パワレポ連動企画
赤と黒のハイスペックMini-ITX機
【見せるぜ!俺のメインマシン(3)】
(2015/3/3 12:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年4月号」の第一特集「見せるぜ!俺のメインマシン」を掲載する。
今回はDOS/V POWER REPORT執筆陣が作成した「俺のメインマシン」二台目を紹介。Mini-ITXマザーボードを中心に小型PC向けパーツで構成した、省スペースながら3Dゲームも十分に楽しめるマシンだ。
小型PCケースはその小ささ故、通常サイズのATXケースと比べるとレイアウトが特殊なことが多い。開口部が小さく作業スペースが限られることも多いため、組み込む順番を間違えるとパーツ同士が干渉し合って組み上げられない場合もある。事前にどのパーツがどこに収まるのか確認した上で作業を行おう。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年4月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。特集記事は掲載した第一特集のほか、最近手が届く価格まで下がってきた4K対応製品や、高度な3Dゲーム対応製品など、ポストフルHDをにらむ液晶ディスプレイを解説した「新世代液晶ディスプレイ一斉テスト」や、5インチベイに光学ドライブ内蔵という考えはもう古いのか!?「外付け&スリムベイ内蔵光学ドライブ14」、ミドルレンジGPU期待の新製品を解説する 「ついに登場!! NVIDIA GeForce GTX 960」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は売れ筋から最新Titaniumモデルまで解説した「電源大図鑑37」。自作において、電源は絶対に軽視してはいけない。出力ワット数だけでなく、コネクタの数や寸法も要チェックだ。
- 見せるぜ!俺のメインマシン -
常用PCの最新型は一つじゃない!!
DOS/V POWER REPORT本誌執筆陣7名が競作(2)
赤と黒のハイスペックMini-ITX機
第二弾担当:鈴木雅暢
自作PCはテーマとビジュアルを大事にするが、実は好みのテーマは基本的になく、ナイスなパーツのスペックに左右される。要は作りたいから作るだけであり、やることもマシンに左右されるタイプ。
テーマは赤と黒のMini-ITXハイスペックマシン。以前から注目していたCorsairのGraphite 380Tを使ってみたかったことが一番の理由で、これの特徴であるハイパフォーマンス志向を活かす構成を考えた。また、パーツのカラーリングは極力赤で統一。黒ベースに赤というのはゲーミング向けパーツでは定番の配色だが、現在のパーツのバリエーションから見て、ハイパフォーマンス志向を崩さずにほかの配色で統一感を演出するのは難しくもあり、消去法的な面もある。
Mini-ITXだけに拡張性に制限があるが、パフォーマンス面は妥協なく、幅広い用途に対応できるマシンに仕上がった。
赤にこだわったパーツ選び
ビジュアル的に統一感がない自作PCは大嫌いなので、パーツのカラーはケースに合わせて赤にこだわり、動作中に光るLEDの色も赤色、あるいは消灯できるものを選んでいる。
赤はゲーミング向けパーツでは定番の色だけに、選択肢が少なかったのは水冷クーラーと電源くらいで、ほかはとくに苦労せずに見付かった。
ケースを赤で演出
このマシンのキモが、PCケースのCorsairの380Tだ。小型のMini-ITXフォームファクターを採用しながら、24cmラジエータの水冷クーラーや長さ29cmまでのビデオカードを搭載できるなど高い冷却拡張性を装備。さらに持ち運びしやすい取っ手を含めたデザインが実に個性的だ。
黒ベースのボディに、フロントファンが動作時に赤く光る演出がそれをより引き立てている。このデザインの魅力をさらに強調するため、パーツも赤で統一したが、ケース自体にも少し手を加えた。グレーの羽根で光らない標準の背面ファンを前面ファンと同一ブランドの赤色LEDで光る12cm角ファンに交換。これによって横から見てもケース内部が効果的に赤色で照らされるようになり、グッと統一感が高まった。
Mini-ITX最強マザーで高速M.2 SSDを使う
マザーボードは、ASUSTeKのMAXIMUS Ⅶ IMPACTを使う。8フェーズのVRMを搭載する高耐久設計が最大の魅力で、Core i7-4790Kを高負荷環境でゴリゴリ回しても不安がないのはもちろん、OC状態での長期運用も視野に入れられる。VRMのほか、サウンド機能、M.2スロットもライザーカードで実装する特殊な仕様だが、内部構造に余裕がある380Tを使っているので、これを選んだ。PCI Express 3.0 x4(32Gbps)転送に対応したフルスピードのM.2スロットを搭載している点も魅力だ。
当然、SSDはSamsungのXP941を使う。PCI Express 2.0だが、x4転送に対応しており、現時点で市場でゲットできる中では最速のM.2 SSDだ。基板色が赤か黒であればよかったが、ビデオカードで隠れてしまうので妥協してもよいだろう。
24cmラジエータ搭載の強力水冷ユニット
今回は、ハイパフォーマンス志向ということでCPUにCore i7-4790Kを選んでいるため、性能をしっかり発揮させるには冷却に気を使う必要がある。倍率ロックフリー仕様を活かしたOCも視野に入れるならば、できるだけ強力なクーラーを使いたいところだ。380Tの冷却拡張性を使い切る24cmラジエータの水冷クーラーを導入することにした。いくつかの候補の中から選んだのが、LEPAのAquaChanger 240だ。水冷ヘッドが白色に光るモデルが多い中、赤色に光ることが決め手となったが、実際に組んで見るとこのヘッドの雰囲気はかなりよい。
チューブが硬めで取り付け作業は楽々とはいかなかったが、取り付けてみれば内部はすっきりとスマートに仕上がった。
LGA1150最強CPU&旬のGPUを搭載
今回はハイパフォーマンス志向というテーマから、CPUはノータイムでCore i7-4790Kに決定した。最大4.4GHzで動作するLGA1150の最高性能モデルであり、定格でもほかのLGA1150対応CPUとは一線を画す優秀な性能を持つ。CPU倍率の上限ロックがない倍率ロックフリー仕様で、倍率変更によるOCも楽しめる。
ビデオカードも当然搭載する。こちらも今が旬のGeForce GTX 960搭載カードに即決した。GTX 980、GTX 970に次ぐ第2世代MaxwellアーキテクチャのミドルレンジGPUで、最新の3Dゲームも一通り快適に楽しめる性能があり、電力とコストのバランスにも優れている。GeForce GTX960搭載カードはたくさん種類があるが、GPUクーラーの配色がイメージにぴったりだったMSIのGTX 960 GAMING 2Gをチョイスした。
別掲のグラフには、ベンチマークテストのスコアを掲載したが、LGA1150最強のCPUと旬のGPU、そして超速PCI Express SSDを組み合わせているだけにパフォーマンスはきわめて優秀だ。メッシュカバーを多用したPCケースに24cmラジエータの水冷クーラーを搭載するだけに冷却性能も上々で、CPU、GPUとも余裕を持って冷却できていることが分かる。
鈴木雅暢が提案する活用&拡張プラン
オーバークロックで性能アップを狙う
定格運用のままでも十分高性能だが、高負荷時のCPU温度/ GPU温度を見るとまだまだ余裕がありそうだ。性能アップのために簡易的なオーバークロックをやってみた。CPUは4.6GHzに、GPUは1.241GHz(ブーストクロック1.304GHz)に、メモリもXMP設定をロードしてDDR3-2400動作にしている。
ベンチマークの効果は微増だが追加コストはゼロだけに、マニュアル設定を含めていろいろ試すとおもしろそうだ。
GeForce GTX 980でGPUも最強にする
もっとゲーム性能が欲しければ、ビデオカードを強化するのが一番だろう。というわけで、NVIDIAのハイエンドGPUであるGeForce GTX 980を搭載したMSI GTX 980 GAMING 4Gに換装してみた。GTX 960に比べるとカードの長さが27.9cmと少し長くなり、また電源コネクタが一つ増えることからスペースはタイトになるが、とくに問題なく入れられた。
バトルフィールド4のテストでは、さすがにハイエンドという結果だ。GTX 960だとグラフィックス設定が最高では少し微妙なところもあるが、GTX 980なら文句なし。新作もドンと来いという感じだ。やはりゲーム性能を最重視するならば、ビデオカードのグレードアップが効果的だ。
Fan Xpert 2を使うとグッと静音に
PCケースの380Tには、ファンの回転速度を3段階に調整できるファンコンが搭載されている。標準状態では前面ボタンで回転速度を切り換えるギミックを使うことを前提に考えていたのだが、正直言って「最低」レベルにしても静粛とは言い難い。というわけでファンをすべてマザーボードに接続し、ファンコントローラ「Fan Xpert 2」で制御すると驚くほど静かに運用できるようになった。LEPAの水冷クーラーのファンはPWM制御に対応しており、回転速度の幅も広い(500~2,300rpm)ため、3段階のコントローラでは最適に制御できなかったのだろう。アイドル時は無音に近く、高負荷時もほんの少し聞こえる程度と非常に静かで温度的にも問題ない。静音をテーマにしたPCとしても通用するくらいである。
2.5インチHDDでストレージ容量アップ
データストレージには512GBのM.2 SSDを搭載しているが、写真や動画を保存/管理する用途にも使うならば、容量が足りないだろう。ならば、データドライブを追加すればよい。このマシンでは赤色で統一することを優先して3.5インチベイを外しているため、残っている2基の2.5インチベイを利用する。
今回はHDDも赤にこだわり、NAS用HDD「WD Red」を二つ増設してみた。なお、データドライブは、記憶域プールで一つの仮想ドライブとして使うのもよいだろう。ソフトウェアRAIDの強化版のようなもので、2台だとRAID 0相当の「シンプル」かRAID 1相当の「双方向ミラー」が利用できる。当初から2台分のファイルを保存したい場合を除けば、「双方向ミラー」がお勧めだ。
【共通ベンチマーク条件】
OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.1 POWER SUPPLYを10分間実行中の最大値、電力計:Electric Educatinal Devices Watts Up? PRO
【使用パーツ問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/ http://www.asus.com/jp/
G.Skill International:03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.gskill.com/
Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/ http://jp.msi.com/
Samsung Electronics:info@itgm.co.jp(ITGマーケティング)/ http://japan.samsung.com/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.corsair.com/
Antec:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.antec.com/
LEPA TECHNOLOGY:048-298-5477(エコマスタージャパン)/ http://www.lepatek.com/eng/
Western Digital:0120-994-120 / http://www.wdc.com/jp/
【DOS/V POWER REPORT 2015年4月号は2015年2月28日(土)発売】
★第一特集「見せるぜ!俺のメインマシン」
★第二特集「新世代液晶ディスプレイ一斉テスト」
★特別企画「ついに登場!! NVIDIA GeForce GTX 960」「外付け&スリムベイ内蔵光学ドライブ14 選」「趣味系SNSにどっぷりハマる!」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 特別付録小冊子「電源大図鑑37」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌末尾に収録)
★ 電子版は割安な税別926円
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2014-12-26-1549.php
【電子販売ショップ】
- Impress Japan(PDFで購入可能)
- http://book.impress.co.jp/books/1114110114
- Amazon.co.jp (Kindle版)
- http://www.amazon.co.jp/dp/B00SSNWGMG/impresswatch-14-22/
- Newsstand
- https://itunes.apple.com/jp/app/dos-v-power-report/id877524169?mt=8
- Google eBookstore
- https://play.google.com/store/books/details?id=gv3HBgAAQBAJ
- 楽天kobo
- http://books.rakuten.co.jp/rk/c315788e1c58395591c6e160f3db46f7/
- 雑誌オンライン
- http://www.zasshi-online.com/Magazine/ProductDetail/?page=1&dcode=dosvpowerreport5150228
- 富士山マガジン
- http://www.fujisan.co.jp/product/1879
- honto
- http://honto.jp/ebook.html
- マガストア
- http://www.magastore.jp/
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