ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
PC-98黄金期時代を作るきっかけとなった「NEC PC-9801VM2」
2019年11月19日 08:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、NECのPC-98シリーズでも特に有名な「PC-9801VM2」です。発売は1985年。
1983年にPC-9801シリーズをデビューさせたNECは、その後PC-9801E、PC-9801F、PC-9801Mとリリースしてきました。そして、1985年の7月1日にPC-9801VFシリーズと共に発表されたのが、PC-98シリーズを代表する名機となったPC-9801VMシリーズです。当初は、FDD非搭載のPC-9801VM0(295,000円)と、FDD2基を搭載したPC-9801VM2(415,000円)が発売されました。
PC-9801Mは2HD専用、PC-9801FとPC-9801VFは2DD専用でしたが、PC-9801VM2は5インチ2DDと2HDの両方を自動切り替えで扱うことができたほか、CPUは8MHzと10MHzの切り替え可能なV30を搭載。初期内蔵メモリもPC-9801VFの256KBから増え、当時としては大容量の384KBとなっていました。
筐体のデザイン面では、PC-9801FやPC-9801Mでは背面に存在したディップスイッチを正面へと移動し、スペースができた部分にアナログRGB出力を設けています。正面左にはリセットスイッチとCPUのクロック切り替えスイッチが、右には蓋で隠された中に3連のディップスイッチが設置されていました。
なお、グラフィック表示は4096色中8色2画面となっていて、オプションの16色ボード(PC-9801-24)を挿すことで4,096色中16色表示が可能となります。後のゲームは、メモリ640KBと4,096色中16色表示、2HDが読み書きできるディスクドライブを要求するものがほとんどでしたが、PC-9801VM2は若干の増設を行うことでそれに対応できたため、息の長いマシンとなりました。
1985年9月号の月刊アスキー誌ではベンチマークテストも実行されていて、それによるとPC-9801Fと比べて最大で約2倍もの処理速度が計測されたということで、評判も上々だったようです。このときの結論としては、「ホビー・ホームユースはVF、ビジネスはVM、最先端はXA」となっていましたが、同年8月28日には日本語ワープロソフト『一太郎』が当時のジャストシステムから発売され、そのためにPC-9801VM2を導入したという話も聞きましたので、この評価も間違ってはいなかったということになるのではないでしょうか。
9月には、20MBのSASI HDDを搭載したPC-9801VM4も発売され、PC-9801VF2とPC-9801VM0、PC-9801VM2、そしてPC-9801VM4というラインアップが完成します。