パワレポ連動企画

小型PC向けパーツの選び方 〜ストレージ+ビデオカード+電源編〜

[小型PC徹底紹介(11)]

DOS/V POWER REPORT 6月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新6月号の特集記事、「小型PCの正解はどっち? Mini-ITX vs microATX」をまるごと掲載する当企画の11回目は、小型PC向けのストレージ、ビデオカード、電源を紹介。

 最近のストレージ/ビデオカード/電源の特徴や、DOS/V POWER REPORTオススメの製品を掲載する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 6月号は現在発売中。40ページにもわたる今特集に加え、「Windows XPからの正しい引っ越し手順」の特集などが組まれているほか、Windows 8.1対応ストアアプリ対応辞典が特別付録小冊子として用意されている。


- DOS/V POWER REPORT 2014年6月号 Special Edition -


ストレージはケチらず大容量を
−ストレージ編−

 小型ケースでは拡張性が大きく制限される。とくにMini-ITXケースではドライブベイを2基程度しか備えていないものもめずらしくなく、ストレージの容量の選択を間違えると、後でドライブ自体を置き換えるハメになりかねない。最初から適切な容量を確保しておくのが賢明だ。

気軽に増設しにくい小型PC特有の事情

 小型PCでのストレージ選択の鉄則は、ズバリ“一度組んだら増設を考えない”ことだ。とくにMini-ITXケースでは、ドライブの追加によって新たな配線が生じ、あれこれパーツを外す必要が出てくる場合もある。microATXでも小型のものほど増設難度は高くなる。

 こうした事情があるため、SSDでもHDDでも最初から大容量のものを載せてしまうのが望ましい。SSDであれば240GB以上、HDDなら2〜3TBのものを載せれば数年は不自由しないだろう。もし予算が許すなら、最近3万円台のものが増えつつある500GBクラスの大容量SSDを使うのが理想的だ。

 また、徐々に普及つつあるmSATA SSDは小型PCにおける究極の選択肢だ。電源ケーブルすら必要なくなるため、プラグイン式電源ユニットと併用すると、配線が格段に楽かつ美しくなる。ただし、mSATAスロットを備えるマザーは多くないので、結果的に割高になる可能性も考慮しよう。

OSを入れるSSDは240〜500GBは欲しい
HDDは2〜3TBがお買い得、低回転モデルのほうが若干省電力で低発熱
SSDは容量240〜500GBクラスの定番モデルを狙おう。とくにゲーム目的なら、最近は一つのタイトルで20GB以上はザラにあるため、予算の許す限り大容量のものを選んでおきたい
容量単価のバランスは3.5インチの2〜3TBモデルが良好。7,200rpmモデルは発熱や騒音が大きいので、5,400rpmに。2.5インチHDDは小容量で割高だが、消費電力が少ない点は評価できる

【DOS/V POWER REPORT オススメストレージ】

【Micron Crucial M550 CT256M550SSD1】実売価格:18,500円前後
前世代の「M500」シリーズよりも容量が少し増加したほか、新技術「RAIN」の採用によりメモリセルをRAID的に運用し、速度向上やデータの破損を抑えることに成功。最高速度よりも安心感を大事にしたい人にお勧めしたい。
【Western Digital WD Green WD30EZR】実売価格:11,000円前後
同社のGreenシリーズと言えば大容量HDDの代表的存在。容量単価的に今一つの4TBモデルよりも3TBモデルのほうがお買い得。7,200rpmのモデルに比べると低速だが発熱量が少ないのでデータ保存用にはうってつけだ。

【単純な容量増設ならNASの活用もアリ】

大容量HDDをNASキットに入れれば、小型PCにおけるさまざまな問題を解決できる。最近のものはメディアサーバー機能も付いているため、画像や動画をタブレット端末などと共有しやすい

今も基本は短めビデオカード
−ビデオカード 編−

 小ささ重視の構成でもグラフィックス性能を犠牲にしない、それを可能にするのがイマドキの小型PC自作。大型ビデオカード対応のMini-ITXケースがかなり増えているが、ここでは小型ケースにも入れやすいビデオカード選びのコツを紹介する。

小型で取り回しやすいビデオカードを探そう

 microATXとMini-ITXケースではビデオカード選びの戦略がまったく違う。多くの最新microATXケースの場合、熱がこもる心配がほとんどなく、電源ユニットもビデオカードの性能に合わせて柔軟に対応できる。予算と性能のバランスを取るだけでよい。

 しかし、Mini-ITXケースの場合は、そもそも拡張スロットがあるか、その搭載スペースは十分か、そしてPCケースの冷却力や使いたい電源ユニットの出力で足りるかを調べなければならない。

 最近のMini-ITXケースは大型ビデオカードへの対応が進んでいるため、長さは問題になりにくい。しかし実際に組み込むと、各種電源ケーブルの取り回しに苦労することが多く、同じ性能ならよりコンパクトな製品のほうが使いやすかったりする。そのため、右上に挙げているような特徴のビデオカードを狙えば、小型ケースでも組み立てがしやすい。

【小型マシンに適したビデオカードの特徴】

その1.Mini-ITXマザーとほぼ同寸のショートタイプ
その2.Low Profile版カードは薄型ケースで活躍
その3.小出力電源でも使いやすい補助電源不要カード
写真のASUSTeK「GTX760-DCMOC-2GD5」のようにパワーのあるGPUを搭載しながら、全長170m m前後に抑えた製品もある。価格は高めだがゲーミングPCに最適だ
ブック型のように拡張カードの幅が制限される場合はLowProfile版が役立つ。しかし搭載GPUの性能が低めで選択肢も限られるため、ゲーム用には不向きである
一部のGTX 750Ti搭載カードのように、高い描画性能を備えながら補助電源不要の製品がある。ケーブルの取り回しがぐっと楽になるし、小型ケースとの相性はバッチリだ

【DOS/V POWER REPORT オススメビデオカード】

【ZOTAC GeForce GTX 750 Ti】実売価格:17,000円前後
省電力動作なのに最新ゲームもそこそこ動作する「GeForce GTX 750 Ti」を採用。基板全長がMini-ITXマザーよりも短い14.5cmなのに加え、補助電源なしでも動作するため、300Wクラスの小出力電源でも問題なく動作する。
【ASUSTeK GTX770-DC2OC-2GD5】実売価格:40,000円前後
microATXや大型ビデオカードも入るMini-ITXケースではアッパーミドルやハイエンドクラスの製品の搭載も可能。ただし、熱問題を意識して、耐久性や冷却力に余裕のあるものを選びたい。その点でASUSTeK製品は定評がある。

【小型マシンでは制約の多いビデオカード選び】

ATXやmicroATXケースではあまり考える必要のない要素が、小型PC自作では重要。とくに冷却力(搭載ファンの口径や数など)と必要な電源出力は事前に調査しておきたいところだ

電源は“プラグイン&高効率”で!
−電源編−

 SFXのような超小型で特殊形状の電源ユニットを使うPCケースよりも、一般的なATX電源を使う小型ケースのほうが電源選びは難しい。選択肢が多過ぎる上に、普通のタワー型ATXケースでは考える必要のない要素が小型ケースでは障害として現われてくるからだ。

しっかり調べて選ばないと組み立て時に困る

 microATXケースなら、電源ユニットの選択であまり悩むことはない。予算と必要な出力(ミドルレンジのビデオカード1枚なら600Wで十分)を考えつつ、電力の変換効率が高い“80PLUS Gold”や“80PLUS Platinum”といった電源を選べばよい。

 しかし、Mini-ITXケースの場合は、電源ユニットの出力に加え、サイズも検討する必要がある。ATX電源の奥行きは短いもので10cm、長いものは20cmと幅があるが、出力が大きいものほど長くなる傾向にある。まずはPCケースがその電源ユニットを収容できるのかを確認しなければならない。

 さらにMini-ITXケースの場合は余ったケーブルの処理が非常に難しい。ケーブルの削減ができるプラグイン式を選んだり、電源ケーブルが短めの製品を選んだりする配慮も必要。とくにムダにSerial ATA電源ケーブルが長かったり、1本に多数のコネクタがぶら下がっているものはケース内の気流を妨げたり、ファンの動きを阻害する原因に。出力は中程度でシンプルな仕様の製品がベターだ。

小型ケースには……プラグイン式で奥行きが短いものがよい
大型電源は小型ケースと相性が悪い。組み込みやすさを重視するなら奥行きは14cm以下が理想。よぶんな電源ケーブルを外せるプラグイン式なら言うことなしだ
小型ケースには……80PLUS Gold以上の高効率電源が理想
電源ユニットは交流100Vを直流に変換して供給するパーツ。この変換効率の高低を知る指標が「80PLUS」認証だ。現在定番の「Gold」と、最上位の「Platinum」電源は負荷時の変換効率が高く、結果として消費電力が抑えられる。安価なBronzeやSilver電源と比べると発熱も小さいので、小型PCなら積極的に使っていきたい

【DOS/V POWER REPORT オススメ電源】

【サイズ 剛力短2 プラグイン 500W】実売価格:6,500円前後
出力500Wの80PLUS Bronze電源なので、使えるパーツはミドルレンジクラスのビデオカードが限界。しかし、奥行き12.3cmと非常に短い上に、プラグイン式という小型ケース自作にうってつけの要素を備える。
【玄人志向 KRPW-PT700W/92+ REV2.0】実売価格:14,000円前後
奥行き14cmで出力大きめの700W、その上80PLUS Platinum認証済みの贅沢な仕様。高性能ビデオカードの2枚挿しにも対応できるケーブル構成が魅力だが、個々のケーブルは長めなのでmicroATXでの自作に向いている。

【ビデオカードの必要電力に注意】

NVIDIAの公式サイトでは、GPUごとに最低限必要な電力量を記載している(画像はGeForce GTX 750 Tiのもの)。基本はこれにもう少し余裕を持たせて100〜200W上の電源を選ぶ

[Text by 加藤勝明]



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(AKIBA PC Hotline!編集部)