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さようならWindows 7、最新PCパーツに必須なWindows 10に乗り換えよう

4K/HDR液晶やNVMe SSD、レイトレーシングを使うならWin 10 text by 坂本はじめ

 2018年は、メインストリームにIntelとAMDの8コアCPUが出揃ったことをはじめ、リアルタイムレイトレーシングを可能とするGeForce RTX 20 シリーズが登場や、VTuberやVRChatの隆盛によってVRが身近な技術となるなど、自作PC業界を取り巻くハードウェアと技術の進歩が著しい一年となった。

 これらの機能はWindows 10環境を前提としているものも多く、最新テクノロジーをPCで楽しむのであればWindows 10が必須といえる。また、Windows 7のサポート期間の終了も迫っていることもあり、PCを乗り換えるにはある意味良いタイミングになっている。

 そこで、今回から数回にわたり、最新のハードウェアで構築したPCだからこそ可能となった新機能や使い方を紹介していく。第一回の今回は、Windows 10が如何に最新PCパーツに必要なのかについて紹介しよう。

Core i9やRyzenなどの多コアCPUを使うならOSはWindows 10。
GeForce RTX 2080 Ti。リアルタイムレイトレーシングを利用するならWindows 10が必須。
超高速なNVMe SSDもWindows 10なら標準サポート。
4K/HDR液晶ディスプレイもWindows 10なら扱いやすくなっている。
VRヘッドセットもWindows 10と相性が良い。

最新ハードウェアの性能をフルに引き出すならWindows 10は必須

 次々とハードウェアが更新され新技術が投入されていくPCで、最新のハードウェアの性能をフル活用するためには最新のOSが必要だ。現在自作PC向けの最新OSと言えばWindows 10であり、現在最新のパーツでPCを構築するなら、OSにはWindows 10を選ぶべきである。

 これは実際間違いではないのだが、どういう所に最新パーツとWindows 10を組み合わせる必要性やメリットがあるのか、いくつか事例を紹介してみよう。

Core i9やRyzenはWindows 7のサポート対象外、最新CPUを使うならWindows 10

 2017年のAMD Ryzen登場以来続く、2大CPUメーカーの熾烈な競争によって自作PC向けのCPUコア数は劇的に増加しており、多くのユーザーがマルチコア性能向上の恩恵を得られるようになった。過去のCPUから大幅な性能向上が期待できるだけに、自作PCの組み換えを検討しているユーザーも少なくないはずだ。

Intelのコンシューマ向けモデルでは初の8コアとなるCore i9-9900K。
AMDの8コアCPU Ryzen 7 2700X、コストパフォーマンスの高さも魅力。

 これら新CPUを利用する際に注意したいのが、Windows 7が新CPUのサポートを打ち切られている点だ。Windows 7では非サポートCPUへのWindows Updateによる更新が受けられない。新CPUを導入するのであれば、Windows 10の導入は必須と考えて良いだろう。

Windows 7では最新CPUはサポート対象外となっており、更新プログラムが提供されない。最新PCパーツを使用する際は注意したい。

リアルタイムレイトレーシングやHDRの利用はWindows 10のみ

 より美しい描画でゲームを楽しみたいゲーマーにとって、GeForce RTX 20 シリーズがもたらすリアルタイムレイトレーシングや、HDR(High Dynamic Range)は注目の技術だ。

 これらの技術はWindows 10のアップデートでサポートされるようになった新技術であるため、当然ながら利用にはWindows 10が必須となる。

リアルタイムトレーシングを実現したGeForce RTX 20シリーズ。
光の軌跡をトレースしてリアリティのある光の表現を可能とするリアルタイムレイトレーシング。DirectX RaytracingをサポートするWindows 10 October 2018 Updateが登場したことで、対応ゲーム登場の準備は整った。

 リアルタイムレイトレーシングは、先頃配信が再開された最新版「Windows 10 October 2018 Update」で追加される「DirectX Raytracing (DXR)」によって利用可能となる技術で、HDRは2017年登場の「Windows 10 Fall Creators Update」から利用できる。

Windows 10 October 2018 UpdateではWindows HD Color設定として、HDRやワイド色域の設定が行える。
HDR対応ゲームは大作を中心に増えており、身近なものとなりつつある。

ドライバ無しでNVMe SSDが利用できるWindows 10

 近年の進化が著しいPCパーツのひとつが、不揮発性メモリを記憶領域に活用するSSDだ。

 TLCやQLCといったフラッシュメモリの大容量化技術が確立する一方、次世代メモリ技術である3D XPointを採用した製品も登場。SSD向け通信プロトコル「NVMe」に対応したPCI Express接続の最新SSD(NVMe SSD)は、数GB/sクラスのデータ転送速度を実現している。

M.2タイプの製品が多いNVMe SSD。Windows 10であればドライバなどを気にせず使用することができる。
高性能モデルは3GB/sを超えるリード性能を発揮する。

 Windows 7でもNVMe SSDを利用できないわけではないが、Windows 7はNVMe SSD用のドライバを備えていないため、利用にはSSDメーカーが提供するドライバが必要だ。また、古いPCではNVMe SSDをブートデバイスとして利用できないといった問題があり、NVMe SSDがベストな性能を発揮できる最新環境を利用しようとすると、前述のCPUの非サポート問題も絡んでくる。

 一方、Windows 10はNVMe SSD向けのドライバを標準で備えており、OSをインストールする起動ディスクとしても、SATA接続のSSDやHDDと同じような扱いで簡単に利用できる。一般ユーザーでNVMe SSDを使いたいのであれば、Windows 10を使うのが確実だ。

起動の高速化や4Kディスプレイへの対応など、機能改善を続けるWindows 10

 Windows 10では様々な機能改善が行われており、起動時間を短縮する仕組みもその一つだ。起動を高速化するWindows 10自身の機能である「高速スタートアップ」をはじめ、Secure Boot、Fast Bootをサポートしており、シャットダウン状態からの起動を短時間で完了できる。

Windows 10が備える高速スタートアップと、Secure Boot、Fast Bootを組み合わせることで短時間での起動が可能となる。

 また、4Kディスプレイをはじめとする高精細ディスプレイ向けのスケーリング機能も強化されており、画面解像度の大きなディスプレイの導入は、表示領域の拡大だけでなく、表示品質の高精細化という方向にも活かせるようになった。フォントサイズなども高精細ディスプレイを意識したカスタマイズが可能になっている。

高解像度ディスプレイ向けのスケーリング機能も向上しており、画面サイズに合わせて表示サイズを調整できる。

Windows 7の延長サポートは1年少々で終了、OSの乗り換えが必要に

 最新のハードウェアや技術を活用できるWindows 10のメリットをいくつか紹介したが、Windows 7のサポート期限が間近に迫っていることも、Windows 10をプッシュする理由のひとつだ。

人気OSとなったWindows 7。
延長サポートは2020年1月14日で終了する。なお、Windows 8.1は2023年1月10日で延長サポートが終了。

 2009年にリリースされたWindows 7は、既にメインストリームサポートを終えて延長サポートのフェーズに移行している。この延長サポートが終了する期限が2020年1月14日であり、記事執筆時点で1年と2か月を切ってる。延長サポートの終了と共にWindows 7へのWindows Updateによる更新は終了となり、以降に発見された脆弱性などへの対応もされなくなる。

 つまり、現在Windows 7を使用しているユーザーの多くは、2020年1月14日までに新しいOSに乗り換える必要があるということだ。そうしたユーザーにとって、PCパーツのハードウェアが大きな進化を遂げた今は、ちょうどWindows 10への乗り換えに適した時期なのだ。

Windows 10を購入するなら安価なDSP版がおすすめ

 Windows 10には、インストールメディアの付属しない「オンラインコード版」、インストーラー入りUSBメモリが付属する「パッケージ版」、単品販売不可のインストールDVD版「DSP版」という3つの販売形態が存在する。

 もっとも安くOSを購入できるのが単品販売不可のDSP版だ。DSP版Windows 10は、PCパーツとセットで購入することが条件となる代わりに他のバージョンより安価で提供されている。

DSP版Windows 10の価格表。
他のバージョンより安価だが、PCパーツとの同時購入でなければ購入できない。

 DSP版はインストールメディアがDVDである点が、光学ドライブを省略することの珍しくない現代のPCではネックになると思われがちだが、マイクロソフトのウェブサイトで「MEDIA CREATION TOOL」を入手すれば、手持ちのUSBメモリ(8GB以上の容量が必要)を使って最新版Windows 10のインストールメディアを作成できる。こうしてインストールメディアを作ってしまえば、DSP版に付属するインストールDVDを使用する必要はない。

アップグレードでのWindows 10の導入には要注意、古いハードウェアはサポート外の場合も

IntelのWindows 10対応リスト。Sandy Bridge以前のCPUについて、Windows 10でのサポートを終了しており、内蔵GPUのドライバなども提供されていない。
Core i7-2600Kなどは非常に人気を集めたモデルだが、Sandy Bridgeユーザーも買い替えのタイミングが迫っているといえる。

 現在Windows 7のユーザーは遠からずOSの乗り換える必要に迫られることになる訳だが、この際に現在使用しているPCをWindows 10にアップグレードするのも一つの選択肢となる。

 ただ、注意が必要なのはWindows 10では、ある程度より古いハードウェアについては、製造メーカーのWindows 10でのサポートを打ち切っている点だ。

 例えば、Intel製のCPUは第2世代CoreプロセッサであるSandy Bridge以前のハードウェアに対するWindows 10用ドライバの提供を終了している。ビデオカードでもRadeon HD 4000 シリーズ以前のGPUにはドライバが提供されていない。

 Windows 10へのアップグレードを検討する場合は、各パーツメーカーがドライバを提供しているのかを事前に確認する必要がある。もっとも、既にWindows 10へのサポートを終了した製品は登場から相当の年数が経過している。Windows 7からの乗り換えを機に、新PCの導入するのがおすすめだ。

 なお、Windows 10に自分のPCがアップグレード可能かどうかは Microsoftの公式サイトに「Windows 10 アップグレード診断」ページが用意されているので、そちらから確認することもできる。

次回は最新世代PCで可能になる新機能から、NVMe SSDと高速起動のパフォーマンスを紹介

 今回は最新OSであるWindows 10の最新ハードウェアや新機能へのサポート具合をWindows 7と比較しながら紹介した。
 次回からは、Windows 7時代の典型的な自作PCと、Windows 10を搭載した最新鋭の自作PCとの比較を交えつつ、イマドキのPCで何が出来るようになったのかを紹介していく。

 まずはNVMe SSDやOSの高速スタートアップ機能などにより、新世代のPCが旧世代PCと比較してどれだけ快適になったのかを紹介する予定だ。PCの買い替えを検討しているユーザーにはぜひ参考にしてもらいたい。