パワレポ連動企画

Skylakeが市場を制圧、CPUは上から下まで新世代に

【PCパーツサマーセレクション500(1)】

DOS/V POWER REPORT 2016年8月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年8月号」の総力特集「今買いたいモノ、目一杯集めました!PCパーツサマーセレクション500」を掲載する。

 Skylakeの登場以降、一旦落ち着いたかに見えた自作PCの市場が、今夏に向けてまた一段と盛り上がりを見せている。まずビデオカードの分野では、アーキテクチャの刷新で大幅に性能を向上させたNVIDIAのGeForce GTX 1080/1070搭載製品が続々登場。CPUは最大10コア/ 20スレッドをサポートするウルトラハイエンドモデル“Broadwell-E”(コードネーム)も登場し、この二つでPCパフォーマンスの上限を一気に持ち上げる形だ。時を同じくして、PCパフォーマンスが鍵となる一般向けのVRシステムも発売され、まさに今、PC環境を見直す好機が到来している。今回の総力特集では、そんな今だからこそ手に入れたい最新パーツを500製品以上集め、2016年夏の自作市場を総括する。

 まずは第1回で昨今のCPU事情について解説していこう。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年8月号は全国書店、ネット通販にて6月29日(水)に発売。特別企画は、ついに身近にやってきた仮想現実「何が楽しいの? 何が必要なの? 新世代VRが自宅にやってきた!!」、小型コンピュータを有効活用「マイクラウドストレージを極小ボードで作る! Raspberry PiでownCloud」、ネットで借りてポストに返す便利なサービス「夏休み前に改めて使い勝手を検証 オンラインDVDレンタルサービス」の三本を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も載っている。

 今号の特別付録は豪華二本立て。無料なのは7月29日まで!「Windows 10無償アップグレード駆け込みブック」と、最新ワードに対応した「最新パソコン 略語辞典2016」だ。


-PCパーツサマーセレクション500-
CPU編 ~Skylakeが市場を制圧~


上から下まで新世代に CPU編

 現在もっとも人気があるCPUは、IntelのSkylakeこと第6世代Coreプロセッサだ。昨年夏の登場時と比べると価格がこなれたこともあり、その地位は揺るぎないものとなっている。また、ウルトラハイエンドクラスはこの春に新世代が登場。こちらもあわせて力関係を把握しておきたい。

Skylakeが市場を制圧 置き換えが加速

 現在のCPU市場の中心に君臨するのが、開発コードネーム「Skylake」ことLGA1151対応の第6世代Coreプロセッサだ。この第6世代ではLGA1150対応の先代からマイクロアーキテクチャが改良されており、クロックあたり、コアあたりの性能が向上したほか、高負荷時の電力効率も改善されている。また、DDR4メモリを新たにサポートしたほか、システムバス帯の倍増などプラットフォーム全体にわたって進化している。

 2015年夏以来、ラインナップを拡大してきたが、最近は登場当初から比べると価格が下がって買いやすくなったこともあり、一気に置き換えが進んだ印象だ。

現行世代CPUの仕様比較表

主流はSkylakeに、充実したラインアップが揃う

Intel
Core i7-6700K

 Skylakeは、ハイエンドのCore i7、ミドルレンジのCore i5、Core i3、ローエンドのPentium、Celeronまで、幅広いラインナップが揃う。

 プロセッサー・ナンバー末尾のアルファベットは、「K」がOC対応の倍率アンロックモデル、「T」が低TDPの省電力モデル、「P」は内蔵GPUを簡略化したモデルであることを示す。

【Skylakeの主なラインナップ】
製品名コア/スレッド数動作周波数(Turbo Boost時最大)倍率ロックフリー内蔵GPU(EU数)TDP位置付け
Core i7-6700K4/84GHz(4.2GHz)HD Graphics 530(24基)91WOC対応高性能モデル
Core i7-67004/83.5GHz(4GHz)HD Graphics 530(24基)65W通常モデル
Core i7-6700T4/82.8GHz(3.6GHz)HD Graphics 530(24基)35W省電力モデル
Core i5-6600K4/43.5GHz(3.9GHz)HD Graphics 530(24基)91WOC対応高性能モデル
Core i5-66004/43.3GHz(3.9GHz)HD Graphics 530(24基)65W通常モデル
Core i5-6402P4/42.5GHz(3.1GHz)HD Graphics 510(12基)65W内蔵GPU簡略化版
Core i5-6600T4/42.8GHz(3.4GHz)HD Graphics 530(24基35W省電力モデル
Core i3-61002/43.7GHzHD Graphics 530(24基)51W通常モデル
Core i3-6098P2/43.6GHzHD Graphics 510(12基)54W内蔵GPU簡略化版
Core i3-6300T2/43.3GHzHD Graphics 530(24基)35W省電力モデル
Pentium G45202/23.6GHzHD Graphics 530(24基)51W通常モデル
Pentium G4500T2/23GHzHD Graphics 530(24基)35W省電力モデル
Celeron G39202/22.9GHzHD Graphics 510(12基)51W通常モデル

●対応マザーボードは選び放題

 Skylake対応マザーボードは数多く販売されている。これらに搭載されているチップセットは、オーバークロックやマルチGPU向けの機能を持つZ170、実用的な機能を一通り備えたH170、そこから拡張性を少し省いたB150、激安のH110など。そしてマザーボード自体は、5万円を超える豪華全部入りモデル、高耐久のOC向けモデル、RGB LEDで光るゲーミングモデル、さらに1万円以下の激安モデルまで、選び放題だ。

●Skylake効果でDDR4メモリも安くなった

 Skylake対応の多くのマザーがDDR4専用であるため、多くの場合メモリを同時に買うことになるが、Skylakeの登場直前からDDR4価格が急落。現在では前世代のDDR3-1600と同じか、少し安い。

 また、この間にメモリ価格は全体的に大きく下がっており、メモリへの投資に対する抵抗感はまったくない状況だ。

LGA2011-v3プラットフォームではBroadwell-Eが登場!

Intel
Core i7-6950X Extreme Edition

 LGA1151の上位に位置するウルトラハイエンドクラスのLGA2011-v3対応CPUにも新世代の「Broadwell-E」が登場した。最大コアが10コアに増えてマルチスレッド性能が大幅にアップ。Turbo BoostがTurbo Boost Max 3.0に強化され、シングルスレッドの性能改善が図られている。

 14nmプロセスルールの導入で電力効率も向上している。

【Broadwell-Eのラインナップ】
製品名コア/スレッド数動作周波数(Turbo Boost時最大)倍率ロックフリー内蔵GPU(EU数)TDPCPU内蔵PCI Express 3.0レーン数
Core i7-6950X Extreme Edition10/203GHz(4GHz)140W40レーン
Core i7-6900K8/163.2GHz(4GHz)140W40レーン
Core i7-6850K6/123.6GHz(4GHz)140W40レーン
Core i7-6800K6/123.4GHz(3.8GHz)140W28レーン

●DDR4-2400メモリに対応

 Broadwell-Eでは、DDR4-2400の4チャンネルアクセスに対応した。理論帯域は76.8GB/sで、Haswell-Eの約1.1倍、Skylakeの約2.2倍に相当する。

 Sandra 2016の測定値では、Haswell-Eから8.7%アップ、Skylakeからは129%アップのスコアをマークした。

●最上位は10コア20スレッド

 最上位のCore i7-6950X Extreme Editionは、10コア/20スレッドに対応。OSでは20の論理コアとして認識される。ズラリと並ぶデバイスマネージャーの表示は圧巻だ。

【Sandra 2016検証環境】

マザーボード:ASUSTeK X99-A II(Intel X99)ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:センチュリーマイクロ CK8GX4-D4U2400(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×4)、センチュリーマイクロ CK8GX4-D4U2133(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×4)、CFD販売CFD Panram W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×2)
ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GT970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)
SSD:Samsung 850 EVO MZ-75E250B/IT(Serial ATA 3.0、TLC、250GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版

主な現行CPUの性能を比較

 現行主要モデルと、2011年発売のベストセラーSandy BridgeことCore i7-2600の性能をベンチマークテストで比較した。

 CINEBENCH R15(CPU)ではLGA2011-v3のモデルが他を圧倒。とくにCore i7-6950X EEは5960X EEより35%もよい。一方、高負荷な処理が少ないPCMark 8(ビデオカード時)では、シングルスレッド性能に優れるCore i7-6700Kがもっともよい。3D Markによる内蔵GPU性能の比較では、A10-7890Kの優秀さが目立つ。これは、PCMark 8のビデオカード時に後塵を拝していたA10が内蔵GPU時にはCore i5を上回るスコアをマークしたことでも明らかだ。消費電力では、ビデオカード、内蔵GPU 環境とも、LGA1151対応モデルの優秀さが目立つ。とくにアイドル時を見ると旧世代から大きく進化していることが分かる。

【検証環境】

マザーボード:ASUSTeK X99-A II(Intel X99)、ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)、ASUSTeK MAXIMUS IV GENE-Z(Intel Z68)、ASUSTeK A88X-GAMER(AMD A88X)
メモリ:センチュリーマイクロ CK8GX4-D4U2400(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×4)、センチュリーマイクロ CK8GX4-D4U2133(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×4)、CFD販売 CFD Panram W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×2)、Corsair Vengeance LP CML16GX3M4X1600C8(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4 ※PC3-10600として2枚のみ使用)、Kingston KHX21C11T3FK8/64X(PC3-17000 DDR3 SDRAM 8GB×8 ※2枚のみ使用)
ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GT970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)
SSD:Samsung 850 EVO MZ-75E250B/IT(Serial ATA 3.0、TLC、250GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:CINEBENCH R15 CPU実行時の最大値、電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO


【問い合わせ先】

Intel:0120-868686(インテル)/http://www.intel.co.jp/


[Text by 鈴木雅暢]


DOS/V POWER REPORT 2016年8月号は6月29日(水)発売】

★第1特集「今買いたいモノ、目一杯集めました! 『PCパーツサマーセレクション500』」
★特別企画「何が楽しいの? 何が必要なの? 『新世代VRが自宅にやってきた!!』」「マイクラウドストレージを極小ボードで作る! 『Raspberry PiでownCloud』」「夏休み前に改めて使い勝手を検証 『オンラインDVDレンタルサービス』」
★連載「最新自作計画 ~アンダー5万で作る格安マシン 2016年夏版~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録1「Windows 10無償アップグレード駆け込みブック」、特別付録2「最新パソコン略語辞典 2016」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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