PCパーツ名勝負数え歌

ゲームはなめらかな描画で気持ちよくプレイしたい!Amazonで買える“格安”4Kデュアルモード付きと“爆安”フルHD/200Hzのゲーミングモニターを試す

【第20戦】大激戦の低価格帯、パーツ高騰の影響も少なく狙い時!? text by 芹澤 正芳

 ウィー! どうも芹澤正芳です。「PCパーツ名勝負数え歌」の第20戦は“低価格で高リフレッシュレートのモニターを試す”だ。私は長らくPCゲームは圧倒的に画質こだわり派だった。3D表現の進化を目の当たりにしてきた世代だからだ。古い話だが、2007年発売のFPS「Crysis」の美麗なグラフィックスは本当に衝撃的だった。

 しかし、かつての雑誌「DOS/V POWER REPORT」2023年秋号掲載の特集「リフレッシュレートから選ぶGPUの最適解」の記事作成において数多くのゲームを高フレームレートでプレイした結果、“画質よりなめらかな描画のほうがゲーム体験としていいな”と思ってしまったのである。

 というわけで、今回は、AmazonなどECサイトで手軽に購入できて、低価格ながら高リフレッシュレートのゲーミングモニターにスポットを当ててみたい。2台用意したが、どちらも私が個人的に購入したものだ。

4K/160HzとフルHD/320Hzの「KTC H27P6」

 1台目はKTCの「H27P6」だ。27型のゲーミングモニターだが、4K/160HzとフルHD/320Hzの切り換えが可能なデュアルモード搭載で低価格なのが最大の特徴だ。私が購入したときの価格はAmazonで47,864円だった。原稿執筆時点(4月末)にはKTCの直販で39,380円、Amazonではクーポン付きやセール対象にもたびたびなるなど、タイミングによってはかなり低価格で入手可能だ。

4K/160HzとフルHD/320Hzのデュアルモードに対応する「KTC H27P6」。セールなどを狙えば4万円前後で購入可能という格安の4Kゲーミングモニターだ

 購入の動機は検証のためだった。CPUやGPUのベンチマーク用として4K対応は必須で、高フレームレート時のゲームプレイ感を確かめるには高リフレッシュレートが必要だ。デュアルモード対応のモニターなら、その2つを1台で済ませられるので私としてはうってつけだったのである。

 高リフレッシュレートはFPS/TPSでもっとも真価を発揮する。遠くにいる敵のわずかな動きを認識しやすく、振り向きなど視界が大きく動く場合でも視認性を確保しやすいためだ。しかし、多くのゲームをプレイするうちにオープンワールドのゲームでも非常に有効だと感じている。高リフレッシュレートによるなめらかな描画のほうが、その世界を歩いているという感覚が強くなるからだ。没入感をアップさせてくれる。

27型のFAST IPSパネルを採用。OLEDのような締まった黒ではないが、十分に鮮やかだ。オープンワールドゲームを4Kの高精細でプレイできる
Cyberpunk 2077: (C) 2026 CD PROJEKT S.A. All rights reserved.
VRRにも対応。RTX 5080でG-SYNC Compatibleが有効化できるのを確認した
4Kではリフレッシュレート160Hzまで設定できる
フルHDなら320Hzまで設定が可能になる
4K/160Hzでスケーリング150%でのアイコンのアップ。精細さが分かる
同じ画角でフルHD/320Hz&スケーリング100%で表示したアイコンのアップ。4Kのネイティブ表示に比べて少しボヤッとした表示になる

 H27P6は手頃な価格で仕様・機能が充実していることが大きな魅力だ。FAST IPSパネルを採用し、色鮮やか(sRGBカバー率99%)で1msの応答速度を実現。HDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×1、USB Type-C(最大90W)と4系統の入力があり、1台のマウスとキーボードを2台のPCで共有できるKVM機能を備えたUSBハブ(Type-A×2)、高機能なスタンドまで備えている。HDMI 2.1なのでPS5の120Hz駆動、VRRにも対応だ。

HDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×1、USB Type-C(最大90W)と4系統の入力。KVM機能付きのUSBハブも備える
スタンドは高さ調整、チルト、スイベルなどに対応する高機能なタイプ。本体サイズは616×536×212.8mmで、27型モニターとしては標準的
90度回転させるピボットにも対応。ケーブルをまとめるためのホルダーも備える

 ゲーミング機能として暗い部分を見えやすくする「ブラックイコライザー」、液晶特有の残像感を軽減する「MPRT」、FPS/RTS/映画/写真などジャンルごとのプリセット、画面中央に照準を出す「クロスヘアー」などがあり、定番はしっかり備えている。

 弱いところをあえて挙げれば、スピーカーを備えていないこと、エリア分割して調光するローカルディミングはないのでHDRは対応しているもののオマケ程度、デュアルモードの切り換えがOSDメニューの階層深くにあり、作業やゲームに合わせて頻繁に切り換えたい人にとってはちょっと手間、といったところか。使い方しだいではなくても大丈夫だったり妥協できたりするポイントでもある。

デュアルモードの切り換えはOSDメニューの詳細設定→デュアルモード→オンとちょっと深い場所にある
「ブラックイコライザ」などゲーミング機能も充実
OSDメニューは背面のスティックで操作する。反応は良好だった
VESAマウント(100×100mm)に対応
電源はACアダプター。168W出力ということもあってサイズは大きめ

 反応重視のゲームはフルHD/320Hzのなめらかさで楽しみ、オフィス/クリエイティブアプリでの作業や映像美重視のエンタメ用途のときには4K/160Hzの精細感を味わう、といったようにデュアルモードならではの使い分けができるのが一番の強み。これがかなり低価格で手に入る時代になったんだなぁとしみじみ思ってしまうのである。

1.5万円以下でフルHD/200Hzの「KOORUI G2411P」

 もう1台は多くの低価格ゲーミングモニターを手掛けるKOORUIの「G2411P」だ。画面全体を視野に入れられるサイズとしてFPS/TPSプレイヤーを中心に人気サイズの23.8型かつ200Hzの高リフレッシュレートで実売価格14,800円前後という低価格が最大の特徴だ。

 今回は入手タイミングの都合もあってKOORUIの製品を取り上げるが、似た仕様、近い価格の製品はかなり層が厚い。以下のレビューを“1万円台半ばまで購入できる激安ゲーミングモニターの一例”としても参考にしていただければ幸いだ。

23.8型でフルHD/200Hzの「KOORUI G2411P」。原稿執筆時点の価格は14,800円だった

 解像度はフルHDでIPSパネル(DCI-P3カバー率90%)を採用、1msの応答速度というスペックだ。入門用のゲーミングモニターとしてピッタリと言える。購入理由は、プライベートでゲームをプレイするのに向いていると考えたからだ。

23.8型のIPSパネルを採用。ちょっと明るめの黒だが鮮やかさは十分感じられる。オープンワールドゲームも十分見栄えがすると感じた
Cyberpunk 2077: (C) 2026 CD PROJEKT S.A. All rights reserved.
リフレッシュレート200Hzまで設定できる
フルHD/200Hzでスケーリング100%でのアイコン。フルHDなので多少ドット感はある

 サイズは541×322×60mmとコンパクトなので設置スペースをさほど取らず、フルHD解像度なら200Hzのリフレッシュレートを活かし切るのに、それほど高いスペックのPCを必要としない。私が下手ながらハマっているストリートファイター6や、数多くのFPS/TPS系タイトルにも23.8型サイズがちょうどよいというのも大きなポイントだ。

 スタンドは上下のチルトだけ、スピーカーは非搭載、HDRは対応しているがこちらもオマケ程度にとどまるなど、さすがにコストカットを感じる部分はあるものの、HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×1の3系統入力、VESAマウント(75×75mm)に対応。画面に照準を出す「照準器」、FPS/RPG/RCG/映画とジャンルごとのプリセットといったゲーミング向け機能も用意されており、ゲーミングモニターとしての必要十分な機能は揃っている。

入力はHDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×1の3系統
スタンドはチルトだけとシンプル
OSDメニューは背面のスティックで操作。レスポンスは良好だった

 デフォルトだとやや黄色っぽい暖色系の色合いで、画質は突出したものではないが、フルHDの低価格モデルとしてはお値段なりといったところ。画面のカラーバランスは3つのプリセット(標準/暖かい/クール)とRGB手動調整が可能で、DCR(Dynamic Contrast Ratio)による映像ソースに応じたコントラスト強調も持つ。

OSDメニューにはゲームジャンルごとのプリセットを用意
VRRにも対応。RTX 5080でG-SYNC Compatibleが有効化できるのを確認
VESAマウント(75×75mm)に対応

 真骨頂はやはりリフレッシュレートの高さで、一般的な60Hzのモニターに比べると200Hzは段違いになめらかだ。ゲームプレイの気持ちよさは明らかに変わってくるはずだ。もし、高リフレッシュレートの世界を未体験なら、まずは14,800円の投資をしてみてはどうだろうか。なお、HDMI 2.0なのでPS5の120Hz駆動には対応しているが、VRRには非対応である点は注意したい。

パーツが高い……こんなときこそモニターに投資して環境の底上げを!

 PCパーツの高騰が叫ばれる中だが、ゲーミングモニター購入の敷居は下がっている。デュアルモード対応で高機能なスタンド、多彩な機能を備えるKTC H27P6は3万円台で購入できるチャンスがあり、フルHD/200HzのKOORUI G2411Pは1.5万円切りが珍しくない。どちらもOLEDのような際立った画質ではないが、鮮やかなIPS系パネルなので安かろう悪かろうではまったくない。特に4Kの低価格ゲーミングモニターは、解像度の高さも相まってゲーム以外の用途でも十分快適にこなせるレベルであり、オスプレイとリコシェの空中戦のようにプロレス技の攻防がどんどんとハイレベルになっていくのを彷彿とさせる。

 また、Amazonで1万円台前半~半ばで販売されている24型/リフレッシュレート200Hz前後のゲーミングモニターは、KOORUIのほかにも、前述のKTC、AmzfastやINNOCN、Minifire……などなど、多数のメーカーがひしめき合っている。セール時期ともなると、大手メーカーの製品も1万円台に攻めてくる例が多く見られ、入門者向けゲーミングモニターの激戦区と言ってよい状態だ。まだゲーミングモニターを導入していないなら、この機会に検討してみてはどうだろうか。

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