ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

X1turboシリーズ、その最終機種となったハード「X1turboIII」

本体デザインがturbo、turboIIから変更され、後に登場するturboZと同じ外見になっています。キーボードも本体カラーに合わせてブラックとオフィスグレーが用意されていました

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、シャープのX1turboシリーズ最終機種「X1turboIII」です。発売は1986年。

 1984年の秋も深まってきた頃に発売された、新シリーズとなるX1turbo。そのちょうど1年後となる1985年には、X1turboIIが市場へとデビューします。turboIIは、X1turboにはなかったブラックという新カラーを投入し、またX1turboよりも10万円値下げされた178,000円という価格で人気を博しました。

 そしてさらに1年後、1986年にリリースされたのが、X1turboシリーズ最終モデルとなるX1turboIIIです。当時のOh!MZなどを調べてみると、どうやら発売されたのは10月1日のようですが、これは翌日開催されたエレクトロニクスショー ‘86での新製品発表と被らないようにしたためなのかもしれません。ちなみに、10月2日のエレクトロニクスショー ‘86では、あのX68000が初お披露目されています。

正面右下には、押すと開く蓋がついています。これを開けると左から、ボリュームつまみ、IPLリセット、NMIリセット、起動ディスクタイプ選択ボタン、VTR録画モードボタン、200ライン自動切り替えストップボタン、標準/高解像度切換ボタンが配置されています。なおFDDのアクセスランプは、2D時は赤、2HDの時は緑に光ります

 X1turboIIIの価格ですが、turboIIから1万円ダウンとなる168,000円の値付けがなされていて、それでいて内蔵FDDが2Dだけでなく2HDにも対応しました。さらに、従来のJIS第1水準漢字に加えJIS第2水準漢字も収納するなど、実用面でも役立つパワーアップが行われています。本体カラーは、turboIIで大好評だったブラックのほか、オフィスグレーも用意。ちなみに、168,000円という値段は、初代X1turboのModel 10と同じ価格でした。

ブラックモデルの渋さが際立つ写真と共に「ターボの系譜を受け継いで、さらに実力アップ」というキャッチで紹介されていました

 上記以外の機能はX1turboから引き継がれていて、PC-8801mkIISRを上回る640×400ドットの解像度で8色が使えたほか(PC-8801mkIISRは、640×200ドットで512色中8色が使用可能)、スーパーインポーズ画面をビデオに録画できるデジタルテロッパも搭載されています。さらには、ステレオタイプ8重和音FM音源ボードCZ-8BS1も、拡張I/Oスロットに挿すことができました。

背面は左上から、映像入力、映像出力、拡張I/Oスロット。続いて左下よりデジタルRGB出力端子、TVコントロール端子、CMT端子、ビデオカット、拡張フロッピーディスク接続端子、マウス端子、RS-232Cコネクタ、プリンタポート、ジョイスティック端子、ディップスイッチ、オーディオカット、キーボード接続端子と並んでいます

 もちろん、これまでに発売されてきた豊富なソフト資産はそのまま活用できるコンパチブル設計となっていますので、過去のゲームなどが動かなくなる心配は皆無です。カセットテープのソフトも、別売りのデータレコーダCZ-8RL1を専用ケーブルで電磁式カセットレコーダ用インタフェースへ接続すれば、マニアタイプやアクティブタイプの内蔵電磁メカカセットを使っている感覚でプレイすることができました。

 X1turbo、turboII、turboIIIと続いたturboシリーズは本機で最後となり、以後はこの後すぐ登場することとなるturboZシリーズとして発展していくことになります。