ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
PC-9801シリーズに待望のFDD内蔵モデルが誕生「PC-9801F」
2019年3月5日 07:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、NECのPC-9801シリーズ初となるFDD内蔵モデル「PC-9801F」です。
1982年に発売された初代PC-9801は、日本語が使えるビジネスマシンというキャッチで市場へとデビューしましたが、それにもかかわらず漢字ROMを内蔵していないなどの弱点を持っていました。そんな初代機を改良して世に送り出されたのが、さまざまなパワーアップが施されたPC-9801Fです。
その仕様は、ビジネスマシンとして必須であろう第1水準漢字ROMを標準搭載しただけでなく、8インチドライブから代わって主流になりつつあった5インチドライブも外付けではなく本体に内蔵しました。価格は、5インチ2DDドライブ2基モデルのPC-9801F2がPC-9801から10万円アップとなる398,000円、5インチ2DDドライブ1基モデルのPC-9801F1が328,000円と、初代PC-9801から考えればかなりお買い得な構成となっていました。
CPUは、16ビットの8086-2(8MHz)を搭載し、本体正面のクロック切り替えスイッチで5MHzと8MHzの切り替えができるようになっています。グラフィック用VRAMはPC-9801から倍増し192KBとなったことで、640×400ドット・8色2画面となりました。オプションで、4オクターブ8重和音が演奏可能なミュージックジェネレータボードも用意され、これを使うことでステレオ演奏も奏でることができます。
PC-9801では6スロット用意されていた拡張スロットはPC-9801Fでは4スロットに減りましたが、漢字ROMと拡張用5インチ2DDフロッピーディスクドライブ用インタフェースを内蔵しているので、差し引きゼロというところでしょうか。内部構成はPC-9801、PC-9801Eからガラリと変わり、排熱ファンが背面に設置されました。この背面形状はその後、長きにわたって使われ続けていくことになります。なお、PC-9801F付属のキーボードもPC-9801Eと同じくステップスカルプチャータイプのもので、右上に“PC-9801”の表記のみのバージョンとなっています。