ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

PC-9801シリーズに待望のFDD内蔵モデルが誕生「PC-9801F」

PC-9801やPC-9801Eとは違い、FDDを縦に2段で搭載しているため、PC-9801E以上にずんぐりむっくりした印象を受けます。左右の幅は、PC-9801Eとほぼ同じです

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、NECのPC-9801シリーズ初となるFDD内蔵モデル「PC-9801F」です。

 1982年に発売された初代PC-9801は、日本語が使えるビジネスマシンというキャッチで市場へとデビューしましたが、それにもかかわらず漢字ROMを内蔵していないなどの弱点を持っていました。そんな初代機を改良して世に送り出されたのが、さまざまなパワーアップが施されたPC-9801Fです。

正面から見ても、背丈がPC-9801やPC-9801Eと比べてかなり延びています。FDD2基を縦に配置したからですが、太っちょに見えるデザインです。PC-9801シリーズとしては珍しく、電源ボタンがFDDの右側に設置されていて、左下にリセットボタンとクロック切り替えスイッチがあります。キーボード接続コネクタが右下にないのも特長です

 その仕様は、ビジネスマシンとして必須であろう第1水準漢字ROMを標準搭載しただけでなく、8インチドライブから代わって主流になりつつあった5インチドライブも外付けではなく本体に内蔵しました。価格は、5インチ2DDドライブ2基モデルのPC-9801F2がPC-9801から10万円アップとなる398,000円、5インチ2DDドライブ1基モデルのPC-9801F1が328,000円と、初代PC-9801から考えればかなりお買い得な構成となっていました。

広告には「パワフルに、より身近に。PC-9801F」というキャッチコピーが使われていました。PC-9801Fの“F”は、フロッピーディスクドライブを内蔵したことを強調したものと思われます

 CPUは、16ビットの8086-2(8MHz)を搭載し、本体正面のクロック切り替えスイッチで5MHzと8MHzの切り替えができるようになっています。グラフィック用VRAMはPC-9801から倍増し192KBとなったことで、640×400ドット・8色2画面となりました。オプションで、4オクターブ8重和音が演奏可能なミュージックジェネレータボードも用意され、これを使うことでステレオ演奏も奏でることができます。

ガワを外して中を見ると、これまでの2機種とは配置が大きく異なっているのがわかります
背面は左から電源コネクタ、サービスコンセント、5インチ2DDフロッピーディスクコネクタ、冷却ファン、拡張スロット×4となっています。下段は左からキーボードコネクタ、デジタルRGB端子、モノクロ端子、5インチ2Dフロッピーディスク接続コネクタ、ディップスイッチ、RS-232Cコネクタ、プリンタコネクタです

 PC-9801では6スロット用意されていた拡張スロットはPC-9801Fでは4スロットに減りましたが、漢字ROMと拡張用5インチ2DDフロッピーディスクドライブ用インタフェースを内蔵しているので、差し引きゼロというところでしょうか。内部構成はPC-9801、PC-9801Eからガラリと変わり、排熱ファンが背面に設置されました。この背面形状はその後、長きにわたって使われ続けていくことになります。なお、PC-9801F付属のキーボードもPC-9801Eと同じくスカルプチャータイプのもので、右上に“PC-9801”の表記のみのバージョンとなっています。