ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
MSX最初期組のうちの1台「三菱 ML-8000」
2020年1月28日 07:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、三菱が1983年に発売したMSX、ML-8000を取り上げます。
MSX規格が発表された1983年、多数のメーカーがその市場へとハードを送り出していくことになりますが、最初の年にMSXを発売したうちの1社が三菱電機でした。その機種名は「ML-8000」。質実剛健なデザインが目を引く1台です。
広告では「ML-8000形は、MULTIー16、MULTIー8などで蓄積された、パソコン技術のすべてを結集。高機能、高性能で、新登場です。」と謳われていました。MULTI-8は、ML-8000と同じ1983年に発売された8ビットパソコンで、MULTI-16は1982年登場の16ビットパソコンです。
スペックとしては、メモリは32KBを搭載。CMT端子やプリンタポートも備わっていましたが、カートリッジスロットは1つでした。
銀色を基調としたデザインは非常に渋く、カーソルキーとSTOPキーが緑、それ以外の特殊キーが青、通常のキーが白と色分けされていたこともあり、見た目からはスッキリとした印象を受けます。
また、ファンクションキーやSELECTキーなどが、他のキーよりも若干大きいのも特徴でしょう。ちなみに、このカラーリングは同時発売されたディスプレイやデータレコーダなどと共に統一されているので、同社製のハードを揃えることで見た目が引き立ちました。
オプションとして外付けのHEXテンキーパッドが用意され、それを本体に接続することで数字とA~Fまでのキーが右手だけで入力できるようになっています。あまり数が出たとは思えませんので、持っている人は貴重な逸品かもしれません。
他に珍しい部分としては、拡張用ACコンセント(サービスコンセント)を備えていたことでしょう。1983年までのパソコンで、サービスコンセントを備えていた機種はそれほど多くなく、それだけに目立つ装備でした。
ユニークなのは、発売当初にDIATONEのオーディオインテリジェントシステム「ロボティ」や、産業用マイクロロボット「ムーブマスターII」の接続もサポートすることを打ち出していた点でしょう。
「ロボティ」を制御するには専用インタフェースが必要でしたが、繋げばスイッチのオン/オフや音量、プレイヤー、テープデッキの各制御がプログラマブルで可能になりました。また、「ムーブマスターII」の制御はプリンタポートを通して行うことができ、ソフトウェアはMSX BASICで供給されるとアナウンスされていました。
これらの機能を内蔵し、59,800円という価格でデビューしたML-8000は、他のMSXたちと共にMSX界を盛り上げていくこととなります。