パワレポ連動企画

チョイ古PCでマイクラを遊ぶ! ~アップグレード実証3~

【パワレポ連動:チョイ古 自作PC再生計画(27)】

DOS/V POWER REPORT 2016年7月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年7月号」の第1特集「あなたのPCが生まれ変わる!3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! チョイ古 自作PC再生計画」を掲載する。

 第27回目では5年前のベアボーンPCでMineCraftを楽しめるようにアップグレードする方法を紹介。ロースペックマシンでも充分楽しめるMinecraftだが、視界を広げるととたんにPCへの負荷が高くなる。ここではビデオカードを追加し、どのくらい変わるのか検証する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年7月号は全国書店、ネット通販にて5月28日(土)に発売。第2特集はコストパフォーマンスに優れる大容量ディスクを用途別に解説する「容量単価×用途別が正解です 最新HDD購入案内」を掲載。そのほか、あなたのPCのメインメモリ、有効活用しませんか?「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! Windows 10時代のRAMディスク活用術」、持ち運びに便利な大容量で高速なフラッシュメモリ「ベンチで性能が丸分かり! 一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ」、スペースが許せば考えたい「ウルトラワイドもオーバー30型も PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、自作PCの組み立てやメンテナンスに関わる「?」を解決!「39のギモンにベストアンサー! PC自作Q&A事典2016」だ。


-チョイ古 自作PC再生計画-
チョイ古PCでマイクラを遊ぶ! ~アップグレード実証3~


チョイ古PCで マイクラを遊ぶ!

 一見チープなグラフィックスながらヘビーなPCプレーヤー多数のMinecraft。

 意外に重くなるこのタイトルを快適に楽しむアップグレードのポイントをご紹介する。

見た目にだまされるな! 処理の負荷はなかなか重い

軽め作業用のベアボーンPCがベース
5年前のShuttle「SH61R4」をベースとしたマシン。最近まで仕事の軽めの作業用マシンになっていたため、SSDだけは世代交代して比較的新しい。ネットやテキスト書き、よくばらない設定のMinecraftには十分だが、もっと快適にしてみたい

 ドットが目立つどことなく懐かしい雰囲気の人気ゲーム「Minecraft」。ゲーム機中心の子供からある程度立派なPCを使う大人まで、幅広い層に遊ばれている。

 いかにも軽そうなMinecraftだが、見た目に反してそれなりのPCスペックが求められる。Minecraftの世界はすべてがブロックで構成されており、一つ一つのブロックにはそれぞれ属性が決められている。標準設定では半径192ブロック分が表示されるように「視界」が設定されており、約1,600万個ものブロックの情報を処理する必要がある(実際は隠れたブロックの処理を省くなどの効率化も行なわれる)。Minecraftでは視界を広げることによって、遠くにある村や建造物を発見できたり、製作中の建物の全体を見渡したりできる。視界を広げれば格段に遊びやすくなるのだが、処理するブロック数が増えるため、フレームレートが低下する。

 そこで考えたいのがPCのアップグレードだ。Minecraftのパフォーマンス改善には、GPU性能の強化が非常に効果的だ。

グラフィックス設定しだいでは侮れない重さになる
標準設定の視界での画面。地平線の彼方まで大きな起伏がない、変化に乏しい平地のように見えているが……
(c)2009-2016 "Minecraft" is a trademark of Mojang Synergies AB
視界を広げると、遠くに巨大オブジェが見えるようになる。ただ、視界を広げるとパフォーマンスがどんどん低下していくのが難点
【チョイ古ベアボーンPCの主なスペック】
カテゴリー製品名
CPUIntel Core i5-3330(3GHz)
チップセットIntel H61
メモリCFD販売 CFD Panram W3U1333PS-4G(PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×2)
グラフィックス機能Intel HD Graphics 2500(Core i5-3330内蔵)
SSDSanDisk SSD PLUS SDSSDA-120G-J25C(Serial ATA 3.0、MLC、120GB)
電源250W

【軽量化して遊ぶことも可能】

 PC自体をアップグレードせずに、どうにかプレイの快適性をアップして遊びたいというなら、設定を変更してみよう。

 基本的な設定は「ビデオ設定」画面で行なうが、ここでの設定変更でもまだ足りない場合には、「Optfine」という詳細設定用MODを使おう。さらなる表示の簡素化、ブロック情報の処理の効率化など、より詳細な設定の変更が可能になる。軽量化以外にも、画質向上系機能を楽しむ際に広く使用する、必携MODの一つだ。

描画を簡素化して軽量化
Optfineで細部をさらに軽量チューン
標準機能では、ビデオ設定で設定を変更。グラフィックスを「処理優先」に、雲や影の表示をOFFにすればだいぶ軽くなる
詳細設定MOD「Optfine」を使うと、非表示部分の処理方法の変更をはじめ、より詳細な項目を調整できるようになる

ビデオカード追加で重いシェーダーもサクサク   オススメ度★★★

GeForce GTX 960クラスならグラフィックスの拡張も余裕
ビデオメモリ2GBの製品だが、Minecraftを快適に楽しむには十分な性能。小型サイズなので、今回のようなベアボーンPC環境にも向く

 4年前に発売されたCore i5-3330とCPU内蔵のIntel HD Graphics 2500という環境では、表示設定が標準のままだと30fps台がやっと。ここにGeForce GTX 960搭載カードを追加したところ、ベンチマークテストの数値は下のように大幅に伸びた。

 実効上は120fpsもあれば十分過ぎるのだが、これだけのパフォーマンスの余裕が確保できているのなら、次はグラフィックスの品質を上げてみよう。Minecraftでは、グラフィックスに陰影を付ける「シェーダー」を変更・強化することで、見た目がぐっと美しくなる。シェーダーは標準状態では変更することができないのだが、「Optfine」という設定調整用のMODを導入すれば、任意のシェーダーに変更可能になる。

 Minecraft用シェーダーはさまざまなものが公開されているが、もっともメジャーなのは「Sonic Ether's Unbelievable Shaders」、通称「SEUS」だ。GPUへの負荷が大きいことで知られており、内蔵グラフィックス環境で使用したところ、フレームレートはわずか1桁fpsと壊滅的。一方、GeForce GTX 960の環境であれば、80fps台で安定する。SEUSを利用するなら、GeForce GTX 960クラスのミドルレンジビデオカードの利用をオススメしたい。

陰影表現の強化で美しい画面に
シェーダーをSEUSに入れ換えることで見た目が大きく変化。構造の基本がブロックなのはもちろん変わらないが、とくに影の表現が豊かになることで、没入感が大きく高まる。最先端の3Dグラフィックスを用いた重量級ゲームとは一風異なる、独特の美しさだ
Minecraft(1,920×1,080ドット)

【プレイ動画の録画・配信にも役立つビデオカード】

無料配信ソフトを快適に使う
GPUのハードウェアエンコード支援機能に対応したOBSを使えば、ゲームに大きな影響を与えずに録画や配信が可能

 録画・配信も人気のMinecraft。Windows 10標準の録画機能、YouTube GamingやTwitchといったリアルタイムのゲーム配信サービスを利用するなら、ハードウェアエンコーダを利用するのがベターだが、ここでもGPUが役に立つ。「Open Broadcast Software」(OBS)など多くの配信ソフトは、NVIDIAのNVEncやIntelのQSVといったリアルタイムエンコード支援機能に対応し、ゲームへの負荷を極力抑えつつ録画や配信を行なうことが可能だ。

 NVEncにはKepler世代以降のGeForceが対応するが、ゲームのパフォーマンス向上もあわせて考えると、やはりMaxwell世代のミドルレンジ製品を用意したいところ。

【検証環境】

OS:Windows 10 Pro 64bit版
Minecraft:特定の地点で2分間停止後のフレームレートをゲーム内蔵機能で4回計測した平均値、「ビデオ設定」はすべてデフォルト

【問い合わせ先】

GIGA-BYTE TECHNOLOGY:050-3786-9585(CFD販売)/http://www.gigabyte.jp/


[Text by 外村克也]


DOS/V POWER REPORT 2016年7月号は5月28日(土)発売】

★第1特集「あなたのPCが生まれ変わる! 3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! 『チョイ古自作PC再生計画』」
★第2特集「容量単価×用途別が正解です 『最新HDD購入案内』」
★特別企画「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! 『Windows 10時代のRAMディスク活用術』」「ベンチで性能が丸分かり! 『一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ』」「ウルトラワイドもオーバー30型も 『PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ』」
★連載「最新自作計画 ~最新ケースで作るパワフル小型マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「39のギモンにベストアンサー! 『PC自作Q&A辞典2016』」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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