パワレポ連動企画
大きさで選ぶ 小型PCケースの選び方 Mini-ITX編(1)
【必ず満足!小型PC自作最前線(2)】
(2015/4/28 12:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、今回より「2015年6月号」の総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」を掲載する。
第一回目である前回では、必要以上に高い拡張性を排除することで、小型PCでもATXに負けないPCを作成できるという内容をお届けした。第二回目である今回は、市販のMini-ITXやmicroATX対応ケースのいくつかに、パーツを組み込むとどうなるのかを紹介していく。
ケースサイズが小さい分、CPUクーラーの高さや電源ユニットの奥行きなど、ATXケース使用時には問題にならなかった部分に制限がある場合があるので、製品選択時には気をつけよう。特に現在使っているパーツの転用を考えている場合は要注意。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(火)に発売。60ページを超えるボリュームでお届けする総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」のほか、同じUSB3.0対応製品なのに性能が違う!「買って得するUSB 3.0メモリはコレだ!」、登場したのは数年前だけど、あっという間に一大勢力となったアイテムを紹介!「簡易水冷クーラーカタログ」、やっぱり体が資本!最新パーツだけでなく自分の健康にも投資するべき!!「つらい目・肩・腰に効く! PC向けデスクチェアを新調せよ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は、「新しいPC作ったら、OSも新しいものを使いたい!」という新しいもの好きにお勧めする「今スグ使える!Windows 10 Technical Preview かんたん解読書」。Windows 10 Technical Previewインストール方法や、機能について大解説。「夏の正式リリースまで待てない!」というせっかちな読者の面々には見逃せない一冊だ。
- 必ず満足!小型PC自作最前線 -
大きさで選ぶ 小型PCケースの選び方 Mini-ITX編(1)
大きさで選ぶ! 大きく分けて3タイプ、
小型PCケースの選び方 Mini-ITX編(1)
小型PCケースと言ってもATXケース以上に製品ごとの性格は異なる。ここではサイズと拡張性から「小型Mini-ITX」、「大型Mini-ITX」、「microATX」の三つにセグメント分けして解説しよう。
小型タイプは目的を明確に。構成に悩むなら大型タイプ
Mini-ITXやmicroATX対応のPCケースは、ATX対応PCケースに比べるとサイズが小さく、拡張性や冷却性能が低い傾向にある。とくに、Mini-ITXで一般的なキューブタイプの小型ケースだと、後から高性能ビデオカードや多数の3.5インチHDDを追加したくなっても、組み込めないことが多い。Mini-ITXプラットフォームでPCを作る場合には、作りたいPCのイメージを最初に固めておくべきだと言われる理由の一つがここにある。
こうした大原則はあるのだが、最近増えてきた大型のMini-ITX対応PCケースなら、拡張性や冷却性能には比較的余裕がある。さまざまな用途で利用することを想定し、将来的には拡張も考えるメインPCを作る場合は、そうしたタイプを選ぶと後悔することは少ない。また大型Mini-ITXケースは内部が広く、組み込み作業がしやすい。その意味では初心者に向いているタイプのPCケースだ。
microATX対応PCケースは、大型Mini-ITX対応PCケースと似た位置付けにある。利用できる空間や拡張ベイ、拡張スロットがさらに増えるので、大型の水冷ラジエータやCPUクーラーなど、組み込めるパーツの自由度はさらに広がる。
今回のベンチマークテストについて
それぞれのPCケースには、搭載可能なCPUクーラーのサイズに違いがある。ATX対応PCケースを利用した作例でよく使うサイズの「虎徹」は、高さ16cm。これを搭載できるPCケースには、Core i7-4790Kと虎徹を組み込んだ。それ以外のPCケースでは、Core i7-4790Kよりも発熱が小さいCore i5-4460と、CPU付属の標準CPUクーラーを組み込んでいる。
開放された空間で快適に組み込みが行なえる
天板と一体化した前面パネルが、前に向かって倒れる構造を採用するPCケースだ。側板を外した上で前面パネルを倒すと、マザーボードベースのまわりにはフレームや支柱などが一切存在しない状態になる。そのため組み込みやメンテナンスがしやすく、初心者でも簡単に作業できる。
内部は、マザーボードベースで上下に仕切られた構造だ。上部にはマザーボードやビデオカードなどのメインパーツを組み込み、下部には電源ユニットやストレージ類を組み込む。天板や側板、前面がフルオープンの状態なので、どちらの空間にも手が届きやすく、各パーツの組み込みやケーブルの接続、整理は非常に簡単だった。
マザーボード上のスペースに電源ユニットやシャドーベイなどがかぶさらない構造なので、高さのあるサイドフロータイプのCPUクーラーが使いやすい。Core i7-4790Kなど、標準のCPUクーラーでは冷却するのが難しいCPUを使いたい場合に重宝する。
左右側板がメッシュ構造で、背面ファンは排気方向に設置されている。ビデオカードやCPUクーラー周辺に新鮮な外気が取り込まれやすいためか、CPU温度やGPU温度は、もっと大型で搭載するファンが多く、口径も大きなmicroATX対応PCケースよりも低かった。
シャドーベイや電源の取り付けパネルは着脱式
側板は背面側にある凸部分を外側に引っ張るだけで外せる構造だ。また下部スペースにあるシャドーベイ、電源を背面から挿し込んで固定するときに使う板も外せるようになっている
前面パネルにドライブベイ
前面パネルにあいている穴は、3.5/2.5インチのドライブを組み込むためのマウンタだ。2.5インチSSDを3台か、2.5インチSSD2台と3.5インチHDD1台という構成が可能
初心者から上級者まで
あらゆるユーザーにオススメできる
あらゆるユーザーにオススメできる
組み立てが容易で、拡張性も高い。CPUクーラーやビデオカードなどの選択肢も多く、さまざまな用途に対応できる。Mini-ITXらしからぬ汎用性を備える非常に使いやすいPCケースであり、ユーザーを選ばずオススメできる。
【問い合わせ先】
Lian Li Industrial:03-5298-3880(ディラック)/ http://www.lian-li.com/
【検証環境】
Intel Core i7-4790K(4GHz)、マザーボード:ASUSTeK Z97I-PLUS(Intel Z97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:ASUSTeK GTX970-DCMOC-4GD5(GeForce GTX 970)、SSD:Micron Crucial BX100 CT250BX100SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、250GB)、電源:サイズ 剛力短2プラグイン(500W、80PLUS Bronze)、CPUクーラー:サイズ虎徹(サイドフロー、12cm角ファン)、OS:Windows 8.1 Pro 64bit版
【検証内容】
室温:21.5℃、暗騒音:31.4dB、動作音測定距離:ケース正面から20cm、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT4.4.1 POWER SUPPLYテストを10分間動作させたときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.27で、CPUはCPU TemperaturesのPackage、GPUはTemperaturesの値、ケースファンの設定:「全回転」は100%、「標準」はFan Xpert 3の「標準」設定
超大型の20cm径ファンを搭載した低価格な冷却特化型ケース
前面や側板はメッシュ構造、そして前面には標準で20cm径という大型ファンを搭載する冷却重視型のPCケースだ。天板にはアクリルパネルが組み込まれており、上から組み込んだパーツを眺めて楽しむことも可能。
天板と両側板を外すと、内部にアクセスできるようになる。最近の大型Mini-ITXケースではおなじみの、マザーボードベースで上下に仕切られた構造を採用している。マザーボードやビデオカードは上部、電源ユニットとストレージ類は下部に組み込む。
電源ユニットを側面から組み込もうとしたところ、フレームがジャマで入らない。実は底面も外れるようになっており、電源はここから内部に組み込む。作業中に唯一悩んだポイントだったが、シャーシの上下左右、あらゆる場所から手を入れてケーブル接続や整理ができるのはなかなか便利だと感じた。
前面の大型ファンにはファンガードが付いているのだが、隙間が広い。各種ケーブルを内部で放置すると、コネクタやケーブルがファンに接触しやすいので、きちんと整理しよう。
CPU温度やGPU温度は低めだが、前面ファンの動作音はやや気になるレベルだ。マザーボードのユーティリティで、適切に調整したほうがよいだろう。
底面まで外せるのでフレームだけの状態に
天板や両側板を簡単に外せるほか、底面すら外すことが可能というユニークな構造を採用する。ほぼフレームだけの状態になり、内部を広く見渡して組み込み作業が行なえるのは便利だ
底面に防塵フィルタを装備
電源内にホコリが入り込んでトラブルが起きないよう、電源のファンの位置に防塵フィルタを装備する。背面側に引き出せる構造になっており、清掃は簡単に行なえる
低価格ながら最近のトレンドを
網羅した冷却重視型
網羅した冷却重視型
大型ファンによる冷却重視の設計、組み込み作業のストレスを軽減する二層構造など、最近の小型PCケースに求められる要素を手堅くまとめている。しかもかなり低価格であり、初心者向きの一台と言える。
【問い合わせ先】
Thermaltake Technology:03-5215-5650(アスク)/ http://jp.thermaltake.com/
【検証環境】
Intel Core i5-4460(3.2GHz)、CPUクーラー:CPU付属、ほかは「PC-Q33」と同じ
[Text by 竹内亮介]
【DOS/V POWER REPORT 2015年6月号は2015年4月28日(火)発売】
★総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」
★特別企画「買って得するUSB 3.0メモリはコレだ!」「簡易水冷クーラーカタログ」「PC向けデスクチェアを新調せよ」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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