OSなどWindows以外のOSが人気に (日本語版のLinux製品が売れ、OSの選択肢増える) |
7位 (992票) |
SSE対応のPentium IIIが登場し、さらにCoppermineコアへと進化 (1月下旬に初登場し、11月には0.18μm版のCoppermineも発売) |
8位 (959票) |
iMac人気でスケルトン化した製品が続々登場 (CPUリテンションキット、CD-ROMドライブ、ファンまでスケルトンに) |
9位 (824票) |
CD-Rドライブの低価格化で人気商品に、ATAPI化と高性能化も進む (CD-Rドライブの売れ行きが加速、12倍速書き込みの製品も登場) |
9位 (824票) |
CPUの高性能化進み、最高動作クロックが450MHzから750MHzへと300MHzアップ (1月のPentium III 450MHzから12月のAthlon 750MHzへ) |
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11位 (791票) |
3D対応ビデオカードの高性能化と低価格化が続き、T&Lサポートも (Voodoo3、RIVA TNT2、Savage4、Permdeia3、G400、GeForce 256など) |
12位 (629票) |
DVD-ROMドライブの低価格化で普及が本格化 (CD-ROMドライブからの移行進み、ソフトウェアDVDプレイヤーも普及) |
13位 (574票) |
オールアルミ製やスケルトンなどユニークなPCケースがブーム (オールアルミ製の高級ケースやスケルトンに人気、キャラクター似の製品も) |
14位 (470票) |
新CPUインターフェイスSocket 370が登場して普及 (PPGA版CeleronやFC-PGA版Pentium IIIが登場、SlotからSocketへ回帰) |
15位 (460票) |
USBインターフェイスが本格的に普及し、接続機器が多数製品化された (マウスやキーボードのほか、DVD-RAMやCD-RもUSB対応に) |
16位 (457票) |
SCSI対応機器が続々とUSBやIDE(ATAPI)へ移行、“SCSI離れ”進む (スキャナやCD-Rなどが続々と移行、SCSI HDDはショップでも在庫が急減) |
17位 (414票) |
マザーボードはオーバークロック用の設定や機能が目玉に (FSBの設定数が飛躍的に増え、CPUの供給電圧調整機能まで搭載) |
18位 (398票) |
IDE HDDでのRAIDがブームになり、対応カードが定番化した (FASTTRAK66の登場でIDE RAIDが大ブームに、IDE RAID対応マザーも出る) |
19位 (384票) |
生産終了説を覆してCeleron 300A MHzのロングラン販売、人気も変わらず ('98年8月登場以来、不動の人気CPUとして販売継続中) |
20位 (365票) |
Socket 7対応CPUの勢力衰え、IDTは撤退しCyrixとRiseのCPUは減少 (低価格なCeleronに押されるかたちで衰退、マザーボードも激減) |
21位 (326票) |
PCパーツ系ショップの勢力がますます拡大 (不況といわれながらもパーツ系ショップは増加の一途) |
22位 (315票) |
アニメ・ゲーム系ショップの勢力さらに拡大、中央通りにも進出 (ショップ数が増えて中央通りにも進出、LAOXも新規に出店) |
23位 (303票) |
MPEG2対応の動画再生や動画キャプチャ製品に人気 (ATI ALL-IN-WONDER 128やVoodoo3 3500TV、ソフトウェアDVDプレイヤーなど) |
24位 (254票) |
秋葉原の中心地にパチンコ店とマクドナルドが進出 (パチンコ店のP-Festaとマクドナルドが開店して定着) |
25位 (214票) |
ビデオカードはAGP対応が中心となり、PCIバス対応版がほぼ姿を消す (今ではPCI対応のビデオカードを探すのが困難な状況に) |
26位 (193票) |
IEEE-1394インターフェイスの普及始まる、カードは急速に低価格化 (IEEE-1394オンボードのマザーも登場、カードは1万円前後に) |
27位 (192票) |
「おでん缶」の人気沸騰し、季節商品から定番商品化へ (TV番組での紹介でブームに、年末には「みそ汁缶」も登場) |
28位 (161票) |
マニア向けのCPU冷却システムが低価格化して一般に普及 (低価格の銅製ヒートシンクや、台湾製の水冷クーラーなど) |
29位 (105票) |
CPUのラインナップがさらに拡充、販売されるCPUのモデル数が大幅増 (IntelとAMDはラインナップをさらに拡充、Riseの新規参入もあって過去最多) |
30位 (18票) |
付加機能でマザーボードの差別化を図る傾向に (POSTコード表示機能付きやIDE RAIDコントローラー内蔵、色付きなど) |
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