パワレポ連動企画

コストを抑えたゲームPCを目指す 「GeForce GTX 1060」とマッチするCPUは?

【パワレポ連動:真夏のCPU完全ガイド(11)】

DOS/V POWER REPORT 2016年9月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年9月号」の総力特集「CPU×90! メモリ×50!! CPUクーラー×100!!! マザー×200!!!! 関連パーツもフルコンプでお届け すべて見せます! 真夏のCPU完全ガイド」を掲載する。

 第11回目では、ミドルレンジGPUの新製品「GeForce GTX 1060」と、ミドルレンジ以下のCPUを組み合わせた場合の組み合わせを検証する。重量級のゲームを最高画質でプレイするのはちょっとキツいが、軽めのものやオンラインゲームであれば充分ゲームを楽しめる構成だ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年9月号は全国書店、ネット通販にて7月29日(金)に発売。特別企画はフルHDで遊ぶならこのクラス「ミドルレンジ戦線激化!Radeon RX 480&GeForce GTX 1060登場!!」、ただ風を送るだけじゃ無い!ドレスアップパーツとしても使える「サイズも形も色もいろいろ ケースファン・オールスターズ」、手の平におさまるハイレゾプレイヤーを作ろう「1万円チョイでこの高音質!Raspberry Piで作るハイレゾオーディオプレイヤー」を掲載。。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、「ケースに入るCPUクーラーの高さがすぐ分かる組み立て式チェッカー」。電子版の場合はデータをダウンロードしてプリンタで印刷しご利用ください。


-真夏のCPU完全ガイド-
予算抑えめ、GTX 1060とマッチするCPUは?


シーン別・最適CPUを探せ!!その1
ゲームに向いたCPUはどれだ!? ミドルレンジGPU

 ゲームの快適さはGPUの性能で大部分が決まるが、CPUの重要性も忘れてはならない。

 とくに最近はリアルさを出すためにCPUを酷使するゲームが増えてきた。重いゲームと中程度のゲームに最適なCPUを考えてみることにしよう。

予算抑えめ、GTX 1060とベストマッチは?

 前回では最速のGPUには最高のCPUで性能を引き出せという結論になったが、中程度の重さのゲームをミドルレンジGPUで快適に遊ぶ、という前提で検証してみよう。

 そこで今回はあえて「安めのCore i5」、「Core i3のミドル」、「1万円未満のPentium」で違いを検証する。価格を無視すればCore i7が性能面で有利なのは言うまでもないが「ミドルレンジGPU+あまり重くないゲーム」との相性を探りたい。

 組み合わせるGPUは登場したての「GeForce GTX 1060」を選択した。3万円台半ば~4万円とまだ割高な価格設定になっているが、ワットパフォーマンスの高さは魅力的。GTX 980~970相当のパワーがあるため、将来VRに興味が出てきても流用しやすい。

 今回用意した3種類のCPUなら、CPUのスペック面からCore i5-6500がもっとも優秀な結果を残すことは明白だが、Core i3やPentiumがどこまで食らい付いていけるかを見てみよう。

NVIDIA GeForce GTX 1060 Founders Edition
想定価格:35,000円前後※
 PascalアーキテクチャをベースにしたNVIDIAのミドルレンジGPUを搭載したビデオカード。性能はGTX 980~970並みなのに消費電力はGTX 960よりやや上程度。VRの描画負荷を下げる「同時マルチプロジェクション」やHDR液晶への出力にも対応
※NVIDIA GeForce GTX 1060 Founders Edition はNVIDIAの直販専用となっており日本では販売されていないため、各社のオリジナルクーラー搭載モデルの価格から想定した
組み合わせるCPU

重量級ゲームはやや荷が重い

ライズ・オブ・トゥームレイダー
Tomb Raider R Square Enix Ltd. Square Enix and the Square Enix logo are registered trademarks of Square Enix Holdings Co., Ltd. Lara Croft, Tomb Raider,Crystal Dynamics, the Crystal Dynamics logo, Eidos, and the Eidos logo are trademarks of Square Enix Ltd. All rights reserved.

 最初に、GTX 1060にミドルレンジ以下のCPUを載せたシステムで、重量級ゲームはどの程度動くのかを「ライズ・オブ・トゥームレイダー」で確認しておこう。下位CPUになるほどCPUの余裕がなくなっている。

 平均fpsだけ見ればどのCPUもプレイ可能だが、Core i3やPentiumでは最低fpsが極端に下がる。プレイして動きが悪くなるシーンがあるということだ。Core i7-6700K+GTX 1060だと最低fpsは50fps前後出るため、CPUの力不足がGPUの足を引っ張っている。

■ライズ・オブ・トゥームレイダー( 最高画質設定、DirectX 12、地熱谷、フルHD)

Core i5-6500
Core i3-6300
Pentium G4500

あまり重くない人気ゲームでは?

オーバーウォッチ
(c)2016 Blizzard Entertainment,Inc. All rights reserved. Overwatch and the Overwatch logo are trademarks and Blizzard Entertainment is a trademark or registered trademark of Blizzard Entertainment,Inc. in the U.S and/or other countries.

 爆発的な人気を誇る「オーバーウォッチ」は描画もさほど重くないため、ミドルレンジGPUに安めのCPUでも十分快適にプレイできそうだ。CPU占有率はバトルの状況により激しく変動するが、2コア2スレッドのPentiumでもある程度の余裕があった。画質が一番よい「EPIC」でも、最低fpsは60fpsを下回ることはなく快適。これならCPUのパワーが少々足りなくてもGPUの馬力で快適に遊べる。

 遊ぶゲームを限定することでCPUにかかる費用を節約できる一例と言える。

■オーバーウォッチ(画質“EPIC”、1,920×1,080ドット)

Core i5-6500
Core i3-6300
Pentium G4500

録画しながらプレイはどうか?

ゲーム画面録画には「OBS」を利用
録画条件はbitレート15,000bpsのMP4形式、エンコーダーには「x264」を指定。SSDに動画を録画しながらオーバーウォッチのfpsを計測している

 軽めのゲームならPentiumでも十分動くことが分かったが、ゲームのプレイ動画を高画質で撮影しながらではどうだろう?そこで「オーバーウォッチ」のプレイ動画を「OBS」でフルHD&60fpsの高bitレート(15,000bps)で録画してみた。

 どのCPUもCPU占有率はほぼ100%という過酷なテストとなったが、論理コア数やキャッシュ搭載量の少ないPentiumが大きくフレームレートを落とした。どの組み合わせでも高画質録画しながらのプレイは可能だが、プレイ中の余裕を重視するなら、Pentium以下は避けるべきだろう。

■オーバーウォッチ(画質“EPIC”、1,920×1,080ドット)

Core i5-6500
Core i3-6300
Pentium G4500

【結論:GTX 1060にオススメはコレ!】

最新ミドルレンジGPUと軽めのゲームで遊ぶなら、Core i3も決して悪くない。これで当座をしのぎ、後々i5やi7へ移行するという自作PCならではの強化手段も考慮に入れておこう

■Intel Core i3-6300
 軽めのゲームであればミドルレンジのパワーのあるGPUと安いCPUでも十分快適に遊べることが分かった。

 Core i5とGTX 960というバランス重視の組み合わせが手堅そうに見えるが、CPUの予算をビデオカードに回し、Core i3とGTX 1060を組み合わせることをオススメしたい。ゲーミングPCのCPUは高性能に越したことはないが、軽めのゲーム主体ならこうした組み合わせもアリだろう。

【検証環境】

マザーボード:GIGA-BYTE GA-Z170X-UD5(rev. 1.0)(Intel Z170)
メモリ:センチュリーマイクロ CK16GX4-D4U2400(PC4-19200 DDR4 SDRAM 16GB×4)
SSD:Intel SSD 730 SSDSC2BP480G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、480GB)
電源:Corsair RM550(550W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
ライズ・オブ・トゥームレイダー:プリセットの“最高”を選択後にアンチエイリアスを“FXAA”に設定し、内蔵ベンチマークモードを使いフレームレートを測定
オーバーウォッチ:マップ“King's Row”でBot対戦プレイ時におけるフレームレートを「Fraps」で計測


【問い合わせ先】

Intel:0120-868686(インテル)/http://www.intel.co.jp/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年9月号は7月29日(金)発売】

★総力特集「CPU×90! メモリ×50!! CPUクーラー×100!!! マザー×200!!!! 関連パーツもフルコンプでお届け すべて見せます! 『真夏のCPU完全ガイド』」
★特別企画「ミドルレンジ戦線激化! 『Radeon RX 480&GeForce GTX 1060登場!!』」「サイズも形も色もいろいろ 『ケースファン・オールスターズ』」「1万円チョイでこの高音質! 『Raspberry Piで作るハイレゾオーディオプレイヤー』」
★連載「最新自作計画 ~最小級ATXケースで作るパワフルゲーミングPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「ケースに入るCPUクーラーの高さがすぐ分かる組み立て式チェッカー」(雑誌のみ別途付録、電子版は印刷用データをホームページでダウンロード可能)
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