忍者増田のレトロゲーム忍法帖

忍者増田が『マッピー』をプレイ! ファミコン版とPlayStation版の違いから見えたそれぞれの魅力

~ナムコ『マッピー』編 参ノ巻~

『マッピー』が収録された『ナムコミュージアム VOL.2』と忍者増田氏。

 ファミコン版とナムコミュージアム VOL.2収録版(以下、PlayStaion版)の『マッピー』を久しぶりにプレイする忍者増田氏。

 両作品の違いを楽しみながらプレイしましたが、はたして少年時代のスコアを抜くことはできたのでしょうか?



ファミコン版では学生時代よりもスコアが大幅アップ! ターゲットの獲得順が高得点への道

ターゲットは、同じものを続けて取っていくと得点が倍増していく。(写真はファミコン版)

 屋敷内に置かれたターゲットの種類と点数は、ファミコン版もアーケード版も同じ。

 ラジカセ(100点)、テレビ(200点)、マイコン(300点)、モナリザ(400点)、金庫(500点)の5種類があり、各ステージに同じものが2つずつ用意されています。

 1つを取るともう1つが点滅し、点滅しているターゲットを連続して取っていくと、獲得点数の倍率が2倍…3倍…と上がっていくのでござる。

マッピーが集めるターゲットの数々(写真はファミコン版)
ラジカセ:100点
ダブルカセットになる前の、大きく武骨なラジカセを、ドットでリアルに表現。
テレビ:200点
今のテレビとは縦横の比率が異なるブラウン管のテレビ。
マイコン:300点
当時のオールインワンタイプのマイコンがモデルだろうか?
モナリザ:400点
モナリザの油彩画。少ないドットできちんとモナリザを表現していることに感服。
金庫:500点
ターゲットで一番高い。なかには何が入っているのかな?

 つまり、点数が低いものから順に、ラジカセ2個→テレビ2個→マイコン2個→モナリザ2個→金庫2個と取っていくのが最も高得点となるわけですが、当時はそんなことを考えずにプレイしていました。今回のファミコン版はせっかくなので、そんなことを考えてプレイしてみました。

 結果、スコアは30万超え(ラウンド37)を達成。当時どれだけのスコアを出していたかはっきり覚えていないでござるが、きっと10万超えくらいだったと思うので、これは大きな進歩です。ターゲットの獲得順に気をつけただけではここまでスコアは上昇しないので、きっと今のほうがプレイがうまくなっています。これは少し意外だったなあ。

【忍者増田氏によるファミコン版『マッピー』のプレイ動画】

PlayStation版はファミコン版よりも難度が高い印象でもアーケード版そのままの内容とサウンドに満足

 そしてPlayStation版の『マッピー』ですが、コチラは当然ながらアーケード版に忠実な移植。ファミコン版と同様、ターゲットの獲得順を意識しながらプレイしてみたけど、なんと10万超えがやっとでした。確実にファミコン版より難度が高い印象です。

 そっか、アーケード版は、ドアダッシュしたとき、ドアに近いところにターゲットがあるとすり抜けちゃうんだったなぁ。こうなるとターゲットを取れず、もう一度取りに戻らねばならないんですよね。ファミコン版は、それがありません。きっとファミコン版は難度を下げるため、あえてそうしたんじゃないかと勝手に想像してみましたが、どうでしょうか? もしそうならば、さすがの細やかな気配りでござるな。

PlayStation版でのドアダッシュ。マッピーが手前に開いたドアに体がかかったところでドアを閉めると、前方に押し出される。ターゲットがドア近くにあると、このようにすり抜けてしまうことも。
PlayStation版のボーナスラウンドは、ファミコン版に比べて難しい。

 また、ファミコン版と比べて、ボーナスラウンドもシビアですね。ファミコン版では全ボーナスラウンドで風船をすべて割ることができたのですが、コチラではすべて割れずに終えたラウンドがいくつもありました。

 スコアは伸びなかったけど、もちろん、難度が高いから不満というわけではありません。アーケード版そのままの内容とサウンドをじっくり楽しませていただきました。安定の面白さです。

 そう、アーケード同様ネームエントリーもあるので、例の一番のお気に入りBGMを久しぶりにじっくり聴けたでござるよ。いやあ、やっぱりあの「♪ちゃららららんちゃん ちゃんちゃーん」というコミカルなメロディーは耳に心地いいです。

PlayStation版では、増田氏お気に入りのネームエントリーBGMが聴ける!
【忍者増田氏によるPlayStation版『マッピー』(ナムコミュージアム VOL.2収録)のプレイ動画】
ちなみに、PlayStation版では、当時の『マッピー』の貴重な資料も見ることができる。

 ゲーム音楽というものをほとんど聴かなくなって久しい拙者。今回『マッピー』をプレイして、やはり自分が好きだったゲーム音楽は、当時のいかにも電子音って感じの「ピコピコ」なサウンドだったということを再確認しました。ゲーム音楽が一番ゲーム音楽らしかった時代を過ごせた拙者は、非常に幸せなゲーマーだったと思うでござるよ。ニンニン。


 ファミコン版では移植のクオリティーの高さを、PlayStaion版ではBGMの心地良さを再確認した忍者増田氏でした!

 ※次回掲載は8月22日(火)を予定しています。

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『マッピー』を今遊ぶには?(参考価格/価格は税込表記)
ファミコン版(中古品)400円前後
PlayStation版『ナムコミュージアム VOL.2』(中古品)1,000円前後
PSP版『ナムコミュージアム VOL.2』(中古品)6,500円前後
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ゲームギア版(中古品)1,000円前後
ゲームボーイアドバンス版(中古品)2,600円前後
ニンテンドーDS版『ナムコミュージアムDS』(中古品)3,300円前後
ニンテンドー3DSダウンロード版463円
Wii Uダウンロード版463円
※2017年7月調べ

注釈

  1. ラジカセ
    ラジオとカセットテープレコーダーを一体化した音響機器。のちにカセットテープレコーダー2台を搭載したダブルカセット型が主流となり、カセットテープからカセットテープへのダビング時に重宝した。
  2. マイコン
    マイクロコンピューターの略称。現在でいう、PCやパソコンのこと。パソコンという言葉が一般化する前に、マイコンと呼ばれていた時代があったのだ。
  3. オールインワン
    PC本体、ディスプレイ、キーボード、データレコーダーが一体となったスタイルのPCのこと。シャープの、初期のMZシリーズに見られた設計。後の時代のオールインワンPCといえば、データーレコーダーがHDDとCD-ROMドライブに変わってOSとアプリがプリインストールされたもの。スタイルは時代によって違うけど、要は買ってすぐ使える状態のPCってことね。
  4. ドアダッシュ
    手前に開いているドアで、マッピーをダッシュさせる技。マッピーの体の一部がドアにかかったときにドアを閉めると、マッピーをドアの向こうに飛ばすことができる。追いかけてくるミューキーズをまくときに重宝する技。

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

増田厚(ペンネーム:忍者増田)

 茨城県生まれ。漫画『ゲームセンターあらし』や『マイコン電児ラン』の影響を受け、中学2年生のときにパソコンをいじり始める。東京の大学入学と同時に、パソコンゲーム誌『ログイン』にバイトとして採用され、6年間在籍。忍者装束を着て誌面に出る編集者として認知度が高まる。その後、家庭用ゲーム雑誌『週刊ファミ通』に3年在籍したあと、フリーライターとなる。現在はおもに、雑誌やWeb、攻略本などでゲームのレビュー記事や攻略記事を執筆しつつ、ゲーム以外のライティングも。得意なゲームは、『ポケモン』、『ウィザードリィ』、『サカつく』など。