パワレポ連動企画

マザーボード100選 2015(6)
~スモールフォームファクタ部門~

DOS/V POWER REPORT 2015年1月号

 このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌2015年1月号の特集記事「マザーボード100選 2015」をほぼまるごと掲載する。

 特集記事では、市場に流通しているマザーボード製品から5カテゴリー、100製品を選び、それぞれの推奨製品をDOS/V POWER REPORT編集部と執筆陣の投票で決定する。

 第六回目の今回は、スモールフォームファクターのマザーボードを紹介、ノミネートされた19製品を解説する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年1月号は、絶賛発売中。1月号では今回の特集のほか、“即戦力”になるフリーソフト特集、次期OS「Windows 10」Technical Preview使用レポート、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、特別付録として「マザーボード&ベアボーン超図鑑 2015」と題した小冊子が付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。


- DOS/V POWER REPORT 2015年1月号 Special Edition -


スモールフォームファクター部門

 Intel CPU向けでは最新インターフェースを多数搭載するZ97モデルが人気の中心。また基板のレイアウトを工夫し、組み立てやすくした製品も増えている。オンボードCPUモデルはGPU性能が向上し、以前よりも用途が限定されなくなった。

最新インターフェースを満載、レイアウトも進化

 Intel CPU向け製品は、引き続き豪華な装備を誇る高性能モデルが注目を集めている。M.2スロットや最新のIEEE802.11ac対応無線LAN、SATA Expressポートなど新世代のインターフェースを搭載した製品の登場で、より高機能な小型PCを作りやすくなった。

 また、各社が基板レイアウトを改善してきたことにも注目したい。CPUクーラーとビデオカードの干渉を起きにくくしたり、配線をしやすくするための工夫を凝らしたりしている。こういった使い勝手のよいレイアウトは2013年はASUSTeKのマザーのみだったが、今年はGIGA-BYTEやASRockも改善に取り組んでいる。小型PC特有のクーラー関連の相性問題を回避しやすくなるので注目したい。

 CPUオンボード製品は、Intel系はBay Trail-D、AMD系はKabiniなどの最新世代SoCに移行。内蔵グラフィックス機能の性能が向上したことで、動画の再生やWebブラウジングだけでなく、フラッシュベースのWebブラウザゲームも快適に楽しめるようになった。

 AMD向け製品は、今年は上位チップセットの刷新がなかったこともあり、新製品自体が少なめだった。ただ、ソケットタイプのSoCという新機軸のAM1プラットフォームがデビューしている。

【この部門はココに注目!】

ポイント1 搭載インターフェースはさらに豪華に

M.2スロット
Serial ATA 3.0を超える速さ内部PCI Express接続により、10Gbps超の速度を実現する「M.2」スロットを備える製品がいくつか登場している。ストレージ性能だけでなく、省スペース性の面でもメリットがある

 新しい高速ストレージ用スロットである「M.2」の採用に積極的なのが、ASUSTeKだ。今回候補に挙がった中では3機種で搭載。このほかASRockが、Z97E-ITX/acでサポートする。4K対応ディスプレイを使いたいなら、DisplayPortを装備する製品を選ぼう。ただしB85やH81搭載製品は60Hz表示に対応していないので、Z97かH97搭載製品を選ぶ必要がある。無線LAN機能は対応規格に注意したい。現行製品でもIEEE 802.11nまでしか対応していないことがある。

4Kディスプレイを使うなら
4Kディスプレイと接続し、60H z表示でのスムーズな動きを楽しみたいなら、チップセットはZ97かH97で、DisplayPortを搭載しているモデルを選ぶべき
リビングPC向きの無線LAN
Mini-ITX対応マザーでは無線LAN機能を標準で搭載している製品も多い。IEEE802.11ac対応モデルが多いが、IEEE802.11nまでにしか対応しない製品もあるので注意

ポイント2 SoCタイプのCPUのグラフィックス性能が向上

 チップセット機能を内蔵したCPU(SoC)は、AMDとIntelとも新製品を投入。AMDの「Socket FS1b(AM1)」はソケット式で、対応CPUをユーザーが選択可能という点が特徴。そして、AMD系・Intel系とも内蔵グラフィックス機能の性能が大きく向上しており、軽作業主体のサブPCとして使うなら十分な性能を備えている。

交換できるAMDのSoCAMDはソケット式で、交換可能なSoCタイプのCPUを利用するAM1プラットフォームを新たに投入。マザーボードも低価格だ
内蔵グラフィックス機能が底上げされたIntel系ではBay Trail-Dを搭載するマザーボードが登場。内蔵GPUがIntel HD Graphicsベースとなり、グラフィックス性能が大きく向上した

ポイント3 小型ケースへの組み込みに対する配慮

 内部が狭いMini-ITX対応PCケースだと、各種ケーブルの接続や配線に苦労する。しかしコネクタが外縁に配置されているマザーボードでは、CPUクーラーや電源ユニットなどがマザーボードの上に来る状況でも、各種ケーブルを接続しやすい。また、大型CPUクーラーを使いやすくするため、CPUソケットの位置を中央寄りにしたマザーも増えた。

ポートやコネクタを外周部分に大型CPUクーラーや電源ユニットなどがマザーボード上を覆う状態になっても、脇からコネクタに挿しやすくなり、組み立て難易度が下がった
大型CPUクーラー向けのレイアウトビデオカードと大型CPUクーラーが干渉しないように、CPUソケットを拡張スロットから離し、かつボードの中央近くに移動したモデルが増えている

得票のあった製品

オレはこんな基準で評価した!

・ITライター 竹内亮介
搭載機能やインターフェースは、各社高いレベルで平準化が進み、差が小さくなった。そのため、細かい点ではあるが、組み立てやすさを支えるレイアウトの工夫、PCケースのトレンドに合わせたファンコネクタ構成、コストパフォーマンスの高さなどを評価。

・ITライター 石川ひさよし
最近は多数のシャドーベイや、2スロットサイズの拡張カード固定部を採用したMini-ITX対応ケースが増えた。小型で高機能という、ある意味究極の課題をクリアするため、高い拡張性やシャドーベイの消費を抑えられるM.2スロットを搭載した製品に注目した。

・ITライター 鈴木雅暢
想定ユーザー&用途を意識しての作り込みができているかどうかが最優先。その上で、個人的な理想としてのケーブルレス要素を重要視し、無線LANとM.2スロットを備える製品を優先。今の時代、無線LANに接続できないIT機器など企画のセンスを疑ってしまう。

[Text by 竹内亮介]


マザーボード100選 2015
スモールフォームファクター部門 ノミネート製品解説

ASUSTeK Computer Z97I-PLUS(実売価格:20,000円前後)

妥協を一切感じさせないフルスペック、基板のレイアウトにも一日の長が
LGA1150/Intel Z97/Mini-ITX

 老舗メーカーならではの安定感と優秀な設計で、ASUSTeKはスモールフォームファクターでも人気モデルを連発している。Intel Z97をチップセットに採用する「Z97I-PLUS」も、そんな同社のコダワリが詰め込まれた逸品だ。

 電源回路には6フェーズのデジタル制御VRMを採用、さらに大型のヒートシンクで冷却を強化している。定格時はもちろん、OC時でも安定して動作させるための工夫だ。インターフェースでは、最新のM.2スロットや、4Kディスプレイと接続して60Hz表示が行なえるDisplayPortを搭載するほか、IEEE802.11acの無線LANとBluetooth v4.0にも対応する。「小型だから」という妥協を一切感じないフルスペックマザーの代表例と言える。

 各部品のレイアウトにも注目したい。CPUソケットが中央付近にあり、大型のCPUクーラーを付けてもPCケースや拡張スロットに干渉しにくい。Serial ATAポートや電源コネクタなどは、ボードの周囲に沿って配置されている。CPUクーラーでマザーボード上が覆われるような状況でも、ケーブル接続がしやすいように配置されているわけだ。こうした工夫は、Intelの下位チップセットを搭載する同社のより安価なマザーにも引き継がれている。([Text by 竹内亮介])

大型ヒートシンク付きのVRM
デジタル制御のVRMを搭載。Mini-ITX対応マザーボードとしては大きめのヒートシンクで、しっかりと冷却する
無線LANはIEEE802.11ac対応
IEEE802.11acとBluetooth v4.0に対応するPCI Express Mini Cardが装着されている。アンテナユニットも同梱する
I/Oパネル部

その他ITライターによる評価

・石川ひさよし
【活用しだいでコンパクトも多機能も思いのまま】
Serial ATA 3.0は4ポートだが、M.2スロット、PCI Express Mini Cardスロットを備え、さらに排他使用ではない点が大きなポイント。また、4ピンのファンコネクタを3基も搭載しており、ハイエンドビデオカード搭載時などにケースファンのコントロールを行ないやすい。

・鈴木雅暢
【スマートな実装が光る】
Core i7も不安なく使える6フェーズVRM、やや簡易版のCrystal Sound 2とも、ライザーカードなどの力業を利用しない範囲では最善の選択だろう。高速無線LANやM.2スロットなどの最新技術をスマートに実装しており、技術の進化の恩恵をストレートにユーザーにつなげている。

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM ×2(最大16GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z97N-WIFI(rev. 1.0)(実売価格:15,000円前後)

全部入りのZ97マザーだが安い
LGA1150/Intel Z97/Mini-ITX

 Intel Z97搭載でIEEE802.11ac対応の無線LAN機能を搭載するなど、全部入りモデルらしい豪華な作りながらも、実売価格の安さが魅力。余った予算はCPUやビデオカードにあてて、ワンランク上のPCを作りたい。先代のZ87モデルと比較すると、CPUソケットが拡張スロットから離れた位置に移動し、ビデオカードとCPUクーラーの干渉が起きにくくなった。([Text by 竹内亮介])

I/Oパネル部

その他ITライターによる評価

・石川ひさよし
ストレージを多数搭載できるケースにピッタリなのがこの製品。Serial ATA 3.0ポートを6基利用できる。PCI Express Mini Cardスロットや、2基のLANポート、HDMI出力など、満載感もすごい。

・鈴木雅暢
必要最小限のVRM構成だけに用途は多少限定されるが、Intel製の高速無線LANコントローラを含め充実した通信機能を備える。レイアウトも使いやすいもので、M.2が不要ならコストパフォーマンスは高い。

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-24800 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●ディスプレイ:HDMI×2、DVI-I×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ) ×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:SATA 3.0×6、USB 3.0×6、USB 2.0×4● LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0

ASRock H97M-ITX/ac(実売価格:13,000円前後)

基礎をしっかり固めた安心のH97マザー
LGA1150/Intel H97/Mini-ITX

 「チップセットはH97でもよいが、最新の無線LAN機能は欲しい」、というなら、これがイチオシ。インターフェース面においては、レコメンドを取得したほかのマザーほどのハデさはない。しかし、耐久性に優れる固体コンデンサや合金チョーク、音質を高める高級オーディオコンデンサを採用するなど、地味ながらも基礎をしっかり固めており、価格以上の価値がある。([Text by 竹内亮介])

I/Oパネル部

その他ITライターによる評価

・石川ひさよし
H97の採用により価格を抑えつつも、5ポートのSerial ATA 3.0、PCI Express Mini Cardスロットの搭載など、拡張性は充実している。CPUを定格で利用するならば、このコストパフォーマンスは魅力。

・鈴木雅暢
同社のZ97E-ITX/acと比べてVRMの構成や、M.2スロットの省略など装備面では見劣りするが、ASRockならではの使い勝手のよさは健在。高速無線LANも搭載し、サブマシン用に検討するのもよい。

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCIE Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetooth カード搭載済み)●主なインターフェース:SATA 3.0×5、USB 3.0×6、USB 2.0×4● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n ●そのほか:Bluetooth v4.0

ASRock Z97E-ITX/ac(実売価格:20,000円前後)

機能は全部入り、各部品も高品質
LGA1150/Intel Z97/Mini-ITX

 あらゆる用途に応える万能型。めずらしくSATA Expressに対応するが、現状では使いみちがないのが残念。バックプレートタイプのCPUクーラーを付けやすいのも特徴。([Text by 竹内亮介])

 SATA ExpressポートやM.2スロットといった最新インターフェースを盛り込んだ意欲作。ディスプレイ出力もDisplayPort+2系統のHDMIを備えた超多機能マザーだ。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCIE Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0

ASUSTeK Computer MAXIMUS VII IMPACT(実売価格:30,000円前後)

あらゆるニーズに全力で応える
LGA1150/Intel Z97/Mini-ITX

 拡張スロットの本数以外は「あきらめる必要がない」よくばりな製品。Web投票では支持されたが、高密度の実装が小型ケースで使いにくいという点で審査員の評価が割れた。([Text by 竹内亮介])

 VRMやオーディオ機能、M.2/PCI Express Mini Cardスロットを別基板とした見た目はインパクト大。ただ、M.2はSerial ATA接続デバイスに非対応である点には注意。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●ディスプレイ:DisplayPort ×1、HDMI ×1●拡張スロット:PCI-E 3.0x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE 802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0

ASUSTeK Computer H97I-PLUS(実売価格:14,000円前後)

必要な機能が揃う実直スタンダード
LGA1150/Intel H97/Mini-ITX

 無線LANやOC関連などのハデな追加機能はないが、必要な要素は揃ったスタンダードのお手本。CPUソケット周囲はすっきりしており、大型CPUクーラーも使いやすい。([Text by 竹内亮介])

 Z97I-PLUSのチップセットをH97に換えたという位置付けの製品。裏面にはM.2スロットも備えている。無線LAN機能が省かれている点が大きな違い。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●ディスプレイ:DisplayPort ×1、HDMI ×1、DVI-D ×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

Micro-Star International B85I(実売価格:10,000円前後)

この価格帯でDisplayPort搭載
LGA1150/Intel B85/Mini-ITX

 安心してオススメできるスタンダードモデル。B85の採用で価格を抑えつつ、Serial ATA 3.0やUSB 3.0をきちんと搭載。使われている部品も耐久性に優れている。([Text by 竹内亮介])

 RAID非対応のB85搭載モデルだが、Mini-ITXには相性がよいと思っている。本製品はB85の機能を活かしつつ、さらにPCI Express Mini Cardスロットを加えている。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCIE Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:SATA 3.0×4、USB 3.0×4、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

ASUSTeK Computer H81I-PLUS(実売価格:10,000円前後)

レイアウトは上位モデル譲り
LGA1150/Intel H81/Mini-ITX

 下位チップセット採用ながら必要十分のインターフェースを備えており、お買い得感が高い1枚。ASUSTeKらしい優れた基板レイアウトで、PC自作初心者にも優しい。([Text by 竹内亮介])

 Intel H81を採用した低コストなマザー。PCI Express x16スロットは2.0対応で、Serial ATAやUSB3.0ポートの数も最小限であるなど、機能面では妥協が必要だ。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×1●主なインターフェース:SATA 3.0×2、SATA 2.5×2、USB 3.0×4、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×1

ASRock FM2A88X-ITX+(実売価格:12,000円前後)

AMDで小型、全部入り!
Socket FM2+/AMD A88X/Mini-ITX

 いわばAMD向けの「全部入り」モデル。HDMI経由の映像入力機能など、遊べる機能も搭載する。ただ、CPUソケットがメモリスロットに近いのはいただけない。([Text by 竹内亮介])

 ストレージがとにかく充実。6ポートのSerial ATA 3.0に、eSATA、mSATAスロットまで搭載している。HDMI入力端子を備えているのもユニーク。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:AMD A10、A8、A6、A4●メモリスロット:PC3-19200 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI ×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0※ x16×1、PCI-E Mini Card/mSATA×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:SATA 3.0×6、eSATA(SATA 3.0)×1、mSATA(SATA 3.0)×1、USB 3.0×4、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0、HDMI IN×1

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-F2A88XN-WIFI(rev. 3.0)(実売価格:11,000円前後)

デュアルバンドの最新無線LAN搭載
Socket FM2+/AMD A88X/Mini-ITX

 機能的にはFM2A88X-ITX+によく似ているが、IEEE802.11ac対応無線LANを搭載。ビデオカードを搭載しないのであれば、CPUクーラーの選択肢も広い。([Text by 竹内亮介])

 2系統のHDMIと、DVI-D端子を装備し、デジタル出力に特化したマルチディスプレイ環境が構築できる。IEEE802.11ac無線LAN機能など、基本機能も十分に備える。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:A10、A8、A6、A4●メモリスロット:PC3-19200 DDR3 SDRAM ×2(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI ×2、DVI-D ×1●拡張スロット:PCI-E 3.0※ x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetooth カード搭載済み)●主なインターフェース:SATA3.0×4、USB 3.0×4、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0

Micro-Star International A88XI AC(実売価格:13,000円前後)

高品質な部品を使用
Socket FM2+/AMD A88X/Mini-ITX

 最新規格の無線LANを搭載しており、機能的にはGA- F2A88XN-WIFIに近い。レイアウトもよく似ている。違いはディスプレイ出力端子の構成くらいだ。([Text by 竹内亮介])

 ミリタリークラス5準拠の耐久性重視マザー。OC機能やUSBセーフガードなども備えている。端子やポートの数は標準的だが、高速無線LAN機能も搭載。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:A10、A8、A6、A4●メモリスロット:PC3-19200 DDR3 SDRAM ×2(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0※ x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:SATA3.0×4、USB 3.0×4、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0

ASUSTeK Computer AM1I-A(実売価格:4,500円前後)

HDMI端子で4K出力が可能
Socket AM1/-/Mini-ITX

 メインPCを作るにはちょっとつらいインターフェース構成。しかし、テレビのそばに置いて動画を見るために使う小型PCなど、明確な目的があるなら使いどころはある。([Text by 竹内亮介])

 Socket AM1に対応したマザー。バックパネルにシリアルポートを標準装備しており、計測器などでこれが必要な場合は要注目だ。PS/2ポートが2基あるのもよい。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Athlon、Sempron●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI ×1、DVI-D ×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x4×1●主なインターフェース:SATA 3.0×2、USB 3.0×2、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×1

Micro-Star International AM1I(実売価格:4,500円前後)

低価格だが使用部品は高級品
Socket AM1/-/Mini-ITX

 位置付けとしてはAM1I-Aと同じ。低価格だが、だからと言って考えずに買うようなものではない。作りたいPCの用途にマッチするかどうかをよく考えたい。([Text by 竹内亮介])

 PCI Express Mini Cardスロットも装備し、ピンヘッダだがシリアルポートも搭載。ほか、2基のPS/2端子も備え、意外とレガシーデバイスを活用したい用途に向くかも。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Athlon、Sempron●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D ×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCIE Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:SATA 3.0×2、USB 3.0×2、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

Elitegroup Computer Systems BAT-I/J2900(実売価格:15,000円前後)

Pentium J2900を搭載
CPUオンボード(Intel Pentium J2900)/-/Mini-ITX

 Pentium J2900を搭載。ヒートシンクは小さめだが、このCPUの冷却には十分。下位のCeleron搭載マザーより高価なのと、メモリスロットが1基しかないのが気になる。([Text by 竹内亮介])

 Bay Trail-Dでは最上位のPentium J2900を搭載。1.5VのDDR3メモリにも対応しているのがよい。CPUクーラーはファンレスで、静音性重視のマシンに向く。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

搭載CPU:Pentium J2900(2.41GHz)●メモリスロット:PC3/3L-10600 DDR3 SDRAM SO-DIMM×1(最大8GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphics(Pentium J2900内蔵)●ディスプレイ:HDMI×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x1×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:SATA 2.5×2、USB 3.0×1、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

ASUSTeK Computer J1900I-C(実売価格:10,000円前後)

大型ヒートシンクでしっかり冷却
CPUオンボード(Intel Celeron J1900)/-/Mini-ITX

 Celeron J1900は発熱は小さいCPUだが、大型のヒートシンク搭載で個人的には安心感がある。インターフェースはBAT-I/J2900と似ているが、こちらのほうが低価格。([Text by 竹内亮介])

 CPUクーラーはかなり大きめでファンレスだが安心感がある。そのほかはシンプルなりにもPCI Express Mini Cardスロットを搭載しており、ある程度の拡張性も備える。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

搭載CPU:Celeron J1900(2GHz)●メモリスロット:PC3L-12800 DDR3 SDRAM SO-DIMM×2(最大16GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphics(Celeron J1900内蔵)●ディスプレイ:HDMI×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x1×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:SATA 2.5×2、USB 3.0×1、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-J1800N-D2H(rev. 1.0)(実売価格:10,000円前後)

動作周波数が若干高いJ1800搭載
CPUオンボード(Intel Celeron J1900)/-/Mini-ITX

 ヒートシンクのサイズは比較的大きめで、安定運用しやすい。2コアCPUなので、4コアCPU搭載製品と比べると性能は低いが、体感的には
影響は少なく感じた。([Text by 竹内亮介])

 CPUクーラーはファンレスで大きさもほどほど。1.5V駆動のDDR3 SDRAMをサポートしているので、メモリのコストを少しだけ抑えることができる。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

搭載CPU:Celeron J1800(2.41GHz)●メモリスロット:PC3/3L-12800 DDR3 SDRAM SO-DIMM×2(最大8GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphics(Celeron J1800内蔵)●ディスプレイ:HDMI×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x1×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:SATA 2.5×2、USB 3.0×1、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

Elitegroup Computer Systems KBN-I/5200(v1.0)(実売価格:16,000円前後)

Kabiniの上位モデルを搭載
CPUオンボード(AMD A6-5200)/-/Mini-ITX

 搭載するA6-5200は、コア数はA4-5000と同じ4基で、動作周波数や内蔵GPU性能が若干高い。しかし、ほかの製品と比べると価格の面でちょっと躊躇してしまう。([Text by 竹内亮介])

 CPUクーラーには小型ファンが装着されており、これがかなりの高回転タイプ。冷却面は安心なのでサーバー用途に最適かも。静音PCでは回転数をしっかりと調整したい。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

搭載CPU:A6-5200(2GHz)●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)●グラフィックス機能:AMD Radeon HD 8400(A6-5200内蔵)●ディスプレイ:HDMI ×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x16×1、PCI-E Mini Card×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:SATA 3.0×2、USB 3.0×2、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1

ASRock QC5000-ITX/WiFi(実売価格:16,000円前後)

TDPが15Wの4コアCPU搭載
CPUオンボード(AMD A4-5000)/-/Mini-ITX

 IEEE802.11nまでの対応だが無線LAN機能を搭載し、4K解像度での映像出力に対応するDisplayPortを備えるなど、ほかのオンボードCPUマザーと比べると機能が充実。([Text by 竹内亮介])

 AMD「A4-5000」を搭載したマザーボード。CPUクーラーには小型ファンが装着されているが、思いのほか静かだったのが印象的。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

搭載CPU:A4-5000(1.5GHz)●メモリスロット:PC3-12800 DDR3 SDRAM×2(最大32GB)●グラフィックス機能:AMD Radeon HD 8330(A4-5000内蔵)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1(無線LANカード搭載済み)●主なインターフェース:SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11b/g/n

BIOSTAR Group A68N-5000 Ver. 6.1(実売価格:9,500円前後)

4コアCPUをファンレス駆動
CPUオンボード(AMD A4-5000)/-/Mini-ITX

 QC5000-ITX/WiFiと違い、大きめのヒートシンクだけでCPUを冷却するファンレスモデル。発熱が多少あるので、ケース内のエアフローには気を配りたい。([Text by 竹内亮介])

 CPUクーラーはファンレス。独立したキーボード、マウス用PS/2や、ピンヘッダ対応のシリアルやパラレルなど、レガシーデバイス用のポートが充実している。([Text by 石川ひさよし])

I/Oパネル部

【Specification】

搭載CPU:A4-5000(1.5GHz)●メモリスロット:PC3/3L-12800 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●グラフィックス機能:AMD Radeon HD 8330(A4-5000内蔵)●ディスプレイ:HDMI ×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1●主なインターフェース:SATA 3.0×2、USB 3.0×2、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1



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(AKIBA PC Hotline!編集部)