【 1999年12月25日号 】

■編集後記:'99年を振り返って
来年は1月8日(土)から更新を開始します


FinePix1700Z

【記者名】 石橋 文健
【担 当】 記事
【使用機器】 富士フイルム FinePix1700Z(デジカメ)
富士フイルム FinePix2700(デジカメ)
HP Jornada 680(PDA)

 今年のアキバもとにかくニュースが多かった。ネタに困るどころか、凄まじい量のニュースと情報に毎週振り回され、いつもまとめるのに苦労させられた。'98年の編集後記でも、拾ったニュースより捨てたニュースの方が多いのではないかと書いたけれども、今年は一層その感が強い。それだけいろいろな製品の登場や、動きがあったということなのだろう。

 アキバではPCパーツを扱うショップが今年も大きく増え、大型家電店でもCPUやマザーボードを扱い始めるなど、自作PCの市場がさらに拡大したかのように見える。しかし、果たして実態はどうなのだろう。PCパーツはどれも低価格化して、今や、OSやディスプレイを除けば、全て1万円台の価格で性能充分なパーツが揃ってしまう。最新の製品が出たとしても、すぐに価格が下がる。もちろん安いことは有難いことではあるのだが、もはやここまでくると消耗品や実用品にしか過ぎず、PCの自作が好きだという人たちにとっては、何かが物足りなくなっている。

 このAKIBA PC Hotline!も、「価格」を追うのではなく、アキバで魅力的な「モノ」を追いかけるというのが基本テーマ。その意味では最近の状況はちょっとつまらなくなっている。では価格が高ければいいのかというと、単純にそういうわけでもなく、やはり新しいモノ好きの自作PCユーザーとしては、技術的な点や入手性などいろんな意味で「登る山は高い」ほうがいい。では、そう考えるコアな人達は今どうしているのかというと、オーバークロックのためにCPUを研磨したり、特別な装置をつけて電圧をいじったり、特殊なCPUクーラーをとりつけたり、CPUのカバーを外して中をいじったり、一般的な視点から見ると、かなり尖鋭化した世界に入り始めている。最近のアキバも、こうした関連のパーツやサービスが目立って増えてきている。はたして、これは「発展」なのだろうか、それとも先細りを象徴するものなのだろうか…。年末近くに一度取り上げているが、科学的根拠があるのかないのかよくわからないモノが感性評価によって人気を呼ぶなど、もはやいろんな意味でオーディオの世界へ踏み込みはじめているという気がしてならない。だから最近は製品紹介の仕方もなかなか難しくなっている。

 今でこそPCパーツ系ショップ全盛のこのアキバも、2年後には一体どうなっているのだろうか、そういつも考えながら電脳街を歩いた。そんな1年だった気がする。もちろん、答えなど出るはずもなく、また新しい年のアキバを眺めに行くのを待つだけなのだが。

P.S.
 ところで、'99年も「更新が遅い」とのお叱りを多数いただきました。ご期待に添えず申し訳ありません。というわけで、協力してくれる人材を現在募集中です。我こそは!という人はこちらへ。


COOLPIX950

【記者名】 鈴木 光太郎
【担 当】 新製品、お買い得情報
【使用機器】 ニコン COOLPIX950(デジカメ)
シャープ コミュニケーションパル(PDA)

 「今週見つけた新製品」と「その他のお買い得情報」担当の鈴木です。

 いつも更新が遅いとお叱りを頂いているこれら2つのコンテンツですが、遅いにはそれなりの理由があるのです。
 今回はこの場でちょっとその理由を解説させてください・・・・・

 ・・・・と、書き始めはしたものの、ついには6KBの長編になってしまったので、別ファイルで掲載することにしました。興味のある方はこちらをご覧ください。


 と、まぁ、なんだかんだ言っても、ショップが増えて新製品も増え、それでも増えない部署の人員ってのが、更新時間遅延問題のメインだったりするわけですが、人を増やすとお金もかかるし、横の連絡時間を増やさざるを得ないわけで・・・・・なかなか難しい問題です。

 ちなみに、その緻密な実験式(?)により算出された「私の担当部分の作業時間」は最短16時間46分+睡眠時間、最長23時間26分+睡眠時間となる模様。取材開始は土曜日の昼12時なので、最短更新時刻は日曜朝4時46分、最長更新時刻は日曜11時26分+睡眠時間となるようです・・・・・。若干実態と異なるような気もしないでもないですが、それにしても長いもんです。

 もっとも、既にいくつか解決策を検討中なので、来年早々にはもう少しマシになる・・・・・・予定です。
 ご期待ください。

 それでは来年1年が良い年となりますように。

P.S.そうそう、「更新日を1日繰り上げて欲しい」という要望もよく頂くのですが、困ったことに新製品の大半は土曜日に出るのです。あちらを立てればこちらが立たず・・・・


C-900ZOOM

【記者名】 青山 祐輔
【担 当】 メモリ/CPU/HDD相場チェック
【使用機器】 オリンパス C-900ZOOM(デジカメ)
NEC MobileGear(PDA)

 AKIBA PC Hotline!担当になって3度目の編集後記。毎回、同じネタでは芸がないと言われそうだが、2度あることは3度あるとも、石の上にも3年とも(?) 言うので、今年もまずは買った物リストから。

 CPUはAMD Athlon 500MHzAMD K6-III/450。マザーボードは1枚だけでMSI MS-6167のみ。ドライブ関係ではプレクスター PX-R820Tパイオニア DVD-A03A。HDDがMaxtor DiamondMax 6800 92040U6IBM Ultrastar DNES309710LVDで、合計29GB。PC100 SDRAM 128MB×1。ビデオカードはMatrox Millennium G400 SH16MBと、それを壊したために同じくMAXも購入。サウンドカードはminton SP402D。その他、細かいところでマイクロソフト IntelliMouse explorer熱研 STTEN No.1、イーサカードやアクセサリやらがゴチャゴチャとある。

 並べてみると結構な量だが、実はこれでも数年前からするとだいぶ減っている。なにしろ、例年ならゆうにマシン3台分はあるはずが、今年はマシン2台分に満たないのだから。大きな理由としては、PDAや携帯電話などのモバイル系グッズに興味がわいて、IBM WorkpadJ-PHONE J-SH02を買ったりした事が大きいんじゃないかな? だからトータルでの支出は去年からまったく減っていないし、ちょっと給料が増えた分だけ、出ていく分も増えているのが実状。懐具合も苦しい事この上ない。

 苦しいと言えば、現在のAKIBA PC Hotline!の体制もそろそろ限界だ。一向に増えないスタッフの数もそうなんだけど、増加の一途をたどるショップの数にも頭が痛い。これも毎年言っているが、とにかくパーツショップが増え続け、土曜日の取材が困難になってきているのだ。正午に取材を開始して、約50店を廻り終えるのが午後8時半。単純計算だと1店当たりに懸けられる時間は約10分になるけど、大抵のパーツショップは6時30分~7時で閉まってしまうので、移動時間なども考慮すると実質的には5分前後だ。IDE HDD最安値情報を初めてからは、個々のショップの店員の方々に色々とお話を伺う事すらままならなくなってしまった。かといって、最安値情報と銘打ってやっている以上、CPUやメモリ等の価格を調査するショップは、そう簡単に減らすことが出来ない。この辺りのジレンマには、常に悩ませ続けられている。

 これ以外にも問題は尽きない。ちょっと次元が異なるが、最近言われるPCの時代の終焉もそうだ。個人的には各種メディアを同時に扱える総合的な編集環境としてのPCは残ると思っているが、今後の各メーカーの動向を見ていると、AKIBA PC Hotline!の対象であるDIY市場が、現在の活況をいつまでも維持するとは思えない。けれども、その時にまた秋葉原がどんな街になっているかが、また一つの楽しみではあるのだが。すでに「パソコンの街」から「アニメ・ゲームの街」への移行は進んでいるしね。

 最後になったが、昨年の編集後記で書いていた今年の目標は、実のところ達成など出来そうもないことに気が付いた。なぜなら自分の興味の幅が広がるほど、それに答えるだけの魅力が途絶えることなく秋葉原には出てくるからだ。そんな懐の広い街を、余すことなく言葉にしようなど到底おこがましい。

 とは言っても読者の方々の中には、AKIBA PC Hotline!だけが秋葉原との接点だ、という方もいらっしゃるのだから、泣き言ばかりは言ってられない。来年こそは、この街の魅力をもう少しでも多く皆さんに伝えられることを願って。


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