パワレポ連動企画
最新世代のCPU&マザーボードのメリットを理解する
【パワレポ連動:チョイ古 自作PC再生計画(2)】
(2016/5/30 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年7月号」の第1特集「あなたのPCが生まれ変わる!3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! チョイ古 自作PC再生計画」を掲載する。
第2回目ではアップグレード先をどれにすればいいのか、現行製品と旧製品を比べて比較していく。今回はCPUとマザーボード、メモリについて解説しよう。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年7月号は全国書店、ネット通販にて5月28日(土)に発売。第2特集はコストパフォーマンスに優れる大容量ディスクを用途別に解説する「容量単価×用途別が正解です 最新HDD購入案内」を掲載。そのほか、あなたのPCのメインメモリ、有効活用しませんか?「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! Windows 10時代のRAMディスク活用術」、持ち運びに便利な大容量で高速なフラッシュメモリ「ベンチで性能が丸分かり! 一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ」、スペースが許せば考えたい「ウルトラワイドもオーバー30型も PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は、自作PCの組み立てやメンテナンスに関わる「?」を解決!「39のギモンにベストアンサー! PC自作Q&A事典2016」だ。
-チョイ古 自作PC再生計画-
CPU&マザー編 その1 最新世代のメリットを理解する
最新世代のメリットを理解する
CPU&マザーボード編
近年はCPUとマザーボードは関係が深くなっており、アップグレードもセットで行なう必要がある場合が増えている。ここではメモリもあわせて考えていく。
性能の伸び、現在のトレンドから、アップグレードプランを考えよう。
同グレード以上のCPUへの乗り換えが絶対オススメ
現行のIntelの主力ラインナップは、開発コードネーム「Skylake」こと第6世代Coreプロセッサだ。最上位モデルのコア数/同時処理スレッド数は、4コア/ 8スレッドで変わらず、クロックも大きくは伸びていない。ただ、5年の間にマイクロアーキテクチャ(MA)改良とプロセスルールの進化が2回ずつあり、コアあたり、クロックあたりの性能向上と、消費電力面の向上は期待できる。
登場年 | 開発コードネーム | 最上位モデル | 定格クロック | 最大クロック | ソケット | プロセスルール | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年 | Skylake | Core i7-6700K | 4GHz | 4.2GHz | LGA1151 | 14nm | 14nmとMA変更でとくに高負荷時電力効率アップ。FIVR 廃止。 |
2014年 | Haswell Refresh(Devil's Canyon) | Core i7-4790K | 4GHz | 4.4GHz | LGA1150 | 22nm | Haswellのクロックアップ版。アンロックモデルは別名Devil's Canyon。 |
2013年 | Haswell | Core i7-4770K | 3.5GHz | 3.9GHz | LGA1150 | 22nm | MA変更とFIVR導入でアイドル時電力効率アップ。 |
2012年 | Ivy Bridge | Core i7-3770K | 3.5GHz | 3.9GHz | LGA1155 | 22nm | 22nmプロセスルール導入でとくに高負荷時電力効率アップ。 |
2011年 | Sandy Bridge | Core i7-2600K | 3.4GHz | 3.8GHz | LGA1155 | 32nm | 以降のIntel CPUの基盤となる方向性を確立。AVX、AES-NIサポート。 |
その向上が把握しやすいよう、CINEBENCH R15の結果を掲載した。これを見ると最新世代はCPU(シングルコア)のスコアが高く、普段使いのレスポンスなどはローエンドモデルでも旧世代のハイエンドモデル並みが期待できる。ただ、CPUパワーが必要なクリエイティブ、マルチメディア系の処理はマルチスレッド性能が重要。これを示すCPUスコアを見ると、5年前のCore i7と最新Core i5がほぼ同じ。Core i7クラスであれば、5年前のものでも、まだまだ快適に使える場面が多いと言える。
ただ、進化したとはいえ、過去のCore i7からCore i5など、グレードをダウンするアップグレードパスは選択肢から外して考えるべきだろう。
【検証環境】
<LGA1151環境>
マザーボード:ASUSTeK 170-PRO(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4※2枚のみ使用)
<LGA1150環境>
マザーボード:ASUSTeK H87-PRO(Intel H87)
メモリ:CFD 販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)
<LGA1155環境>
マザーボード:ASUSTeK MAXIMUS Ⅳ GENE-Z(Intel Z68)
メモリ:Corsair Vengeance LP CML16GX3M4X1600C8(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4※PC3-10600として2枚のみ使用)
<共通環境>
SSD:Micron Crucial m4 CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)
電源:Sea Sonic Xseries XP2S SS-660XP2S(660W、80PLUS Platinum)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
アイドル時:OS起動10分後の値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
コストや将来性を考えた選択が必要なマザーボード
CPUは、世代が違うとソケット仕様が異なるので、新しいものを導入するなら必然的にマザーボードもあわせて新調することになる。コストがかかることになるが、マザーボードが最新になることで得られるメリットも小さくない。
最新世代では、チップセットレベルでPCI Express 3.0に対応し、システムバスも拡張されたことで高速なNVMe SSDの性能をフルに発揮できるようになった。さらにUSB 3.1 Gen.2、Type-Cへの対応や、専用コンデンサやヘッドホンアンプなどを搭載したサウンド機能、LEDの実装による光の演出など魅力的な機能も多い。また、最上位のZ170搭載モデルでなくとも魅力的な製品があるのが、最新世代の特徴だ。
OCやマルチGPU対応が不要であれば、H170以下のチップセット搭載モデルを選ぶ選択肢もある。
DDR3流用も可能だがDDR4も安価に
Skylake世代ではDDR4 SDRAMを新たにサポートしたことで、メモリ市場でもDDR4の流通量が激増し、先代のDDR3に代わり主役になっており、価格も割安だ。新規に導入するならば、文句なしにDDR4だが、DDR3対応マザーやDDR3/DDR4両対応マザーもあるので、すでにDDR3を持っているなら流用を考える手もある。
また、ここ半年ほどでメモリの価格は全体的にぐんぐん下がっている。1年ほど前に主流だったDDR3の8GB(4GB×2)セットは当時の半額ほどで買えるが、DDR4はそれ以上で、とくにDDR4の16GB(8GB×2)セットは割安感が高い。新規にDDR4を導入するならば容量アップも視野に入れて考えたい。
モジュール規格 | 容量 | 実売価格 |
---|---|---|
PC3-12800 | 4GB×2 | 4,000円前後~ |
PC3-12800 | 8GB×2 | 8,000円前後~ |
PC4-17000 | 4GB×2 | 4,000円前後~ |
PC4-17000 | 8GB×2 | 7,000円前後~ |
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASRock H170 Combo(Intel H170)
メモリ:CFD 販売 CFD Panram ValueSeries W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×2)
Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4※2枚のみ使用)
CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)
SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
電源:Sea Sonic Xseries XP2S SS-660XP2S(660W、80PLUS Platinum)
OS:Windows 10 Pro 64bit 版
Premiere Pro CC2016:7本の4Kビデオクリップをトランジションエフェクトで連結するプロジェクトをMP4ファイルに書き出すのにかかった時間
[Text by 鈴木雅暢]
【DOS/V POWER REPORT 2016年7月号は5月28日(土)発売】
★第1特集「あなたのPCが生まれ変わる! 3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! 『チョイ古自作PC再生計画』」
★第2特集「容量単価×用途別が正解です 『最新HDD購入案内』」
★特別企画「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! 『Windows 10時代のRAMディスク活用術』」「ベンチで性能が丸分かり! 『一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ』」「ウルトラワイドもオーバー30型も 『PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ』」
★連載「最新自作計画 ~最新ケースで作るパワフル小型マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「39のギモンにベストアンサー! 『PC自作Q&A辞典2016』」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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