ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

SHARPのクリーンコンピュータ「MZ」シリーズ 後期モデルと、1980年代前半のソフトハウス編

~永久保存版 80年代マイコン大百科~

永久保存版 80年代マイコン大百科

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編からSHARP「MZシリーズ Part2」編と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から1980年代前半の「その他のソフトハウス」。

 なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。


- 懐かしのマイコンたち!! -SHARP「MZシリーズ Part2」- -


 MZ-700シリーズの後継機種として発売されたMZ-1500は、当時のファミコンディスクシステムでも使われていたQD(クイックディスク)を採用。通常のフロッピーディスクのようにランダムアクセスはできなかったが、それでもテープからのロードと比べると非常に早く、テープユーザから羨望のまなざしで見られたとか。

MZ-1500は、MZ-700シリーズの仕様を踏襲しつつグラフィックスやサウンドなどを強化した後継機種。フロッピーディスクがまだ高かった時代を反映し、コストが安く済むクイックディスクを搭載したのが特徴だ。

 MZ-2500シリーズは、そのパワフルな仕様を活かして有名タイトルが移植されているが、特に『ゼビウス』は、カラーパレットボード(標準価格14,500円)を搭載すれば4096色モードで起動することができ、アーケード版と遜色ない画面でプレイできた。

MZ-2200はMZ-2000の上位互換機種だが、データレコーダとモニタが一体化されていた形状から本体のみを分離。ディスプレイや補助記憶装置を選ぶことができた。
MZ-2500はMZ-2000/MZ-80Bとの互換性を持つ機種で、『Oh! MZ』(日本ソフトバンク)誌上では「火の鳥」の愛称で呼ばれた。データレコーダと3.5インチFDDを1基または2基搭載したフォルムや仕様は、まさに「SuperMZ」。

 一時代を築いたMZシリーズだが、この頃になると御三家パソコンであるPC-8800シリーズ、X1シリーズ、FM-7シリーズが市場を席巻していたこともあり、静かに姿を消していった。しかし近年、MZ-700シリーズのハードの限界を超えたプログラムが作られるなど、21世紀に入ってもコミュニティは活発である。

MZ-3500は、1982年に発売されたビジネス向けモデル。まだまだFDDが高価な時代だったこともあり、2ドライブ搭載モデルが標準価格410,000円だった。また、2台のディスプレイを接続することも可能。同じ広告に掲載されているMZ-1200は、海外仕様MZ-80Aの国内モデル。
MZ-5500もビジネス向けモデルで、MZ-3500の後継機種。シャープの広告は、機種とスペックを前面に出すものが多い中、この機種は俳優の宍戸錠氏を起用したバージョンがあった。もちろん、ハードのみの広告も存在する。

- - ボクたちを虜にしたソフトハウス編 -その他のソフトハウス-


ボンドソフト

 「タイム」シリーズを生み出し、一躍有名になったソフトハウス。第一弾『タイムシークレット』、第二弾『タイムシークレット2 タイムトンネル』が発売され、特に『タイムトンネル』では、“信号が青に変わらない”に悩まされた人も多かったようだ(笑)。シリーズ第三弾も予定されていたが、残念ながら登場せず……。

 MZ-80Kシリーズ用に『不思議の森のアドベンチャー』を発売していたほか、ロリータ3部作と称した美少女ゲームもラインアップにあった。

デービーソフト

 アクションパズル『FLAPPY』や、合体変形するロボットアクションシューティング『VOLGUARD』、ほのぼのとした雰囲気が漂うアクションアドベンチャー『うっでいぽこ』などが代表作。『dB-BASIC』『dBコンパイラ』などのソフトも販売していた。

マジカルズゥ

 “Appleっぽい” 画面作りをしたアドベンチャーゲームで有名に。『黄金の墓』『続・黄金の墓』『ピラミッドの謎』『ムー大陸の謎』などの謎ものを得意としたほか、『パソコンアニメーター』というグラフィックツールも開発していた。

コンプティーク

 もとはアメリカ製ソフトの輸入会社で、角川書店と提携して雑誌『コンプティーク』を創刊した。そのため、初期の『コンプティーク』には、こちらのロゴも表紙に載っている。発売されていたゲームは『A.E.』や『MINER 2049er』などのほか、各機種に移植されヒットした『バルダーダッシュ』がある。

キャリーラボ

 アーケードゲームの移植再現性が高く、評判が良かったソフトハウス。「フロントライン」「ちゃっくんぽっぷ」や、モニタを縦にしてプレイするPC-9801版「ギャプラス」などがあった。オリジナルソフトは、「大脱走」「JELDA」「飛車」「F2 グランプリ」など。

アスキー

 “セクシーな人工知能とのリアルな対話が楽しめる” という触れ込みで登場した『EMMY』が有名。PC-8001という表示能力が限られた機種でも、非常に艶めかしいグラフィックを描き出していた。『ボコスカウォーズ』などのコミカルなタイトル以外にも、表示された美少女の絵柄の間違いを探すゲーム『ブリーズ』、『EMMY』の続編『EMMYII』などもある。

テクノポリスソフト

 アニメを題材にしたゲームを発売していた徳間書店のゲームソフト事業部。アクションゲームの『ナウシカ危機一髪』、マニアレベルの知識がないとクリアできない『ななこSOS』、15パズル『MISS MACROSS』などを80年代前半に発売。とはいえ、なかには『ロットロット』のように、アーケードゲーム化されたアクションゲームもあった。

 80年代後半は『まじゃべんちゃー ねぎ麻雀』『お嬢様くらぶ』などの美少女ゲームが大多数を占めている。

ラポート

 “本格派ロールベンチャー”と題して発売していた、ナレーション付きアドベンチャーゲーム「機動戦士ガンダム」シリーズが、あまりにも有名。知名度は高くないが、当時としては珍しいカラーフロッピーディスクなども取り扱っていた。

ボーステック

 『レリクス』で、あらゆる意味で有名になったソフトハウスだが、ソフトは古くから発売しており、最初期のものには『トロップウェイ』『EGGY』『妖怪探偵ちまちま』などがある。特に『妖怪探偵ちまちま』は、ボーステックが開催した第1回プログラムコンテストで最優秀を受賞した作品だ。

クリスタルソフト

 「夢幻の心臓」シリーズで、一躍有名に。1982年に発売された『COSMOCROSS』が大ヒットした後、テキストアドベンチャー『聖なる剣』、グラフィックアドベンチャー『名探偵登場』をリリースし、84年に『夢幻の心臓』を発売。以後はRPG路線へと舵をきる。

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