ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
これを買えば、きっと素晴らしいCGがスイスイ描けると思った人も多いはず?ハル研究所の「CAT-8800」
2018年6月14日 08:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変えて、当時の周辺機器を取り上げる番外編その1「CAT-8800編」となります。
1980年代、マイコンやパソコンでコンピュータグラフィックス(CG)を描こうとすると、それはもう大変な苦労がありました。
一番安上がりで身近な方法は(1)紙に下描きをし(2)それをラップへと写し取り(3)ラップ自体をモニタに貼り付け(4)ラップの下描き線の真下にマイコン側のラインが引かれるようBASICでプログラムを組む、という方法(ラップスキャン)でした。手軽な代わりに労力は大きく、楽な方法は無いものかと模索した人も多いと思います。筆者もその一人でしたが、そのときに当時の雑誌広告を見て購入したのが、ここで取り上げた「CAT-8800」でした。加えて、ポプコムソフトから発売されたスーパーグラフィックツール「ダ・ビンチ」も合わせて買い、ラップスキャンが格段に楽になったものです。ただし、道具が揃っても描いた下絵が下手だったため“豚に真珠”状態となり、わずか数日間しか使うことはありませんでしたが……。
「CAT-8800」はトラックボールデバイスで、手前に小さなボール、奥には3つ(MSX対応版は2つ)のボタンが設置されています。これを制御するための拡張カードも同梱されていて、マイコン本体の背面にある拡張カードスロットへ挿し込んでから使用しました。
付属の作図用プログラム「TED」を介して使用するほか、有名どころの市販ソフトとしては小学館から発売されていたポプコムソフトの「スーパーグラフィックツール ダ・ビンチ」が対応していましたが、他にもいくつかのソフトで使えたはずです。マニュアルを参照すればBASICからも制御が出来たため、この当時としての使い勝手はそれなりに良かったと思います。さらに、一部のゲームに対応していたようですが、こちらは残念ながら動作確認は取れませんでした。
この時代、趣味目的でマイコン・パソコンを入手した人にとって、マウスやデジタイザといったハードはまだまだ縁遠いデバイスでしたが、雑誌広告で“これを使えばCGがスイスイ描けそう”と思わせてくれた「CAT」シリーズは、非常に身近に感じられました。
ラインアップとしては、PC-8801シリーズ&PC-8001mkII対応版の「CAT-8800」とMSX対応版「CAT」の他、X1シリーズ対応版「CAT-X1」、PC-9801シリーズ対応版「CAT-9800」、Apple II対応版「CAT-II」が用意されていましたので、購入した方もそれなりにいたのではないでしょうか?