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最速のGeForceを一般ユーザーに、ZOTAC AMP! Editionを選ぶ3つの理由

ゲーマー向けにチューニングされたビデオカードのOCモデルシリーズ text by 瀬文茶

 NVIDIA製GPU専門に手掛けるビデオカードメーカーの一つであるZOTAC。

 そのZOTACが「ゲーム体験をAmplify(増幅・拡張)する」という目的の元、独自のチューニングを施したオーバークロックビデオカードが「ZOTAC AMP! Edition」である。

 AMP! Editionは超高クロック品をラインナップすることでも知られており、例えば、現在日本で販売されているGeForce GTX 980 Ti搭載ビデオカードの最高クロックモデルは、ZOTACのGeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeとなっている。

 実パフォーマンスの高さがウリのシリーズだが、ただ高クロックに設定されているだけではない。クーラーや搭載パーツ、基板デザインに至るまで、ZOTACがこだわりを持って設計した特別なモデルなのだ。

 今回はその「AMP! Edition」の中から「GeForce GTX 900 シリーズ」を搭載したモデルを例に取り、魅力となるポイントを紹介しよう。

GTX 980 Tiモデルだけでも3モデル、ラインナップも豊富な「AMP! Edition」シリーズ

 今回用意したAMP! Editionシリーズの製品は、GeForce GTX 980 Ti搭載モデル3種、GeForce GTX 970、GeForce GTX 960、GeForce GTX 950を搭載した製品をそれぞれ各1種ずつの計6モデル。まずは各製品の名称と外観を写真で紹介する。

GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme (ZT-90505-10P)
GeForce GTX 980 Ti AMP!Omega (ZT-90504-10P)
GeForce GTX 980 Ti AMP! (ZT-90503-10P)
GeForce GTX 970 AMP! Omega Core Edition (ZT-90106-10P)
GeForce GTX 960 AMP! Edition (ZT-90309-10M)
GeForce GTX 950 AMP! Edition (ZT-90603-10M)
映像出力端子の構成は、GTX 960搭載モデル以上は共通となっている。
下位のGTX 950搭載モデルを含め全モデルバックプレートが搭載されている。

 なぜ、GeForce GTX 980 Ti搭載製品だけで3モデルもあるのかと思われた読者も少なくないと思われるが、MaxwellアーキテクチャのGeForce GTX 900世代のGPUを搭載するAMP! Editionは、従来モデルの「AMP!」加え、「AMP! Omega」と「AMP! Extreme」という新しいラインが追加された。

 ともにAMP! Editionの上位にあたり、最高のチューニングを施したモデルに「AMP! Extreme」、AMP! Extremeの一つ下位のモデルに「AMP! Omega」の名が与えられる。

 以下の表は今回用意したAMP!シリーズ製品群の主要なスペックをまとめたものだ。GeForce GTX 980 Ti搭載製品のスペックを見ると、AMP!、AMP! Omega、AMP! Extremeの順で、GPUやメモリの動作クロックが向上していることが確認できる。

製品名搭載GPUGPUクロックブーストクロックメモリメモリクロックGPUクーラーセミファンレス動作対応
GeForce GTX 980 Ti AMP! ExtremeGTX 980 Ti1,253MHz1,355MHz6GB GDDR57,220MHzTriple 90mm IceStorm
GeForce GTX 980 TiAMP! OmegaGTX 980 Ti1,178MHz1,279MHz6GB GDDR57,020MHzTriple 90mm IceStorm
GeForce GTX 980 TiAMP!GTX 980 Ti1,051MHz1,140MHz6GB GDDR57,010MHzTriple 90mm IceStorm
GeForce GTX 970 AMP! Omega Core EditionGTX 9701,152MHz1,304MHz4GB GDDR57,010MHzTriple 90mm IceStorm
GeForce GTX 960 AMP! EditionGTX 9601,266MHz1,329MHz4GB GDDR57,010MHzDual 90mm IceStorm
GeForce GTX 950 AMP! EditionGTX 9601,203MHz1,405MHz2GB GDDR57,020MHzDual 90mm IceStorm

 今回用意したモデルはすべて、「IceStorm」と名のついたZOTACオリジナル設計のGPUクーラーを備えている。これらの仕様が、どのようにゲーム体験をAmplifyしてくれるのか確認していこう。

理由その1リファレンスよりも1ランク上の性能を引き出すGPUのオーバークロックチューン

 まずはAMP! Editionシリーズ最大の特徴であるオーバークロック仕様についてチェックする。

 前述の通り、モデル毎に数値に差異はあるものの、いずれもNVIDIA製GPUのリファレンスクロックよりも高いクロックで動作するようチューニングされている。

 GPUもCPUと同様に、コアの基本的な仕様が同一であれば動作クロックが高いほど処理能力も高い。つまり、同シリーズの製品は、リファレンス仕様の同一GPU搭載ビデオカードより高い性能を発揮できるということだ。

 では、実際のところどの程度高い性能を発揮できるのだろうか。NVIDIAリファレンス仕様のGeForce GTX 980 TiとGeForce GTX 950を用意して、同一GPUを搭載したAMP! Editionシリーズとの性能差をベンチマークソフト「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(DirectX 11、1,920×1,080ドット、最高品質)でチェックしてみた。

ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme(上)とリファレンス版GeForce GTX 980 Ti(下)。
ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeの結果。スコアは「18,490」。
リファレンス版GeForce GTX 980 Tiの結果。スコアは「16,418」。
ZOTAC GeForce GTX 950 AMP!(上)とリファレンス版GeForce GTX 950(下)。
ZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Editionの結果。スコアは「7,023」、評価は「非常に快適」。
リファレンス版GeForce GTX 950の結果。スコアは「6,102」、評価は「とても快適」。

 GeForce GTX 980 Ti搭載のZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeは約12.6%、GeForce GTX 950搭載のZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Editionは約15.1%、それぞれのリファレンスモデルを上回るスコアを記録した。

 GeForce GTX 980 Ti搭載製品はともに最高評価を獲得しているためスコア評価に差は無いが、ZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Editionに関しては、ベンチマークスコアの向上により、スコア評価が「とても快適」から「非常に快適」へ1段引き上げられている。

 同シリーズのオーバークロック仕様が、リファレンスモデルより明確に1ランク上の性能を実現していることを示す好例と言えるだろう。

・テスト環境
CPUIntel Core i7-6700K
マザーボードASUS Z170-A
メモリCrucial CT2K8G4DFD8213(DDR4-2133、8GB×2)
電源SilverStone SST-ST85F-G(850W、80PLUS GOLD)
OS日本マイクロソフト Windows 10 Pro (64bit)
グラフィックドライバNVIDIA GEFORCE GAME READY DRIVER 358.50

理由その2OCビデオカードを強力に冷やす「IceStorm」クーラー、静粛性も優秀

ZOTAC IceStorm

 AMP! EditionシリーズのオーバークロックチューンがGPU性能を引き上げていることはベンチマークテストでも確認できた。

 ただ、オーバークロックはプラスの面だけをもたらす訳ではない。GPUの動作クロックを高め、その安定性を高めるためにGPUコアに印加する電圧を昇圧すれば、GPUコアの発熱は増加してしまう。この増加した発熱を適切に処理できなければ、高いパフォーマンスを安定して維持することはできない。

 そこで、ZOTACはオリジナル設計のGPUクーラーを搭載することで、オーバークロックで増加したGPUの発熱に対処している。

 今回紹介している最新世代のAMP! Editionシリーズ製品には、2~3基の冷却ファンを搭載した「IceStorm」と呼ばれる空冷GPUクーラーが搭載されている。

 モデル毎にスペックの違いはあるが、いずれもリファレンス仕様よりも大型のヒートシンクに複数の冷却ファンを搭載した冷却能力重視のGPUクーラーだ。

ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeに搭載されているIceStorm。EKOファンと呼ばれる独自形状のファンブレードを持つ3基の90mmファンを搭載した、3スロット占有の超大型GPUクーラー。
ヒートシンク。8mm径4本と6mm径2本のヒートパイプを備えている。
ベースユニット周辺。
こちらはZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Editionに搭載されているIceStorm。2基の90mmファンを搭載した2スロット占有のGPUクーラー。
ヒートシンク。6mm径のヒートパイプを2本備えている。
ベースユニット周辺。

 見た目からも高い冷却性能を持っていそうな雰囲気が漂うIceStormだが、実際のパフォーマンスはどうなのか。先に紹介したベンチマークテスト実行中のGPU温度のデータをグラフ化したものを以下に掲載する。(測定条件:室温28℃)

ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! ExtremeのIceStormのGPU温度とファン回転数データ。
リファレンス版GeForce GTX 980 TiのGPU温度とファン回転数データ。
ZOTAC GeForce GTX 950 AMP! EditionのGPU温度とファン回転数データ。
リファレンス版GeForce GTX 950のGPU温度とファン回転数データ。

 GeForce GTX 980 Tiを大幅にオーバークロックして搭載したZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeは、オーバークロックを施しているにも関わらず、リファレンスモデルに比べ、より低いGPU温度をより低いファン回転数で実現していることが確認できる。

 これは、IceStormを搭載した同シリーズの製品が、オーバークロックによるGPUの発熱増加を適切に処理できているだけでなく、リファレンスモデルよりも高い静粛性を実現しているということだ。

 ZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Editionについては、最大GPU温度は70℃前後、ファン回転数は最大2,000rpm前後となっており、リファレンスより高い結果ではあるものの、大幅なオーバークロックを施していることを考えれば、十分静かな動作音で冷やせていると言える結果だ。

 また、今回テストしたモデルに搭載されたIceStormは、GPU温度が一定以下に保たれている状況では、冷却ファンを停止して静粛性の向上を図るセミファンレス機能をサポートしている。高い冷却能力をいかして、高負荷、低負荷を問わず高い静粛性を提供するオリジナルGPUクーラーの存在は、AMP! Editionシリーズの大きな魅力である。

理由その3安定した動作を確実なものとする基板設計、グレードに合わせ実装パーツも強化

上位モデルには同社が「POWER BOOST」と呼ぶ、高クロック時でも安定性を保つための高品質パーツが採用されている。

 オーバークロックによる高い性能と、高性能なGPUクーラーによる静粛性の高さ。これらに加え、AMP! Editionシリーズ製品の信頼性を高めている要素が、適切な基板設計だ。

 安定したオーバークロック動作を実現するためには、増加する発熱への対処だけでなく、GPUへの安定した電力供給が必要不可欠だ。

 CPUのオーバークロックならば、強力な電源回路を備えたマザーボードを選択することで、CPUへの電力供給の安定化を図ることができるが、GPUはCPUのように基板から取り外すことはできない。つまり、ビデオカードにとって、オーバークロックの安定化に大きな役割を担う基板の電源回路品質は、製品ごとに変えることのできない要素なのである。

 ZOTACのAMP! Editionシリーズ製品では、リファレンスデザインを踏襲しつつ冷却の強化などを図った基板から、強力な電源回路を搭載した完全オリジナル設計の基板まで、オーバークロックの度合いや製品のグレードに合わせて適切な基板を採用している。

ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeの基板。
ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extremeの基板裏面。
リファレンス版(写真下側)との比較。基板サイズが大きく、電源回路周辺の実装もリファレンス版とは大きく異なる。
ZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Editionの基板。
ZOTAC GeForce GTX 950 AMP! Edition。基板裏面。
リファレンス版(写真下側)との比較。基本的な設計を踏襲しつつ、電源回路の実装部品などを変更。MOSFETにヒートシンクを搭載して冷却を強化している。

AMP!シリーズ製品のパフォーマンス比較、モデル間の性能差をチェック

 さて、ここまでAMP!シリーズ製品の魅力をピックアップして紹介してきた訳だが、最後に、今回用意した6製品で実行したベンチマークテストのスコアを並べてみた。

 自分がどの程度のパフォーマンスを必要しているのかによって、選択すべき製品は異なってくる。以下のグラフを購入の際、参考にして貰えれば幸いだ。

より良い環境でゲームに集中できるZOTAC AMP! Edition、設定不要で高パフォーマンスを発揮

 GPUのオーバークロックはユーザー個人で行うこと自体は可能だが、故障時の製品保証は失効するし、どの程度のクロックで安定させられるのか、誰も保証はしてくれない。

 対して、AMP! Edition製品のオーバークロック仕様は、ZOTACがメーカーとして安定性を保証したものであり、個人で行うオーバークロックとは一線を画している。

 オーバークロック動作を前提に設計された、高性能なGPUクーラーと基板を備え、メーカー保証付きでオーバークロックされたGPUのパフォーマンスが得られるAMP! Editionシリーズ製品。性能と静粛性、そして最も重要と言える安定性も兼ね備えたこのビデオカードなら、そのコンセプト通り、集中してゲームを楽しみたいユーザーのゲーム体験をAmplifyしてくれることだろう。

[制作協力:ZOTAC]

瀬文茶