自作PCで楽しむ!仮想通貨マイニング

マイニング専用電源のメリットとは、割安な「Andyson GM1200」の特徴を紹介

価格、性能、設計など仮想通貨マイニング向けのポイントを確認 text by マイナー太郎

Andyson GM1200

 仮想通貨マイニングというと、ビデオカードの話題が主役になりがちです。しかし、そのビデオカードが安定して動作するために電力を供給する電源の存在も忘れてはいけません。

 高級電源は品質も高く、保証期間も長かったりしますが、その分高価。格安電源は導入コストは抑えられるものの、高負荷が長時間続くことが想定されていない製品もあり、無理をさせれば故障や事故の原因になったりもします。

 性能が目に見えにくいジャンルの製品なので、マイニングに使う電源を選ぶ際に悩む人もいるのではないでしょうか。

 そこで、今回はまだあまり一般的では無い「マイニング専用電源」をご紹介します。取り上げるのは「Andyson GM1200」。販売価格は税込26,800円ほどで、1,200W電源としては最安クラスのコストパフォーマンスに優れたモデルです。

安価でマイニングに使用しても保証あり! マイニング専用電源の特徴

Andyson GM1200の出力
パッケージには「90 PLUS EFFICIENCY」と80 PLUSっぽい謎の表記が

 今回取り上げるAndyson GM1200ですが、最大の特徴は安価な点です。

 仮想通貨マイニングで利益を上げたい場合、以下に安くPCパーツを揃えられるかといったところが重要になりますが、ただ安ければ良いというものではなく、ある程度の品質や性能は必要です。

 ただし、カタログの数値だけではわからない部分もあり、電源の性能を判断するのは難しかったりします。その点、「マイニング用」とうたう電源は、マイニングで使用することを前提に販売されているので、性能指標の一つとして見ることができます。

 また、マイニングに使用しても保証が受けられる部分もメリットです。電源によっては、マイニングに使用している際に故障した場合は保証が受けられない製品もあります。マイニングは24時間365日高負荷状態が続くので、設計段階でこうした用途を想定していない場合は、故障や事故の原因になってしまう場合もあります。

 この点、マイニング用電源はマイニングに使うことを前提に作られており、故障時にも保証も受けられるので、一般的なPC用電源にはないメリットを持っています。

 なお、Andyson GM1200は、マイニングに不要な部分は全てそぎ落として低価格化を図ったモデルで、80 PLUSなどの指標の認証取得、静音性を高めるための機能、利便性を高める機能や飾り付けなど、削れるところは削ったモデルになります。

 パッケージに「90 PLUS EFFICIENCY」と効率を表すと思われるマークがありますが、80 PLUSではないので、正直謎の指標になっています(笑)。なお、代理店の情報によると、80 PLUS GOLD相当の変換効率性能を持った製品ではあるそうです。

内部接続用ケーブルなどがある前面側。
こちらは背面側。前面/背面の計2ヶ所にファンを搭載している。

 ちなみに、ファンは電源に前面と裏面側に搭載されており、回転数は冷却性能最優先の常時100%動作。ちなみに、これがどれくらいうるさいかというと、ビデオカード8枚分くらいといった感じです。ビデオカード×8枚構成のリグを何度も組んできましたが、搭載ビデオカード全ての騒音と電源の騒音を比べたときは良い勝負とった感じです(苦笑)。まあ、その分、高負荷でも動作温度はほんのり温かい程度といった感じでした。

 謎の指標が記載されていたり、常時爆音だったりと気になる部分はありますが、マイニングで酷使しても1年間は保証が受けられるので、割り切って使う分には悪くない製品です。

実はケーブル長やコネクタ数もマイニング向けではかなり重要!ケーブル着脱式は実は不向き?

マイニング用電源のケーブルは、リグの端にあるビデオカードまで届くように長めになっている。

 価格や性能、保証などの他にもマイニング用として重要になる部分があります。それがケーブル長です。

 ビデオカードの枚数が増えてくると、元々の電源ケーブルでは一番遠いビデオカードにケーブルが届かなくなることもあります。その点、マイニング用電源はPCケースなどではなく、リグで使用することを想定して設計されているので、ケーブルも余裕を持った長さになっています。

 また、ビデオカード用のPCIe補助電源コネクタも8基(6ピン+2ピン)、ライザーカードへの充電に使えるSATA電源コネクタが4基/ペリフェラル4ピンが9基と、コネクタが多めなのも特徴です。このあたりは使用可能なビデオカードの最大枚数に直結する部分なので、コネクタが多いに越したことはありません。

ビデオカードに電力を供給するコネクタ数の多さも重要。
SATAやペリフェラル4ピンの数にあわせ、使用可能なライザーカードを揃えよう。

 ちなみに、ケーブルが着脱できるフルモジュラータイプの電源がPC用では人気ですが、マイニング用では実は不利な部分もあります。モジュラータイプは必要なケーブルのみを接続し、ケーブルを綺麗にまとめることができますが、ケーブルを繋げる手間がかかります。

 モジュラータイプであれば電源とビデオカードの二ヶ所に接続する必要があり、手間は2回。元々本体から出ているものであればビデオカードに接続するだけで、手間は1回になります。大差ないと思うかもしれませんが、これがリグを20台、30台と組むことになった場合は結構しゃれにならない差になります。はじめから電源ケーブルが本体から出ているものであれば接続にかかる時間は半分になり、疲労度が限界に達する時間も倍稼げます(笑)。

 といった感じで今回マイニング専用電源をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。高級感や静音性といった面は……といった部分もありますが、より収益性を追求したいという人や、マイニング用にどれを購入したら良いかわからないといった人にはおすすめできるモデルです。

Andyson GM1200を使用して構築したリグ。ケーブルが一般的な電源よりも長いので、一番遠いビデオカードにもゆとりをもってケーブルが届きます。