パワレポ連動企画

小型PC向けパーツの選び方 ~CPU+CPUクーラー編~

[小型PC徹底紹介(10)]

DOS/V POWER REPORT 6月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新6月号の特集記事、「小型PCの正解はどっち? Mini-ITX vs microATX」をまるごと掲載する当企画の10回目は、小型PC向けのCPUとCPUクーラーを紹介。

 最近のCPU/CPUクーラーの特徴や、DOS/V POWER REPORTオススメの製品を掲載する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 6月号は現在発売中。40ページにもわたる今特集に加え、「Windows XPからの正しい引っ越し手順」の特集などが組まれているほか、Windows 8.1対応ストアアプリ対応辞典が特別付録小冊子として用意されている。


- DOS/V POWER REPORT 2014年6月号 Special Edition -


ケースは小型でもCPUはフルスペック!
-CPU編-

 PCシステムの中心であり、性能の大部分を左右するCPU。どんなCPUを選ぶかでPCシステムの性格は大きく変わる。小型PCシステムならではの要素はあるのだろうか。

TDPがポイントだが事実上制限はない

 小型PC向けCPU選びのポイントはTDP(熱設計電力)が目安。たとえば「TDP 65W」のCPUを使うならば、65W相当の熱量を放熱できる条件(PCケース、CPUクーラーの能力)が揃っている必要がある。PCケースは小型になればなるほど放熱が難しくなる傾向がある。一方、TDPが低いCPUほど発熱が小さい。そのため、極端に小さなブックタイプケースを使いたいなど、CPUよりケース選びを優先したい事情があるならば、ケースやそれに搭載可能なCPUクーラーの対応TDPを確認し、そのTDPを上限としてCPUを選ぶのがよいだろう。

 もっとも、最近のCPUは全体に省電力化が進んでおり、TDPも130Wクラスが主力だった頃から大幅に低下。ハイエンドのCore i7-4770KでもTDP 84Wだ。同時に冷却性能に優れた小型ケースのバリエーションも増えており、TDP 84W程度であれば、ほぼどの小型ケースでも対応可能であり、CPU選びの制限はほとんどないと言ってよい。

高性能でも最新CPUは省電力
最新CPUは、最上位のCore i7-4770KでもTDP 84W。省電力のSモデルはTDP 65W、さらに省電力のTモデルはTDP 45Wとハイエンドでも省電力。実測でもそれを裏付ける消費電力となっている
最新小型ケースの冷却性能は高い
小型ケースの冷却性能も向上してきている。通気性やエアフロー経路、大型CPUクーラーの搭載を考慮した製品が豊富

【DOS/V POWER REPORT オススメCPU】

【Intel Core i7-4770K】実売価格:37,000円前後
性能だけでなく電力効率にも優れる第4世代Coreシリーズの最上位モデル。高い冷却性能を持つCPUクーラーや小型ケースと組み合わせれば、CPUのOC駆動でさらなる高性能を狙うことも可能だ。
【Intel Core i3-4130】実売価格:13,000円前後
コストパフォーマンスに優れ、TDPも54Wと低いためブックタイプなど超小型サブマシンに最適。Core i7やCore i5ほど高性能ではないが、実用性は十分で、どんな用途でもソツなくこなす能力を備えている。

【SモデルやTモデルならさらに省エネに】

CPUは、TDPが低いほうが放熱しやすいのは間違いない。省エネや静音を突き詰めるなら末尾に「S」や「T」が付いた低TDPの省電力モデルがお勧めだ

性能を求めると難しいCPUクーラー選び
-CPUクーラー編-

 広い内部スペースをもつMini-ITXケースが増えたことから小型PC自作におけるCPUクーラーの選択の自由度は高まった。しかし、マザーボードのレイアウトが問題になることもある。

Mini-ITXでの選択肢が増加、マザーのレイアウトにも注意

 小型PC向けのCPUクーラー選びは、CPUのTDPのほか、PCケースやマザーボードとの物理的相性に気を付ける必要がある。TDPに関して気にするのは使用するCPUのTDPに対応しているかどうかのみであり、高性能CPUに冷却性能の低いCPUクーラー、という組み合わせでなければ問題にはならない。

 最近では、Mini-ITXでもサイドフロー型クーラーや簡易水冷クーラーの搭載を想定した拡張性の高いPCケースが増えており、CPUクーラー選択の自由度は格段に高まっているが、ケースに余裕があってもマザーボードが問題になることがある。とくに、CPUソケットとPCI Express x16スロットの距離が近いレイアウトのマザーボードには注意が必要だ。また、Mini-ITXではCPUソケットと基
板端までの距離が短いため、大型~超大型クラスのCPUクーラーは基板からはみ出してしまう。ケース内でのマザーボードの位置関係しだいだが、中型より上のクラスのCPUクーラーでは、電源やケースとの干渉が問題になる場合も多い。

変則レイアウトの製品はとくに注意
Mini-ITXマザーの場合、上の写真のようにCPUソケットとPCI Express x16スロットを近くに配置した変則レイアウトの製品も多い。この場合はとくに、大型のCPUクーラーを使うと拡張カードやメモリが干渉しやすいので注意。また、Mini-ITXはどうしてもソケットから基板端までの距離が短いため、大型クーラーは基板からはみ出すことがあり、ケース内でマザーがどの位置に固定されるかも配慮しなければならない場合がある
大型サイドフローOKの環境が増加
Mini-ITXケースにはCPUソケット上部の空間に余裕がない製品も多い。使えるCPUクーラーの高さ上限が記載されているかチェックしておこう。最近ではこの辺りを解消し、背の高いサイドフロークーラーを使える製品も登場している。

【DOS/V POWER REPORT オススメCPUクーラー】

【サイズ Shuriken リビジョンB】実売価格:2,500円前後
10cm角で12mm厚の薄型ファンを搭載したトップフローモデル。高さは64mmと低く、ヒートシンク形状も上下に二重構造で、干渉しにくい構造。低価格なのも魅力的。
【サイズ 阿修羅】実売価格:4,500円前後
14cm径の大口径ファンを装備するサイドフロータイプのCPUクーラー。静音性と冷却性能をハイレベルで両立できる。大型ファンを搭載できるわりには背が低めで干渉の心配が比較的少ない。コストパフォーマンスも大きな魅力だ。

【簡易水冷キットという選択肢も】

冷却性能と静音性の両立には簡易水冷クーラーも有効。大型のサイドフロー型より実質的な内部占有スペースは少なく、対応を明記するMini-ITXケースは少なくない


DOS/V POWER REPORT 6月号発売中】

★特集「小型PCの正解はどちらだ!? Mini-ITX vs microATX」はもちろん、サポートが終了したWindows XPからの正しい引っ越し手順など、多数の記事を掲載

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(AKIBA PC Hotline!編集部)