パワレポ連動企画
静音PCを目指すテクニック
【自作PCチューニング技術大全100(17)】
(2016/3/17 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年4月号」の第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」を掲載する。
第17回目では、PCケースの静音化に役立つテクニックを紹介する。前回の検証で主な騒音源のひとつとされたケースファンの静音化を中心に解説していく。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年4月号は全国書店、ネット通販にて2月29日(月)に発売。第1特集のほか、第2特集は最新OSの現在の姿を解説する「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」、まずはデータ保存から始めよう、低コストで導入できるモデルを紹介「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」、マルチディスプレイやライトゲームに、内蔵GPUからのパワーアップを目指す「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」、外出先でも2画面で!「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「小型PC向けパーツ大百科」。メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です!
-自作PCチューニング技術大全100-
静音PCを目指すテクニック~PCケース編 その3~
プチカスタマイズで冷却性能や静音性を向上
PCケース編
PCケースもほかのパーツと同様に、さまざまなカスタマイズが可能だ。ファンを追加したり、風向きを変更したりするだけで、冷却性能や静音性を強化できる。
ちょっとしたアイテムの追加で、PCケースの特性を大きく変えることも可能だ。
64. ハードウェアのファンコントローラで回転数を調整 難易度★★★
前回解説したとおり、ケースファンの回転数はPCの動作音を左右する重要な要素だ。最新のマザーボードでは、UEFIセットアップや独自ユーティリティで、マザーボードに接続したファンの回転数を制御できるが、こうした機能が利用できない古いマザーボードを使っているなら、「ハードウェアのファンコントローラ」を導入したい。
ハードウェアのファンコントローラでは、3ピンか4ピンのファンコネクタを装備しており、基本的にはどちらのタイプでも回転数を制御できる。最新のマザーボードでも、ごくまれにだが3ピンタイプのファンは制御できないことがあるため、ファンのタイプを選ばず利用できることはメリットの一つと言える。またハードウェアタイプでは、レバーやつまみを使い、自分の好きなように回転数を調整できる。UEFIや独自ユーティリティの回転数調整機能に満足できないというユーザーにもオススメだ。
実売価格が2,000円以下の低価格な製品では2~4基、5,000円を超える高機能な製品では4~6基以上のファンコネクタを備える。また低価格な製品では、シンプルなマニュアル調整のみの製品がほとんどだが、高機能な製品では温度センサーを備え、ファンコントローラが取得した各部位の温度に連動し、自動で回転数を調整する機能を備えるものもある。
PCケースが装備する空きベイの状況や、接続して回転数を制御したいファンの数に合わせて製品を選びたい。
【問い合わせ先】
サイズ:support@scythe.co.jp /http://www.scythe.co.jp/
NZXT:Webサイトのフォームから(タイムリー:http://www.timely.ne.jp/)/http://www.nzxt.com/
Thermaltake Technology:03-5215-5650(アスク)/http://jp.thermaltake.com/
65. 各部の穴をふさげば音漏れは少なくなる 難易度★★★
PCケースの動作音の主な原因は、CPUクーラーやビデオカードのファン、PCケースが搭載するケースファンの回転音である。こうした音が前面や天板から漏れ出し、利用者に「騒音」として認識される。
静音性の高い密閉型PCケースの場合、音漏れを防ぐために目立つ場所には穴を設けないなど、最初から音漏れを防ぐ工夫が凝らされている。しかし天板や前面に風通しのよいメッシュ構造を採用する開放型PCケースを使っている場合、動作音には悩まされやすい。
PCケースを交換せず、開放型のPCケースをそのまま使い続けたいのであれば、密閉型の構造を擬似的に再現してみるのもよいだろう。とくに前面ファンはユーザーに近い位置にある。吸気用に最下部のスペースを一部残して覆うなど、バランス型PCケースの前面扉のような構造を作ると、動作音をかなり下げられるようだ。右は、Define R5の前面扉を開いたとき(開放型)と、さまざまな素材でふさいだときで、動作音の数値がどう変わるかを示したグラフだ。サランラップや布、布テープなど薄い素材では防音効果は低いが、厚みのある木や、プラスチックと防音材で構成される前面扉で覆うと、かなり静かになった。
【検証環境】
CPU:Intel Core i5-6600K(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT2K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×2)
ビデオカード:MSI GeForce GTX 960 GAMING 4G(NVIDIA GeForce GTX 960)
SSD:Micron Crucial MX200 CT500MX200SSD1(Serial ATA 3.0、TLC、500GB)
電源:Corsair RM550x(550W、80PLUS Gold)
PCケース:Fractal Design Define R5(ATX)
CPU クーラー:サイズ 忍者4(サイドフロー、12cm角ファン)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
暗騒音:32.2dB
動作音測定距離:PCケースの前面から20cm
66. 電圧変換ケーブルでファンを静かにする 難易度★★★
ファンは12Vの電圧で動作している。ファンコントローラでは、この供給電圧を変動させることで回転数を調整しているのだが、この供給電圧自体を変更できるケーブルも存在する。細かく柔軟に調整したいわけではないなら、こうした電圧変換ケーブルを使うのも一つの手だ。
ただし最初から低電圧だと、始動できないファンもある。側板を閉じてPCを設置場所に戻す前に、ちゃんとファンが回転しているかどうかを確認しておこう。
【問い合わせ先】
親和産業:03-3488-1526 /http://www.shinwa-sangyo.co.jp/
67. ファンマウンタカバーを活用しよう 難易度★★★
天板や側面にファンマウンタを装備するPCケースは多い。ただしファンを付けないのであれば、要するにただの空気穴でしかない。ホコリが内部に入り込みやすくなるし、音漏れの原因にもなる。冷却性能を十分に確保している状態であれば、市販のファンマウンタ用カバーを装着し、「穴」をふさいでしまうとよい。
ここで紹介するのは、14cm角ファン用のカバーだが、12cm角ファン用のカバーもある。
【問い合わせ先】
親和産業:03-3488-1526 /http://www.shinwa-sangyo.co.jp/
[Text by 竹内亮介]
【DOS/V POWER REPORT 2016年4月号は2月29日(月)発売】
★第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」
★第2特集「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」
★特別企画「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です! 小型PC向けパーツ大百科」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
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